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相続税の改正!基礎控除や税率は変わる?いつから施行?【2026年】

相続税の改正!基礎控除や税率は変わる?いつから施行?【2026年】

「今年の税制改正で相続税はどうなる?」
「相続税の改正で何が変わった?いつから施行?」

この記事をご覧のみなさんは、このような疑問をお持ちではないでしょうか。

結論から言うと、令和8年度(2026年度)の税制改正では、相続税の基礎控除や税率といった、一般家庭の相続に影響がある見直しは行われていません。

ただし、不動産オーナーや事業承継をされる方は、確認しておきたい改正項目があります。

この記事では、令和8年度の最新の相続税改正内容はもちろん、現在も影響がある近年の相続税の改正について、相続税専門の税理士が解説します。

この記事の目次 [表示]

1.相続税の改正!令和8年度(2026年度)税制改正による4つの変更点

令和8年度(2026年度)の税制改正では、相続税の基礎控除や税率といった「大枠」に変更はありません。

一方で、相続税に関連する制度のうち、不動産・贈与・事業承継等に関わる項目については、以下の通り見直しが決定されています。

令和8年度の相続税の改正

  • 貸付用不動産の評価方法の見直し(通称:5年ルール)
  • 不動産小口化商品の評価方法の見直し
  • 教育資金の一括贈与の非課税措置が終了
  • 相続税・贈与税の納税猶予の特例が延長

不動産に関する改正は、令和9年(2027年)1月1日以降の相続から適用される予定です。

改正の背景や具体的な影響は次章で詳しく解説しますが、まずは今回の改正が「誰」に影響があるのかを押さえておきましょう。

参考:令和8(2026)年度税制改正大綱(資産税関連)

1-1.相続税の改正で影響があるのは「賃貸不動産」や「事業承継」

令和8年度の相続税改正は、すべての相続人に影響があるわけではありません。

今回の見直しは、主に不動産や事業承継に関わる制度が中心となっています。

令和8年度改正の影響がある人(例)

  • 賃貸用不動産を所有しているオーナー
  • 不動産小口化商品を保有・購入予定の方
  • 事業承継や農地の相続を予定している後継者層

上記に該当する方は、評価方法の見直しや納税猶予制度の延長により、相続税額や申告方法が変わる可能性があります。

ただし、遺産総額が相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の範囲内である一般的な家庭では、今回の改正による影響はほとんどありません。

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今回の相続税の改正よりも注目したいのは、令和5年度税制改正による「生前贈与加算の持ち戻し期間の延長」です。
令和9年1月以降に発生する相続から、段階的に7年ルールへ移行するため、贈与と相続のタイミングによって持ち戻し対象かどうかを判定する必要があります。
該当する可能性がある方は、相続税に強い税理士に相談されることをおすすめします。

>>【公式】税理士法人チェスターに相談する

2.令和8年度税制改正で相続税はどう変わる?いつから施行される?

令和8年度(2026年度)の税制改正では、相続税に関わる制度のうち、不動産・贈与・事業承継に関する項目が見直されました。

この章では、確定している4つの改正内容について解説しますので確認しておきましょう。

2-1.改正①貸付用不動産の評価額の見直し(通称:5年ルール)

令和8年度税制改正では、相続開始前5年以内に取得・新築した一定の貸付用不動産について、相続税評価額を「通常の取引価額(取得価額をベースに算出した時価の8割相当額)」で評価することが新たに定められました。

従来は、建物や土地の固定資産税評価額などを基準に算定するため、時価より低い評価額となりやすく、相続直前に賃貸不動産を購入して評価額を下げる節税策が可能でした。

今回の見直しは、このような駆け込みで賃貸不動産を購入することによる節税に、一定の歯止めをかけることが目的です。

なお、賃貸不動産の取得・新築から5年経過後に発生した相続においては、従来どおりの評価方法が適用されます。

この新しい評価方法は、相続における賃貸不動産の「5年ルール」と呼ばれ、令和9年(2027年)1月1日以降の相続から適用される予定です。

参考:賃貸不動産(賃貸物件)の相続税評価は下がるって本当?節税方法を知ろう

2-2.改正②不動産小口化商品の評価方法の見直し

不動産小口化商品(都心ビル等を小口化して販売する商品)は、従来は現物不動産と同様の評価方法が使われ、相続税評価額が時価の7~8割程度になるケースが一般的でした。

今回の改正では、この評価方法が大きく見直され、取得時期を問わず「取引価額(時価)」で評価する方式に一本化されます。

なお、貸付用不動産の5年ルールとは異なり、不動産小口化商品には「何年経過すれば従来評価に戻る」という例外がありません。取得から何年経過していても、常に「時価」が評価額になる点が特徴です。

