相続した非上場株式を会社に売却して相続税の納税資金を捻出する方法
相続した株式を会社に売却して納税資金の捻出
非上場株式をその発行会社に譲渡した場合には、通常の譲渡所得課税の他、資本等の払戻しを超える部分はみなし配当に該当するため配当課税が生じます。
非上場株式の配当課税は譲渡所得課税と異なり、20%(所得税15%、住民税5%。また、左記以外に平成25年から平成49年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%が課税されます。以下同じ。)の分離課税ではなく、累進税率による総合課税に組み込まれることから譲渡金額が大きい場合や他に給与等があり所得の大きい方には相当の税負担となります。
ただし、相続等により取得した非上場株式を相続税の申告期限の翌日以後3年以内に発行会社に譲渡した場合には、みなし配当課税の適用はなくすべてを譲渡所得課税とすることができます。
配当課税の場合には最高税率で50%の所得税、住民税が課税される可能性がありますが、譲渡所得課税の場合には総合課税とはならないため20%の税率で済むこととなり、大変有利な税制となっています。
また、相続税を納付している場合には、譲渡所得の計算上納付した所得税の一部を取得費に加算できる特例も別途用意されています。
なお、税金以外の注意点としては、下記が考えられます。
■ 経営権の確保
経営権の確保については、非上場株式を発行会社に譲渡することにより議決権割合の分母が減少する結果となるため後継者の持株数が減少してしまう可能性があります。譲渡する前に譲渡後の議決権割合を必ず確認してから実行するように心掛けて下さい。
■ 会社の資金流出
会社の資金についてですが、自社株を発行会社が買い取ることにより一時的に多額の資金が会社から流出することになります。資金流出により事業継続に問題がないかの検討も事前に必要となります。
■ 会社法上の財源規制
会社法上、債権者保護の観点から配当や自社株の買い取りの際に財源規制を設けています。当該自社株の買い取りが会社法上の財源規制に抵触しないか事前に確認しましょう。
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