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鉱泉地の相続税評価(通常の鉱泉地・住宅、別荘等の鉱泉地・観覧用の鉱泉地)

鉱泉地とは、鉱泉(温泉を含む)の湧出口とその維持に必要な土地を意味します(不動産登記事務取扱手続準則 第68条第7号)。

例えば、温泉(鉱泉)の湧出口、湧き出した温泉水を一時溜めておく設備やその敷地、鉱泉を引くための導管や送湯管等も、湧き出し口の維持に必要な範囲で「鉱泉地」として取り扱います。

鉱泉地は人工的に作り出すことは事実上不可能ですので、特殊な地目であり、温泉地として観光地になっている土地など特殊な場所以外ではあまり存在しない土地ということができます。

また、その分、鉱泉地は温泉などの保養地として利用することができれば、非常に価値のある土地として活用することができます。

この鉱泉地は相続の際には、どのように評価されるのでしょうか。

鉱泉地の評価方法

鉱泉地の評価は国税庁の通達では以下のように評価されることとなっています。

まず、ひとつの評価方法として、諸要素を考慮して国税局長が鉱泉地の固定資産税評価額に乗ずべき一定の倍率を定めている場合、その鉱泉地の固定資産税評価額にその倍率を乗じて計算した金額によって評価する方法があります。

もうひとつの評価方法としては鉱泉地の固定資産税評価額に、「その鉱泉地の鉱泉を利用する宅地の課税時期における価額÷その鉱泉地の固定資産税評価額の評定の基準となった日における価額」を乗じて計算する方法です(固定資産税評価額の評定の基準となった日とは、通常、各基準年度の初日の属する年の前年1月1日となります)。

ただし、湯温、湧出量等に急激な変化が生じたなどのケース時には、その鉱泉地と状況の類似する鉱泉地の価額若しくは売買実例価額又は精通者意見価格等を参酌して求めた金額によって評価することとなります。

このように鉱泉地は通常の土地と比較して特殊な評価方法により評価することとなります。

住宅、別荘等の鉱泉地の相続税評価

上記で解説しているのは、鉱泉地の利用者が旅館、料理店等営業者であることを前提に設定されています。
評価対象の鉱泉地の利用者が旅館、料理店等の営業者以外である場合には通常の鉱泉地の評価方法を適用することは適切ではないため、鉱泉地の利用者が営業者以外である場合の評価方法が「住宅、別荘等の鉱泉地の評価」として別途規定されています。

住宅、別荘等の鉱泉地の場合、当該鉱泉地の評価額は、鉱泉地本来の評価額から、その評価額の100分の30以内の数値を減じた価額とされます。

具体的な計算例で考えてみましょう。
旅館や料理店等の営業者によって利用されている場合の本来の鉱泉地の評価額を100万円、鉱泉地が営業者以外の者に利用されていることによる相当な減額割合を30/100とすると、この場合の当該鉱泉地の評価額は、100万円-100万円×30/100=70万円となります。

温泉権が設定されている場合

当該鉱泉地に温泉権が設定されている場合は、「鉱泉地の評価」または「住宅、別荘等の鉱泉地の評価」の定めにより評価した価額から、定めにより評価した温泉権の価額を控除した価額によって評価します。

観覧用の鉱泉地

以前は、評価対象の鉱泉地が観覧用に供されている場合、観覧用に供している鉱泉地とその附属施設を一括して、その鉱泉地を観覧の用に供することから生ずる所得金額に複利年金現価率を乗じて計算した金額等により評価されていました。

しかし現在では評価方法が改定され、観覧用の鉱泉地に関しては、一般の鉱泉地と同様にその鉱泉地の固定資産税評価額を時点修正する方法等で評価することとなっています。

鉱泉地の相続では様々な法律問題が絡む

鉱泉地については、温泉の採取権などの権利の譲渡において条例等による制限があったり、旅館を経営されている場合には相続に伴って経営者の方の役員変更登記や旅館業法による許可の変更手続きが必要であったり、様々な法律上の問題が絡むことがあります。

許認可についての専門家は行政書士であり、登記の専門家は司法書士ですので、相続に伴い、税理士へ相続税の相談をするとともにそれぞれ必要に応じて法務手続きを経る必要があります。

また鉱泉地が使用できなくなった、もしくは既になっているといったケースでは、地目変更登記が必要となります。

地目変更登記は、表示に関する登記として土地家屋調査士が専門家です。

このように鉱泉地については、税務以外にも様々な法律手続が絡むこととなります。相続の際には専門家への依頼が必要となるケースが多いでしょう。

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