日本の相続税は世界一?海外での相続対策から失敗事例まで徹底解説

日本の相続税は最高55%と世界最高水準です。そのため、可能な限り税負担を軽減したいと考える方は少なくありません。一方で、「海外に資産があるから」「自分(または親)が海外に住んでいるから、日本の相続税は関係ない」と思っている方こそ、注意が必要です。
例えば、節税を目的とした安易な海外移転には「10年ルール」という落とし穴があります。
たとえ親子ともに海外で生活していたとしても、過去10年以内に日本に居住していた期間があれば、日本国内と同様に相続税が課税されるケースがあるのです。
本記事では、相続税の納税が必要になる人の条件から、国際相続の失敗例、賢い対策まで徹底解説します。この記事を読めば、あなたの取るべき対策が分かります。
この記事の目次 [表示]
1.はじめに:なぜ今、国際相続が身近になっているのか?
「国際相続」と聞くと、大富豪だけの話だと思っていませんか? 実は今、ごく普通のご家庭でも海外資産の問題に直面するケースが増えています。
1-1.富裕層だけではない、海外資産と相続のリアル
以前であれば、海外に不動産を持ったり、スイスの銀行にお金を預けたりするのは一部の富裕層だけでした。しかし、現在は状況が違います。
例えば、外貨預金・海外株式は、ネット銀行で簡単に口座を開設したり、誰でも手軽にAppleやAmazonの株、米国債を持てるようになりました。
また、海外勤務・移住をする人が年々増えていて、お子さんが海外で就職・結婚し、そのまま現地に住んでいるケースや、定年退職後に海外移住するケースも出てきています。
その他、ハワイやアジアのコンドミニアムを「老後の楽しみに」「資産運用に」と購入するケースも増えています。
このように、「親は日本にいるけれど、資産の一部が海外にある」「親は日本、子は海外」「親は海外、子は日本」といったパターンが増え、相続が発生した瞬間に「これ、どうやって手続きするの?」とパニックになる事例が急増しているのです。
2.【データで比較】日本の相続税は本当に高いのか?世界の相続税率と事情
まずは、日本の相続税が世界の中でどのくらい「高い」のか、客観的なデータで見てみましょう。
2-1.最高税率55%は世界トップクラスという事実
結論から言うと、日本の相続税(最高税率55%)は、世界最高水準です。 OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも、日本はずば抜けて高い税率を設定しています。これは、「富の再分配(お金持ちから税金をいただき、社会全体に還元する)」という考え方が日本では強いためです。
2-2.主要国の相続税率・基礎控除額 比較表
主要な国々と比較してみましょう。
| 国名 | 最高税率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本 | 55% | 基礎控除(非課税枠)が低い。多くの人が課税対象になる。 |
| アメリカ | 40% | 基礎控除が非常に高い(約20億円※)。超富裕層以外はほぼ無税。 |
| イギリス | 40% | 一律40%だが、配偶者への相続は無税などの特例あり。 |
| フランス | 45% | 血縁関係に応じて、税率や控除額が大きく異なる。 |
| ドイツ | 30% | 血縁関係に応じて、税率や控除額が大きく異なる。 |
※2025(令和7)年12月1日時点。
上記の日本以外の国について、血縁関係のない人に対する税率が上記の税率より高くなる場合もあります。
日本は税率が高いだけでなく、「いくらから相続税がかかるか(基礎控除)」のハードルが低いのが特徴です。例えばアメリカでは約20億円持っていないと相続税がかかりませんが、日本では「3,000万円 + 600万円 × 相続人の数」を超えれば原則相続税がかかります。
2-3.相続税がない国々とその「カラクリ」
世界には、相続税が「0円(ゼロ)」の国もあります。
- シンガポール
- オーストラリア
- カナダ
- マレーシア
- ニュージーランド など
「じゃあ、これらの国に引っ越せばいいの?」と思うかもしれませんが、注意が必要です。相続税がない代わりに、キャピタルゲイン税(資産の値上がり益に対する税金)が相続時にドカンとかかる国が多いからです。「相続税はないけれど、別の名前の税金が高い」というケースがあることを覚えておきましょう。
3.海外資産と日本の相続税の基本ルール
海外にある資産について、日本の税務署はどう考えているのでしょうか? 基本的なルールを確認します。
3-1.大原則:「全世界課税」という考え方
