相続税法の税率が変更?平成27年に改正された相続税の税率とは?
相続税法の税率が変更?平成27年に改正された相続税の税率とは?
相続税の税率は高額なのですが、平成27年に相続税法の税率が改正されました。改正前・改正後で、相続税の税率はどのように変わったのでしょうか?
1.改正前と改正後の相続税の税率の相違点は?
相続税は取得金額によって税率が異なります。
取得金額とは課税遺産総額を法定相続分で按分したものです。取得金額が2億円以下の各法定相続人の場合は改正されていません。

改正前は相続税の税率は6段階でしたが、改正後は8段階となりました。1億円以上の取得金額が細かく細分され、税率の設定がされることになりました。
2億円以上3億円以下の取得金額は40%から45%に、6億円を超える取得金額は50%から55%にそれぞれ5%づつアップされています。
【法定相続分に応ずる取得金額とは】
相続税は基礎控除を超えた金額に対して課税されます。つまり、基礎控除よりも低い金額の場合には相続税は課税されません。法定相続分に応ずる取得金額とは、遺産総額から基礎控除を引いた
課税遺産総額を算出し、それぞれの相続人が法定相続分で分けたと仮定した場合の取得金額を言います。
法定相続分の考え方は以下の通りです。

2.相続税の税率以外にも基礎控除も大幅改正に!

相続税率の改正と一緒に、基礎控除も改正されました。
基礎控除は平成6年から20年改正されずに来ましたが、やはり改正されてしまいました。基礎控除の改正は昭和62年以降、昭和63年、平成4年、平成6年と過去3度ありますが、すべて増額されていました。今回の改正が初の減額改正となります。
基礎控除が減額となったことで、今まで相続税の申告・納付は関係ないと考えていた一般家庭でも、相続税の申告・納付の可能性が十分に考えられるようになりました。
基礎控除についての詳しい解説は、下記のサイトでご確認ください。
3.改正された相続税の税率はいつから適用されるのか?
適用は平成27年1月1日以降に取得する財産に係る相続税からになります。
相続税がどれくらいになるか下記のツールで計算してみましょう!
4.平成27年には、税額控除も改正されている?
税額控除は、それぞれが納める相続税から控除される様々な制度を言います。控除を受ける場合には、一定の条件を満たしている必要があります。また、控除をうけて相続税が0以下になった場合でも
相続税の申告は必要となります。平成27年の改正では以下の2点の控除額が代わりました。

この改正では、どちらも控除額が引き上げられます。
① 未成年者控除はどう改正された?

上記の算式は、改正後の算式となります。相続した時の年齢は1年未満の端数は切り捨てです。
算出式の基本となる金額が増額されました。15歳で相続が発生した場合、改正前は30万円だった控除額が改正後は50万円になります。
未成年者控除についての詳細は下記をご確認ください。
② 障害者控除はどう改正された?

上記の算式は、改正後の算式となります。こちらも改正により基本となる金額が増額されました。
障害者控除についての詳細は、下記をご確認ください。
5.平成27年には、小規模宅地の特例も改正されていた?

小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たすと事業用や居住用の宅地の評価額が最大80%減額になるという制度です。
平成27年の改正では、大きな土地を持っている方は、今まで以上に節税することができるようになりました。
小規模宅地の特例についての関連記事は、下記にまとめておきます。 80%の評価減で相続対策可能に!?小規模宅地等の特例の6つのポイントとは 小規模宅地の特例を適用するなら相続税の申告は必須!申告書類と添付書類をご説明します。 |
【平成30年にも小規模宅地等の特例の改正があるかも?!】
平成29年の12月に発表された「平成30年税制改正の大網」の中に、小規模宅地等の特例の「特定居住用宅地等」と「貸付事業用宅地等」に関する要件の改正が記載されています。
簡単に改正箇所をご紹介しておきます。
(1)特定居住用宅地
特定居住用宅地として小規模宅地等の特例の適用をうけるためには、原則として被相続人と同居している必要がありますが、条件によっては同居していなくても適用されることがありました。
この部分に関しての詳細は「親が老人ホームに入居していた!同居できない状況でも小規模宅地等の特例は適用される?」をご確認ください。
今回の改正では、全く同居していない「非同居親族」が以下に該当する場合には、小規模宅地等の特例の適用を受けることが出来なくなります。
・相続開始前3年以内に3親等の親族が所有している家屋に居住したことがある
・相続開始時において居住用として使用していた家屋を過去に所有したことがある
(2)貸付事業用宅地
被相続人が事業用に貸付を行っていた土地も、条件を満たすことで小規模宅地等の特例の適用をうけることが可能です。しかし、今回の改正が適用されると、以下に該当する場合には小規模宅地等の特例の適用を受けることが出来なくなります。
・相続開始前3年以内に貸付事業用として使用されていた宅地(事業的規模を除く)
上記の改正が適用となった場合、平成30年4月1日以降の相続(遺贈)が対象となります。
まとめ
平成27年に相続税の税率は増税され、かつ、基礎控除も改正となりました。
相続対策をしなければ、多額の相続税が発生する方も出てくると思いますので、注意しましょう。
相続対策をいくつかご紹介しておきますので、下記を参照してみてください。
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