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相続税の更正の請求について

相続税の更正の請求について

相続税の更正の請求について

相続税法においては、税の更正の請求について特例が設けられており、他の税制とは少し異なります。

相続が発生した際には、相続が発生したことを知った日、つまり被相続人が死亡した日から10カ月以内に相続税の金額を税務署に申告しなくてはなりません。

相続税を税務署に申告して、それが確定したあとに何らかの理由によって相続税の値段が変動する場合、税額の更正を請求することになります。

税額が増える場合はいつでも更正を行って追加で納税をすればいいだけなのですが、税額が減る場合、つまり還付を請求する場合には規定があります。

相続税の還付を請求する場合は、相続税の申告期限(被相続人が死亡してから10カ月以内)から、5年以内に請求を行わなければなりません。

相続税の更正の請求は相続人の権利として保障されていますが、この期間を過ぎてしまうと更正を請求する権利はなくなってしまいます。

相続税の更正の請求の特則

相続税を納めたあとに、相続税を払いすぎていたことがわかったときは、税務署に対して減額更正を請求することができます。

相続税を払いすぎていた例として、計算を誤っていた場合などのほか、相続に関する特殊な事由により、相続人が取得した相続財産の課税価格が先に申告した額から変動する場合があげられます。

1.更正の請求の期限

更正の請求は、法定申告期限から5年以内であれば行うことができます。
ただし、相続税法第32条第1項によって特則が定められており、特殊な事由があった場合は、それらの事由が発生したことを知った日の翌日から4カ月以内に行うことができるとされています。

2.特則に定められる特殊な事由とは

特則に定められる特殊な事由として代表的なものは、次のとおりです。

(1)未分割の財産が分割された場合

申告期限までに相続財産の分割が終わらなかった場合は、法定相続人が法定相続分で取得したものとみなして、申告・納付します。その後、相続財産が分割され、各相続人が取得した相続財産の課税価格が先に申告した額から変動した場合です。

(2)認知、廃除等による相続人の異動

子の認知、相続人の廃除、廃除の取り消しによる相続の回復または相続放棄の取り消しなどにより、相続人が異動した場合です。

(3)遺留分の減殺請求による返還

遺留分の減殺請求をされて、相続財産から支払った場合です。配偶者、子、子が死亡した場合の代襲相続人および直系尊属が最低限相続できる割合を遺留分といいますが、遺留分が侵害された相続人は他の相続人から取り戻すことができます。これを遺留分の減殺請求といいます。

(4)未分割の財産が分割されたことにより軽減措置や特例が適用できる場合

申告期限から3年以内に未分割の財産が分割されたときは、「配偶者に対する相続税額の軽減」や「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」が適用できます。これらを適用して、相続財産の課税価格が先に申告した額から変動した場合です。

(5)遺贈にかかる遺言書の発見、遺贈の放棄

遺贈をする旨の遺言書が見つかった場合、また遺贈が放棄された場合です。

これらの事由によって更正を請求したい場合は、4カ月以内にすることになりますが、場合によっては遺産分割協議をやり直すことになるので、迅速な対応が求められます。

なお、これらの事由によって課税価格が増え、相続税を追加して納めることとなった場合は、10カ月以内に限り、修正申告をすることができます。
また、新たに相続税を納めることになった場合は、期限後申告書を提出することができます。
これらの場合、延滞税は課税されません。また、事由が正当と認められるときは過少申告加算税や無申告加算税も課税されません。

相続税の更正の請求~判決後なのに更正の請求ができない?~

相続税の更正の請求

所得税や相続税などの申告納税方式の国税において、既に提出した申告書に計算誤り等があり本来の税額よりも多く払い過ぎていた場合は、法定申告期限から5年以内であれば更正の請求をすることで本来の税額に正すことができます(国税通則法第23条1項)。
また、「一定の後発的事由」により課税標準等又は税額等の計算の基礎に変動が生じた場合には、上記の「5年以内」とは別に、後発的事由が生じた日等の翌日から起算して2ヶ月以内であれば、更正の請求をすることができます(国税通則法第23条2項)。

加えて相続税の場合には、相続手続きに長い時間を要するという性格上、「相続税法特有の後発的事由」に対して更正の請求の特則が設けられています。
この場合には、対象となる事由が生じたことを知った日の翌日から4ヶ月以内であれば、更正の請求をすることが認められています(相続税法第32条)。

後発的事由に該当しなかったケース

上記で記載した「相続税法特有の後発的事由」はいくつかありますが、その中の一つに「相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと(相続税法施行令第8条第2項第1号)」という事由があります。

この事由に該当しないとして、平成29年1月12日に請求人の主張が斥けられたケースがあります。
どのような場合に当該事由に該当するのでしょうか。以下で確認します。

◆概要(通知処分までの動き)◆

相続が発生(請求人を含み相続人は3人)

請求人が相続放棄の申述を行い、家庭裁判所に受理される

請求人とは別の相続人より、法定相続分が3分の1であることを前提に遺産分割審判の申し立てがある

請求人が、民法の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとして、期限後申告書を提出

法定相続分が3分の1であることを前提に、上記遺産分割審判の確定

請求人が相続放棄の申述をしていたことを理由として、請求人は相続人ではないこと、および上記審判が無効であることを確認

無効確認を受けて、「相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと」等を原因として更正の請求

原処分庁において、更正すべき理由がない旨の通知処分

◆審判所の判断◆
当該条文に規定する「判決」は、国税通則法第23条第2項第1号に規定する「判決」とその基本的な性質を同じくするものであると解するのが相当である。
そうすると、当該条文に規定する「判決」は、当該判決について、納税者において申告時に予測し得なかった事態その他やむを得ない事由が生じたと評価できるものでなければならない。
本件の場合、請求人は請求人自ら相続放棄の申述をしていることから、予測し得なかった事態その他やむを得ない事由が生じたと評価できるものではなく、当該条文に規定する「判決」には該当しないものというべきである。

◆判決後なのに更正の請求ができない?◆
該当する条文のみを見ると、審判の確定等があればこの事由に該当するように思われます。
しかしこの条文の位置付けからすると、当該事由が認められるためには、「当初申告時には予測し得なかった事態その他のやむを得ない事由が生じた」場合でなければならないのです。
今回のケースでは、自分で相続放棄の申述をしていたことが原因であり請求人は今回の事態は予測し得た、という判断です。
このケースのように、判決後であってもその経緯によっては更正の請求事由に該当しない場合もありますので、注意が必要です。

 

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