日本の相続税の大原則は、「全世界課税」です。亡くなった人(被相続人)や資産をもらう人(相続人)が日本に住んでいる場合、「日本の資産も、ハワイの不動産も、スイスの預金も、すべて日本の税務署に申告しなさい」というルールです。「海外にあるからバレないだろう」は通用しません。
3-2.あなたは納税義務者?4つのパターンで判定
誰がどの範囲まで相続税が課税されるかは、「亡くなった人(被相続人)」と「財産をもらう人(相続人)」の両方の状況で決まります。
日本の税務署は、「日本に住んでいる人」はもちろん、「日本と縁が深い人」にも税金をかけようとします。自分がどのパターンに当てはまるか、下記の表でチェックしてみましょう。

表の水色の部分に該当する人(無制限納税義務者)は、被相続人の国内財産・国外財産を含めて、全ての財産に相続税がかかります。一方で、白色の部分に該当する人(制限納税義務者)は、被相続人の国内財産に対してのみ相続税がかかります。
原則として、被相続人が「日本国籍、かつ日本に住んでいる」場合、無制限納税義務者に該当し、被相続人の全ての財産に相続税がかかります。
一方で、被相続人が「日本国籍だが、海外に10年以上住んでいる」場合、相続人が日本に住んでいるか、海外に10年以上住んでいるかによって、相続税がかかる範囲が変わってきます。
相続税の納税義務者についての詳しい解説は、下記を参考にして下さい。
参考:相続税の納税義務者とは?表・フローチャートでわかりやすく解説
外国籍・海外居住の相続人に関する納税義務等の詳しい解説は、下記を参考にして下さい。
参考:外国籍・海外在住の相続人に係る相続税!国際相続の課税ルールと手続きガイド
3-3.外国税額控除とは?
「海外にある資産には、その国の相続税もかかるのでは?」と思った方、鋭いです。 国によっては、現地の相続税と日本の相続税の両方がかかる「二重課税」の状態になります。これを調整するために、海外で支払った税金分を日本の相続税から差し引くことができる仕組みを「外国税額控除」と言います。
ただし、「海外で支払った税金が、無条件で全額戻ってくるわけではない」という点に注意が必要です。日本の税務署は、「日本の税率で計算した金額までは引いて良いけど、それ以上は引けません」というルール(限度額)を定めているからです。
少し計算が難しいので、ざっくりとしたイメージで見てみましょう。
例えば、以下のような遺産相続があったとします。
- 遺産総額:1億円
- そのうちアメリカの資産:4,000万円(全体の40%)
- 日本の相続税額:2,000万円
- アメリカで支払った税金:500万円
この場合、「アメリカで支払った500万円」を、日本の税金2,000万円からそのまま差し引いて良いのでしょうか?計算には2つのステップがあります。
<ステップ1>上限(限度額)を計算する
まず、「日本の相続税のうち、アメリカの資産に対応する部分」を計算します。日本の税金(2,000万円)のうち、アメリカの資産は全体の40%なので、「2,000万円×40%= 800万円」。これが、「日本の相続税額から差し引きできる上限」です。
<ステップ2>実際に支払ったアメリカの相続税額と比較する
次に、上記ステップ1の上限額と、実際にアメリカで支払った相続税額を比べます。その結果、低い方の金額を差し引くことができます。
したがって、500万円全額を差し引くことができます。
このケースでは、アメリカで支払った税金が上限(800万円)の中に収まっているため、500万円全額を日本の税金から差し引く(控除する)ことができます。最終的な日本の納税額は、「2,000万円 - 500万円 = 1,500万円」となります。
なお、もし海外の税金が高すぎたら、どうなるでしょうか?
例えば、アメリカの税金が高くて「1,000万円」払っていたとしたらどうなるでしょう?
上限は「800万円」なので、1,000万円払っていても、差し引きできるのは800万円までとなります。はみ出した200万円分は、残念ながら「切り捨て」になってしまいます。このように外国税額控除は、「日本の税率よりも、海外の税率の方が極端に高い場合」などは、二重課税が完全には解消されないケースもあることを覚えておきましょう。
参考:相続税の外国税額控除とは?二重課税を防ぐ手続き・計算方法を解説
4.【最新情報】海外移住が招く国際相続リスク
「海外に移住すれば節税できる」という話は、過去のものになりつつあります。むしろ、最新のリスクを知らないと、予想外に日本の相続税がかかってしまいます。せっかく対策したのに意味がなかった…ということにならないよう、注意しましょう。
4-1.歴史的円安で「円建て納税額」が急騰!