すでに不動産小口化商品を保有している人は、生前贈与で移転する際に評価額が高くなる可能性があるため、贈与方法や移転タイミングには注意が必要です。

2-3.改正③教育資金の一括贈与の非課税措置が終了

教育資金の一括贈与(最大1,500万円非課税)は、令和8年3月31日をもって新規の口座開設・適用が終了しました。

制度開始以来、祖父母や父母が子や孫へ教育資金をまとめて贈与する際に活用されてきましたが、今回の改正で新規利用はできなくなっています。

ただし、制度が終了した後も、祖父母や父母が子や孫へ「その都度」支払う教育費等は、従来どおり贈与税が非課税です。

入学金・授業料・塾代など、教育に必要な費用をその都度支払う場合は非課税扱いとなるため、一般家庭への影響は限定的です。

また、すでに拠出済みの残額については、引き続き非課税措置が適用されます。

参考:教育資金の一括贈与は本当にお得?条件・期限などを解説【2026年3月終了】

2-4.改正④相続税・贈与税の納税猶予の特例が延長

事業承継や農地の相続に関する納税猶予制度は、令和8年度改正で適用期限が延長されました。

事業を承継する方や農地を相続する方にとっては、相続税の納税猶予制度を活用できる期間が広がる有利な改正となります。

個人の事業用資産令和10年9月30日まで延長
非上場株式令和9年9月30日まで延長
医業継続令和11年12月31日まで延長
農地等利子税の全額を免除する措置の適用期限が5年延長

適用期限の延長により、後継者が承継計画を立てやすくなり、事業の継続性を確保しやすくなる点がメリットです。

ただし、制度要件は細かいため、適用を検討する際は事前に専門家へ相談することをおすすめします。

参考:相続税の納税猶予制度とは?適用条件・免除要件・注意点と利子税も解説

3.近年行われた「相続税」と「生前贈与」に関する2つの改正内容

令和8年度(2026年度)の税制改正とは別に、近年の税制改正で「相続税」や「生前贈与」に大きく影響している制度変更が2つあります。

いずれも令和5年度の税制改正によるもので、すでに適用が始まっているため、相続や生前贈与を検討している家庭は必ず確認しておきましょう。

3-1.【生前贈与加算】相続開始前3年以内→7年以内に延長

生前贈与加算とは、暦年課税の基礎控除(年間110万円以内)で贈与した財産のうち、相続開始前の一定期間内の贈与財産を、相続財産に持ち戻して相続税を課税する仕組みのことです。

令和5年度の税制改正により、この持ち戻しの対象期間が「相続開始前3年以内」から段階的に延長され、令和13年1月1日から「相続開始前7年以内」の贈与が加算対象になります。

なお、令和8年(2026年)中に発生した相続では、令和6年(2024年)1月1日以降になされた贈与が持ち戻しの対象となります。

生前贈与加算の対象期間の延長

生前贈与加算の持ち戻し期間の延長により、相続直前に贈与を行う相続税対策ができなくなりました。

令和6年1月1日以降の贈与から段階的に適用されるため、贈与計画を立てる際には必ず考慮する必要があります。

参考:生前贈与加算とは?対象者・相続税改正内容・生前贈与の注意点を解説

3-2.【相続時精算課税】年110万円の基礎控除が新設

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫に対して贈与をした場合に選択できる贈与税の課税方式のことです。

