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養母と相続権

養母と相続権

俗に養母と呼ばれる立場にある方が相続権を持つかどうかは、誰を基準とするかという点や法律的に養子縁組をしているかどうかなどによって異なってきます。

養母と呼ぶ場合なので、一般には子の立場から考察することとなります。

内縁関係では相続権は常に発生しない

まず、父の相続に関して養母と呼ばれる立場の方が相続権を持つかどうかは、婚姻届けを提出しているか否かによって異なってきます。

子から見れば事実上、生母死亡後の後妻という立場に見えても、様々な理由から婚姻届けを出していない内縁の妻という関係の場合もあります。

内縁関係の場合には、いかに長い年月仲睦まじく父と母の関係があったとしても、養母と呼ばれる立場の方には一切の相続権は発生しません。

民法第890条の相続権を持つ「配偶者」とは、法律上の婚姻届けを提出した配偶者に限るためです。

相続については相続権を持つ人は法律で画一的に定める必要があります。

実態として人は、法律による規制などには服さず様々な思いや人間関係を持って人生を生きます。

この際に個別的な関係・事情を考慮して相続人を定めるとすれば、相続権をめぐって中世における家督争い類似の紛争が数限りなく生じる可能性があるためです(現に現在の法律制度のもとでも相続に関する争いは絶えることこがありません)。

そのため、法律的には相続人を画一的に定めて個別の事情は一切考慮しないという立場をとっています。

このようなことから、法律的な婚姻関係にない場合、子がおられる以上は、養母と呼ばれる方は相続人となり遺産を受け取ることは一切ありません。

ただ、生命保険など遺産に含まれない財産の受取人とするなどの形により、一定の財産を残すことは不可能ではありません。

法律婚の場合と特別養子縁組のケース

一方で、養母と呼ばれる方が父と法律上の婚姻関係にある場合には「常に」相続人となり権利を取得します。

これは、極端な例として、死亡の1時間前に婚姻届け・養子縁組届けを出し婚姻関係及び養親子関係が成立している場合でも、適法に相続権を持つこととなります。

先に述べましたように相続権者は、常に画一的に定められるためです。

このように養母と呼ばれる方に相続権が発生するか否かは、画一的に定められることとなります。

また、養子縁組をした子の方は、原則として養父母・実父母双方の親の相続人となります。

養子縁組をしても原則として法律的に実親子関係は断絶しないためです。

ただし、特別養子縁組(民法第817条の2)という制度を利用し、最大で7歳以下の子を特別養子として引き取った場合には血のつながりがある実父母との関係は、法律上は完全に断絶することとなります。

この特別養子縁組をした場合には、実父母は法的には完全な他人となりますので、相続や扶養の権利義務は生じません。

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