今、最も怖いのが「円安」です。 日本の相続税は、すべての資産を「日本円」に換算して計算します。
【例:アメリカに100万ドルの不動産がある場合】
- 1ドル=100円の時: 評価額 1億円
- 1ドル=150円の時: 評価額 1億5,000万円
現地の不動産価値が変わっていなくても、円安になるだけで日本の相続税評価額が5,000万円も跳ね上がります。これにより、予想外の巨額な相続税を請求されるケースが増えています。
4-2.国外転出(海外移住)と「10年ルール」の落とし穴
富裕層の海外への資産逃避を防ぐため、日本の税制は年々厳しくなっています。その象徴が「10年ルール」です。
以前は「5年間海外に住めば、海外資産は日本の相続税の対象外」というルールでした。しかし、現在は「10年間」に延長されています。 つまり、親子ともに海外へ移住して完全に日本の居住者でなくなったとしても、10年が経過するまでは、世界中の資産に対して日本の高い相続税がかかり続けるのです。安易な移住は、生活環境を変えるコストだけがかかり、節税効果が得られないリスクがあります。
5.海外にまつわる相続税申告の手続きと注意点
「日本の相続手続きだけでも大変なのに、海外にも資産があるなんて…」
正直に申し上げますと、海外資産が含まれる相続税申告は、国内だけの相続に比べて難易度と手間が格段に跳ね上がります。
日本の税務署に提出する申告書を作るためには、単に資産を足し算するだけでなく、通貨の計算や翻訳といった専門的な作業が必要になるからです。ここでは、特に皆様を悩ませる5つのハードルについて解説します。
5-1.為替レートの決定
日本の申告書には「円」で金額を書かなければなりません。では、1ドル何円で計算すれば良いのでしょうか? ニュースで見るレートではありません。原則として、亡くなった日の「TTB(対顧客電信買相場)」という、銀行が外貨を円に換える時のレートを使います。 「亡くなった日のレート(TTB以外のレート)」や「預け入れ時のレート」など、間違ったレートを使うと税務署から指摘を受けるため、金融機関ごとの公表データを正確に調べる必要があります。
5-2.現地の資料集め
これが最も骨の折れる作業です。現地の銀行や不動産会社などから「残高証明書」や「評価書」を取り寄せる必要がありますが、当然すべて英語(または現地の言葉)です。メールを送っても返信が遅かったり、現地の弁護士を通さないと書類が出なかったりと、日本の役所のようにスムーズにはいきません。書類が手元に届くだけで数ヶ月かかることもよくあります。
5-3.翻訳が必要
苦労して取り寄せた英語(または現地の言葉)の書類ですが、そのまま使用することはできません。相続税の計算作業や、税務署への提出書類として、実務上「日本語の翻訳」が必要となるからです。「Google翻訳でいいや」と思うかもしれませんが、金融・法律用語は自動翻訳だと意味が通じないことが多々あります。日本の相続税計算を正しく行うための、正確な和訳文書を作成する手間が発生します。
5-4.日本の申告期限(10ヶ月)は待ってくれない
海外資産があるからといって、申告期限(亡くなってから10ヶ月以内)は1日たりとも延長されません。資料集めや翻訳に数ヶ月余計に時間がかかることを考えると、スケジュールの余裕はほとんどありません。「四十九日が終わってから考えよう」とのんびりしていると、あっという間に期限切れになり、無申告のペナルティを受けるリスクがあります。
5-5.海外の申告期限との「ズレ」に注意!