令和5年度改正では、この相続時精算課税制度に、基礎控除(年間110万円)が新設され、少額の贈与であれば課税されずに利用できるようになりました。

基礎控除を超えた贈与については、特別控除(累計2,500万円)の範囲であれば贈与税がかからないものの、その贈与財産は相続時に持ち戻して相続税が課税されます。

相続時精算課税制度の仕組み

相続時精算課税の基礎控除は、生前贈与加算の対象ではありません。

つまり、毎年110万円以下の贈与を続けていても、特定贈与者が亡くなった際に持ち戻しの対象にはなりません。

贈与の選択肢が広がったため、暦年課税との使い分けを検討する価値があります。

参考:相続時精算課税制度とは?仕組み・メリット・デメリットも解説

4.相続税の基礎控除はいつから改正された?最新の計算方法

相続税の基礎控除が改正されたのは平成27年(2015年)1月1日であり、令和8年(2026年)現在まで変更はありません。

相続税の基礎控除とは、すべての相続において適用できる控除のことで、相続税がかかるか否かのボーダーラインのような役割があります。

以下は現在の相続税の基礎控除の計算方法ですので、確認しておきましょう。

相続税の基礎控除額計算方法

相続税が課税されるのは、「正味の遺産総額」から「基礎控除額」を差し引いた後の「課税遺産総額」です。

つまり、「正味の遺産総額≦基礎控除額」であれば相続税はかからず、逆に「正味の遺産総額>基礎控除額」であれば相続税がかかることとなります。

参考:【相続税の基礎控除】いくらまで無税?計算方法を早見表付きで解説

4-1.相続税の基礎控除の改正の歴史

相続税の基礎控除は、過去に複数回見直しが行われてきました。以下は主な改正の歴史をまとめた一覧表です。

 基礎控除額の計算式
昭和63年1月1日以降4,000万円+(800万円×法定相続人の数)
平成4年1月1日以降4,800万円+(950万円×法定相続人の数)
平成6年1月1日以降5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
平成27年1月1日以降3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

平成27年1月1日以降は、相続税の基礎控除額が引き下げられています。

この改正は「課税対象者の裾野を広げる」目的で行われたものであり、実際に相続税がかかるようになったケースが増加しています。

4-2.相続税の基礎控除の改正による課税対象者の変化

例えば、正味の遺産総額が6,000万円で、法定相続人が2人であった場合、改正前であれば相続税はかかりませんでした。

しかし、改正後については、基礎控除額を超える1,800万円について相続税が課税されるようになりました。

相続税の基礎控除の改正による課税対象者の変化

平成27年1月1日以降は「相続税がかからない家庭」が大幅に減り、相続税の課税対象者が増加しています。間違えて古い基礎控除の計算をしないよう十分注意しましょう。

5.平成27年1月1日施行の主な相続税の改正内容

平成27年施行の相続税法改正では、基礎控除の引き下げだけでなく、税率・特例・控除など複数の制度も見直されました。

これらの改正により、相続税の負担や適用範囲が大きく変化し、多くの人に影響を及ぼしました。

5-1.相続税の税率の引き上げ(取得金額2億円以上の場合のみ)

平成27年施行の改正では、「各相続人の遺産の取得金額」が2億円を超える場合の税率が引き上げられました。

取得金額が2億円超~3億円以下の部分は税率40%→45%に、6億円超の部分は税率50%→55%に引き上げられています。

ただし、取得金額が2億円以下の場合は税率の変更はないため、税率引き上げの影響を受ける人は一部の富裕層に限定されています。

相続税の税率の引き上げ

「法定相続分に応ずる取得金額」とは、正味の遺産総額から基礎控除額を引いた課税遺産総額を、各相続人が「法定相続分」で分割したと仮定した場合の取得金額のことです。

実際の納税額は、相続人全員の税額をこの取得金額に基づいて計算し、その総額を実際の相続割合に応じて按分して決定されます。

参考:【相続税の税率】割合は最高55%!早見表と計算方法を解説

5-2.小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の限度面積が緩和

平成27年施行の相続税法改正では、自宅の土地(特定居住用宅地等)に小規模宅地等の特例を適用する場合の「限度面積」が緩和されました。

これに伴い、より広い面積の土地について評価額を減額できるようになったため、相続人にとって有利な改正となりました。

小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の限度面積の緩和

ただし、小規模宅地等の特例は適用要件が非常に複雑であるため、必ず相続税に強い税理士に適用可否を確認することをおすすめします。

参考:【小規模宅地等の特例】相続税評価額を最大80%減額!適用要件・計算方法を解説

5-3.未成年者控除の1年あたりの控除額が引き上げ

平成27年施行の相続税法改正では、未成年者控除の1年あたりの控除額が、6万円→10万円に引き上げられました。

相続税の未成年者控除額は、相続人が成人するまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)に1年あたりの控除額をかけて計算します。

