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葬式費用の相場と相続税の計算方法

1.葬式費用の相場は全国平均で200万円ほど!?

よく「葬式費用の平均は200万円」と言われることがありますが、実際に、葬儀代に加え、寺院への費用、弔問客への飲食接待費を全て合計した上での葬儀に関わる全体的な「葬式費用」の平均は、240万円程度と言われています。

内訳で言うと、葬儀社に支払われる葬儀料の金額が130~180万円程度で、残りが寺院へ支払われるいわゆる「お布施」になります。

ただ、最近では葬儀の低価格化も進んできており、小規模な家族葬などであれば、数十万円から行えるような葬儀もあるようです。

葬式費用と言っても、ほぼ必ず負担しなければならない火葬費用や埋葬費用といったものから、削ろうと思えば削れる会場費や飲食代といったものまで様々です。
最近では葬儀のための保険等も充実しているようですが、基本的に葬儀社への支払いは香典による収入によって賄われることが多いので、概算を出し、無理のない葬儀を行う必要があります。

葬儀社に依頼すれば見積もりもとれますので、それぞれの品目と明細をきちんと出してもらうと良いでしょう。

2.葬式費用は相続税の計算上控除できるのか?

相続財産から相続税の計算上控除できる債務は、原則としては確定債務と言って、相続開始(死亡)時に確実に債務として存在するものです。

この原則に照らすと、葬式費用は被相続人が亡くなった後に支出するものですので当てはまらないことになります。

しかし、例外的に、葬式費用は相続税の計算上控除することが認められています
これは、お葬式の費用は、故人が残した債務ではないものの、人が亡くなったら当然にかかる費用だからです。

先ほども述べた通り葬式費用は最近では低価格化が進んではいますが、それでもやはりそれなりの費用がかかることは間違いありません。
通常一般のお葬式でも、通夜と告別式で2百万円から3百万円かかりますし、それに納骨の費用その他の経費を加えるとさらに百万円くらいかかる場合もあります。

これらの費用が相続税から控除されることになります。
ただし、控除の対象にならないものもありますから、確認しておきましょう。

控除の対象となっている費用は、

  1. お通夜、お葬式の会場費、飲食代、お礼など
  2. お布施、読経、戒名などの費用
  3. 火葬、埋葬、納骨の費用
  4. 遺体の運搬にかかる費用

です。
控除額に上限はありません。
お葬式の規模が大きければ費用は増えますが、かかった費用の多少に関わらず控除の対象となります。

控除の対象にならない費用としては、香典返し、墓地購入費、仏具費、初七日などの法要の費用などです。

この他に、控除されるかされないか微妙な費用については、その状況によって判断されます。

ですから、葬儀費用はなるべく細かく記録しておきましょう。

葬式費用の範囲 ~控除対象になるもの・ならないもの~

3.「お布施は領収書がもらえない」は時代遅れ!?

よく、お布施は領収書がもらえないと言った話を聞きます。
ただ、それも今や昔の話です。

顧客サービスをきちんと考えているお寺等であれば、いまどきはきちんと領収書を発行してくれます。
普通に考えれば、「確かに受け取りました」の証拠として、領収書くらいは渡しても当然ですね。
ですので、領収書はもらえないという固定観念は捨てて、一度希望を伝えてみた方がよいかと思います。

ただ、確かにこれまでお布施に対する領収書を出さないことはよくあったため、相続税の計算を行う際には、必ずしも領収書が必要となるわけではありません。

領収書がなくても、どのお寺にいついくら渡したという事実がしっかりわかっていればその金額を相続税の計算上債務控除することが可能となります。メモ書きでかまいませんのでしっかりと残しておきましょう。

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