忘れがちなのが、相手国の申告期限です。例えばアメリカの遺産税の申告期限は「9ヶ月以内」ですが、延長申請をすれば延ばすことも可能です。
しかし、ここで問題が起きます。「外国税額控除(海外で払った税金を日本の税金から差し引く制度)」を使うには、「外国で税額が確定して、支払っていること」が前提となります。
- 日本:10ヶ月以内に申告が必要
- 海外:まだ手続き中で、税額が決まっていない
このようにタイミングがズレてしまうと、日本では一旦高い税金を支払い、後から海外の税額が決まった段階で「更正の請求(払いすぎた税金を返してもらう手続き)」をしなければなりません。この二度手間を防ぐためにも、日本と海外双方のスケジュール管理ができる専門家の存在が不可欠なのです。
6. 【税理士が見た海外資産にまつわる失敗事例】準備不足が招いた悲劇
ここでは、実際にあった「海外資産相続の失敗事例」をご紹介します。
6-1.ケース1:ハワイのコンドミニアムが「負」動産に…
ハワイが大好きなAさんは、現地にコンドミニアムを購入。しかし、Aさんが亡くなった後、家族は現地の裁判手続き(くわしくは、8-2参照)に巻き込まれました。 弁護士費用で数百万円が飛び、手続きが終わるまでの2年間、物件を売ることも貸すこともできず、管理費と固定資産税だけを払い続けることに。日本の相続税の納税資金の準備も苦労し、大変な目に遭いました。「憧れのハワイ」が、家族にとっては「苦痛の種」になってしまった事例です。
6-2.ケース2:誰も知らなかった海外口座。追徴課税で相続財産が目減り
Bさんは、家族に内緒で海外の銀行に多額の預金をしていました。「海外の銀行なら日本の税務署にはバレない」と思っていたのです。しかし、現在はCRS(共通報告基準)という仕組みで、各国の金融機関の情報が日本の国税庁に自動的に共有されています。相続税の申告後、税務署から「海外口座が漏れています」と指摘され、高いペナルティ(過少申告加算税など)を支払うことになりました。
6-3.ケース3:「二重課税」の回避。知らなかったでは済まされない外国税額控除
Cさんは、アメリカの不動産を相続し、現地で遺産税を支払いました。その後、日本の税理士に依頼して日本の相続税も申告しましたが、その税理士が国際相続に詳しくなく、「外国税額控除」を適用し忘れていました。 結果、アメリカと日本で二重に税金を払い、数百万円も損をしてしまいました。気づいた時には、すでに日本の相続税の時効が成立していて、外国税額控除を適用して相続税を取り戻すということもできませんでした。
7.【相続対策】これから海外資産を持つ方が購入前に知るべき3つの鉄則
もしこれから海外資産を買う、あるいはすでに持っているなら、次の3つを必ず確認してください。
7-1.鉄則1:海外資産は「買い方」で相続の結末が変わる
特に不動産の場合、「誰の名義で買うか」が重要です。例えば、夫婦共同で買う場合、「ジョイント・テナンシー(生存者取得権付共同保有)」という形態にしておけば、夫が亡くなった時に自動的に妻へ権利が移り、複雑な手続きを避けられる国(アメリカなど)があります。 購入前に、その国の相続ルールを見据えた名義設定が必要です。
7-2.鉄則2:「現地の遺言書(Will)」でプロベートを回避・簡略化する
海外資産を守る最強の盾は「遺言書(Will)」です。 ただし、日本の遺言書がそのまま海外で使えるとは限りません。「その国で有効な遺言書」を作成しておくことで、後述するプロベート(裁判所の手続き)を回避したり、スムーズに進めたりすることができます。
7-3.鉄則3:国際相続最大の悲劇、「資産がどこにあるか不明」を防ぐ
デジタル化が進み、紙の通帳がない海外口座も増えています。「どこの国の、どの銀行に、どんなIDで口座があるか」をエンディングノートや一覧表にまとめておきましょう。家族が資産の存在に気づかなければ、そのお金は永遠に失われてしまうリスクがあります。また、相続税申告後に、税務署から「海外口座が漏れています」と指摘されてしまうケースも考えられます。
8.国際相続で直面する実務的課題
最後に、実務上の大きなハードルについて解説します。特にアメリカ方面に資産をお持ちの方は必読です。
8-1.課題1:海外資産の「評価」という見えないハードル
日本の不動産なら「路線価」がありますが、海外にはありません。現地の鑑定士に依頼して「時価」を出してもらう必要がありますが、その評価方法が日本の税務署に認められるものかどうかの判断は、専門的な知識が必要です。
8-2.課題2:海外専門家との連携と「プロベート」という名の壁
アメリカ(特にハワイ・カリフォルニア)や、イギリス、オーストラリアなどの国々には、「プロベート(検認裁判)」という日本にはない制度があります。これが、国際相続における「最大の難関」と言われています。
8-2-1.プロベートとは?「資産が裁判所にロックされる」
