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農業相続人とは~農地を相続すると相続税の納税猶予が受けられる?

農業相続人とは、相続により農地等を取得し、相続税納税期限までに農業を開始し、その後もその農地で引き続き農業を営んでいくと認められた人のことです。

農業相続人は、被相続人が所有する農地を相続によって取得した場合、農地の農業投資価格で評価した価額を超える部分に対応する相続税額の納税を猶予されるという特例を受けることが出来ます。

その猶予分は「農業相続人が死亡し次の世代への相続が発生した場合」、「農業後継者に対する生前一括贈与が行われた場合」、「農業相続人が相続申告期限から20年以上農業を続けていた場合」などには免除されますが、農業をやめた場合や農耕地を売却・譲渡した場合などには猶予分の相続税を納税しなければなりません。

なお、以前はこの農地を貸し付けることは出来ず、貸し付けたと同時に猶予分を納税しなければいけませんでしたが、現在は貸し付けはできるようになりました。
しかしこの場合この農地での農業継続期間は20年間ではなく、終身的に継続させなければ免除は受けられない点には注意が必要です。

贈与を受ける人にも条件があり、推定相続人である事が必要となります。これらについては農業委員会が証明しなければならないと定められていますから、証明するための書類の作成が必要となります。あらかじめ準備しておく必要があります。

孫も農業相続人として納税猶予が認められるのか

さて、ある質問者から、農業を営んでいた被相続人から全財産を包括遺贈によって被相続人の孫が取得した場合、相続財産である農地について、農地等についての相続税の納税猶予は適用されるのかどうか、という照会がなされました。

この照会に対して、国税庁では、以下のように回答しています。

農地等についての相続税の納税猶予制度の適用を受けることができる者は、民法で定める被相続人の相続人に限られるので、相続人とはならない孫が被相続人の農地を相続する場合には、当該制度の適用を受けることができません。

上記の質問者からの照会とそれに対する国税庁の回答が、国税庁の質疑応答「相続税の納税猶予の適用を受けることができる農業相続人」になります。

相続税の納税猶予特例の適用と民法の規定について

上記のような疑義がなぜ生じたのかというと、民法第990条「包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有する」と規定しているからです。

包括受遺者が相続人と同一の権利義務を有するとすれば、包括遺贈によって農地を取得した相続人ではない孫も、相続人と同一の権利を取得した者として、農地等の相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができるはずです。

しかし、上記の質疑応答で、国税庁はこの考えを明確に否定し、納税猶予特例を受けることができるのは、民法で定める相続人に限定するとの考えを示しました。

ちなみに、民法では相続人は次のように規定しています。
①被相続人の配偶者は常に相続人となる(民法第890条)
②被相続人の子又はその代襲者は、第一順位の相続人となる(民法第887条)
③被相続人の直系血族(父母、祖父母等)は、第二順位の相続人となる(民法889条)
④被相続人の兄弟姉妹は第三順位の相続人となる(民法889条)

なお、配偶者と②③④の規定によって相続人がいる場合は、配偶者とその相続人は同順位の相続人となります。

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