未成年者控除の1年あたりの控除額の引き上げ

さらに、令和4年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられたため、令和4年4月1日以後に相続が開始した場合、未成年者控除の金額は「18歳に達するまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)×10万円」で控除額を計算します。

相続したときの年齢が15歳だった場合、未成年者控除額は(18歳-15歳)×10万円=30万円となります。

参考:相続税の未成年者控除はいくら安くなる?適用要件と計算方法

5-4.障害者控除の1年あたりの控除額が引き上げ

平成27年施行の相続税法改正では、障害者控除の1年あたりの控除額が、一般障害者は6万円→10万円に、特別障害者は12万円→20万円に引き上げられました。

相続税の障害者控除額は、相続人が85歳に達するまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)に1年あたりの控除額をかけて計算します。

障害者控除の1年あたりの控除額の引き上げ

相続したときの年齢が60歳の特別障害者に該当する場合、障害者控除額は(85歳-60歳)×20万円=500万円となります。

参考:相続税の障害者控除は申告不要?要件・控除額や2回目の注意点も解説

6.相続税改正に関するよくある質問

最後に、相続税の改正に関わるよくある質問をまとめました。気になるポイントを確認しておきましょう。

6-1.Q1:相続税は令和9年(2027年)にどう変わる?

令和9年(2027年)1月1日から、貸付用不動産の「5年ルール」と、不動産小口化商品の「時価評価」が本格適用されます。

また、生前贈与加算については令和9年1月1日以降の相続から「経過措置期間」に入るため、令和6年(2024年)1月1日以降になされた贈与が持ち戻しの対象となります(一部は持ち戻しの対象)。

6-2.Q2:相続税が廃止される可能性はある?

現在、相続税の廃止が検討されている事実はありません。

むしろ、平成27年の基礎控除引き下げや近年の生前贈与加算の強化など、課税対象を広げる方向の改正が続いています。

相続税は国の税収の一部であり、短期的に廃止される可能性は極めて低いと考えられます。

参考:相続税は理不尽!おかしい!廃止すべき!デメリットを回避する生前対策

6-3.Q3:相続税の改正で生前贈与はどう変わる?

近年の税制改正により「生前贈与加算の7年ルール」や「相続時精算課税の基礎控除110万円」など、贈与の扱いは大きく変化しています。

相続直前の贈与が加算対象になりやすくなったため、贈与計画は慎重に立てる必要があります。

まずは、相続税に強い税理士に、生前対策について相談することをおすすめします。

参考:相続税は生前贈与で安くなる?税制改正後のやり方・非課税制度を解説

7.相続税改正を踏まえた今後の節税対策は専門家に相談を

相続税の改正は毎年の税制大綱で検討されますが、基礎控除や税率といった大枠は、平成27年以降見直されていません。

一方で、不動産の評価方法、生前贈与の扱い、事業承継税制など、特定の資産や状況に応じて影響が出る制度は継続的に見直されています。

近年は、生前贈与加算の持ち戻し期間の延長や相続時精算課税の基礎控除110万円の新設、賃貸不動産の評価方法の厳格化など、生前対策の判断に直結する改正が増えていることが特徴です。

相続税は「どの資産を、いつ、誰に渡すか」で税額が大きく変わるため、制度の変化に合わせて生前対策を定期的に見直すことが重要です。

7-1.生前対策は税理士法人チェスターへ

税理士法人チェスターは、年間3,000件超の申告実績を誇る、相続税専門の税理士法人です。

相続税の改正を踏まえた最適な生前対策プランはもちろん、贈与税の非課税特例を用いた贈与プランなども提案させていただきます。

相続税対策を検討されている方は、まずは税理士法人チェスターまでお気軽にご相談ください。

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※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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