日本では、遺産分割協議書に実印を押せば、すぐに銀行でお金をおろしたり、不動産の名義を変えたりできます。しかし、プロベートがある国ではそうはいきません。
プロベートとは、「法律に基づいて、被相続人の財産を相続人に引き継ぐための裁判所で行う手続きのこと」をいいます。
イメージしてください。亡くなった瞬間に、現地の資産がすべて「裁判所」という頑丈な金庫に入れられ、鍵をかけられてしまう状態です。「私が妻です」「子供です」と言っても、裁判所が「よし、開けていいぞ」と言うまで、家族は1円たりとも引き出せず、不動産を売ることも貸すこともできなくなります。
8-2-2.なぜ嫌がられる?プロベートの3重苦
この裁判手続きには、日本人が想像する以上の負担がかかります。
◆時間がかかりすぎる
手続き完了まで早くて1年~2年、長いと3年以上かかることも珍しくありません。その間、不動産の管理費や固定資産税は払い続けなければなりませんし、現地や日本の相続税を支払う必要がある場合は、納税資金の確保に苦労することになります。
◆費用が高すぎる
現地の弁護士や会計士に支払う報酬は、遺産総額の数%~10%近くになることもあります。例えば、5,000万円のコンドミニアムなら、数百万円が手続き費用だけで消えてしまいます。
◆プライバシーがない
「誰が、どんな資産を、いくら持っていたか」という情報が、すべて裁判記録として公開されてしまいます。
なお、プロベートの手続きは、全てを英語(現地の言葉)で、現地の法律に従って進めるため、日本にいる家族にとっては精神的にも大きなストレスとなります。
9.専門家に相談すべきタイミングと選び方
国際相続は、「一般的な税理士」では対応が難しい特殊な分野です。
9-1.海外事情に強い税理士の見極めポイント
相談する際は、以下の点を確認しましょう。
- ① 国際相続の申告実績は何件ありますか?
「年に数件」や「過去にやったことがある」程度では不安です。常に扱っているかが重要になります。 - ② 海外の弁護士や会計士などの専門家と、やり取りするためのネットワークを持っていますか?
このネットワークが無いと、現地の資料集めやプロベート手続きで苦労してしまいます。 - ③ 外国税額控除やプロベートについて説明できますか?
即答できない場合、知識不足の可能性があり不安です。
海外事情に詳しくない税理士に依頼してしまうと、計算ミスで税金を払いすぎたり、逆に少なく申告して税務署からペナルティ(加算税)を受けたりするリスクが高まります。また、不慣れなために手続きが遅れ、申告期限に間に合わなくなる最悪のケースも考えられますので、十分注意しましょう。
9-2.専門家に相談すべきタイミングとは?
相談のタイミングは、早ければ早いほど、取れる対策(節税やトラブル回避)の選択肢が増えます。
生前に相続税対策をするなら、ベストなタイミングは、「海外資産を購入する前」または「海外へ移住する前」です。これから海外不動産を買う、あるいは海外へ移住する予定があるなら、その直前がベストです。 「誰の名義にするか」「どのビザで移住するか」など、最初のボタンを掛け違えないようにすることで、将来の相続トラブルを未然に防げます。
また、すでに海外資産をお持ちなら、今すぐご相談ください。遺言書(Will)の作成や、資産構成の見直しなど、時間をかけて準備ができます。
もしすでに相続が発生している場合は、一刻を争います。前述の通り、海外の資料集めには膨大な時間がかかります。「まだ四十九日前だから」と遠慮せず、すぐに専門家へご連絡ください。「相続が起きてしまった後」でも解決策は必ずあります。手遅れになる前に動くことが大切です。
10.まとめ:海外資産の相続は「事前の準備」が9割
日本の高い相続税率、円安の影響、そして各国の複雑な法律。これらが絡み合う国際相続は一筋縄ではいきません。しかし、早めに対策を打てば、資産をしっかり守り、次の世代へ引き継ぐことができます。
税理士法人チェスターでは、海外資産を持つ方、海外在住の相続人様がいる方のサポート実績が豊富にございます。海外のコンドミニアム、各国の金融機関の手続き、その他さまざまな手続きについて、現地の専門家とも連携しワンストップで対応可能です。
「自分の場合はどうなるの?」と気になった方は、まずは一度ご相談ください。
※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。
国際相続の申告手続きでお困りですか?
海外に相続財産がある場合や、相続人の方で海外居住者また外国籍が含まれる方がいる場合は税理士法人チェスターが提供する国際相続のサービスをぜひご利用ください。
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まずは海外が絡む相続であっても日本の相続税の課税対象かフローチャートで簡単に確認ができますので、以下のページよりサービスと併せてご覧ください。
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