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遺産が未分割のまま!相続税の申告で困る【5つのデメリット】

遺産が未分割!相続税の申告はどうなる?

遺産が未分割な状態にあるときの相続税の計算方法や未分割であるためのデメリット等をご説明します。
故人に遺言がない場合、相続人の間で遺産分割協議がおこなわれます。
遺産分割協議が上手くいかずに、相続税の申告期限である十か月以内に相続財産の分割協議が整わなかった場合のことを、未分割申告と呼びます。
未分割申告とみなされると、いったんそれぞれの相続人が法定相続分で遺産を取得したと仮定して、相続税を申告・納付する必要があります。
しかし未分割遺産がある場合には、相続税申告において以下のようなデメリットもあります。

デメリット1)配偶者の税額軽減が適用されない

配偶者は法定相続分(遺産の半分等)か1億6,000万円のどちらか、大きい額につき相続税がかかりません。しかし、遺産の一部が未分割の場合は、その分割されていない遺産部分については適用されません。

デメリット2)小規模宅地等の評価減が使えない

小規模宅地等の特例を適用することで、居住用宅地であれば、240㎡まで80%減額、不動産貸付事業宅地で200㎡まで50%減額といった大きな減額を行うことができます。しかし、その評価減を使うことができません。

デメリット3)物納ができない

未分割の相続財産については、いったん相続人全員が共有したことになるため、仮に物納申請をする場合には、相続人全員が申請する必要があり、単独での物納申請ができなくなります。

デメリット4)農地等の納税猶予が適用できない

納税猶予の適用を受けるためには、その納税猶予の対象となる農地等が申告期限までに分割されている必要があります。

デメリット5) 非上場株式などの納税猶予が適用できない

ただし3年以内に遺産分割協議がまとまれば、上記、1),2)の優遇措置は使用できますのでご安心下さい。
未分割で相続税申告を行う場合には、分割案確定後に備えて、「申告期限後三年内の分割見込書」を提出し、後で各種特例が受けられる状態にしておきましょう。
この分割見込書を提出することで、未分割だった遺産が申告期限から3年以内に分割された場合、その分割された日から4カ月以内に更正の請求を行うことにより、上記、1),2)の優遇措置については適用されるようになります。
過去の納税額が過大であった場合には、その多い部分につき還付を受けることができます。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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