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復氏届とは

復氏届とは

復氏とは、婚姻または養子縁組によって氏(姓)を改めた者が婚姻または縁組前の氏に服することをいいます。

これは、離婚・死別などにより婚姻関係が終了したり、離縁により縁組関係が終了した場合に、婚氏同姓の原則、親子同氏の原則が解消されたことから、元の氏に戻るという手続きということになります。

氏は個人を特定するための記号であるとともに、社会的・経験的に意味が深いものであるため、復氏は民法及び戸籍法の規定に従い、市区町村町の事務として実施されることとなっています。

復氏に関しては主として以下のような点が実務上のポイントとなります。

離婚等による復氏

まず、離婚・離縁にあたっては氏は当然に従前の氏に戻ることとなりますが、その後3ヶ月以内に届出をすることにより、離婚・離縁前の氏を引き続き使用することができます。(民法第767条・同法第816条)

これは、氏が社会的に意味があり、その氏をもって社会的な信用・活動をしているような場合もあることから離婚・離縁の場合でも従前の氏の使用継続を認めたものです。

ただし、離縁の場合には、養子縁組の期間が7年以上でなければ、氏の継続は認められません。婚姻の場合には、婚姻期間の長短にかかわらず、氏の継続使用は認められます。

姻族関係の終了と復氏

次に、配偶者死亡の場合の姻族関係終了と氏の関係です。配偶者が死亡された場合には、生存配偶者は、一方的に姻族関係を終了させることが可能です。

つまり、夫(妻)の死亡により嫁ぎ先(婿入り先)の家と全くの他人に戻ることが生存配偶者の自由にできます。

ただ、この場合において氏も元に戻す必要があるかというとその必要はありません。氏を従前のままにしつつ、死亡した配偶者の遺族との姻族関係を完全に終了させることも生存配偶者の自由となっています。

その一方で、氏のみ婚姻前のモノに戻しつつ、死亡した配偶者の親族との姻族関係を続けるということも法的には全く問題がありません。

つまり、姻族関係の終了と復氏の間には全くの関係がないということになっています。

どうしても、日本の「家」という意識から(法制度上は戦後に廃止されています)氏と姻族関係などは連続して考えられがちですが、そのような発想は現在の個人を尊重するという基本的な法律・憲法の考え方とマッチしないものとなっています。氏・復氏などに関しては、法律の整備はやや複雑となっています。

そのため、氏などに関して気になることがある場合には、戸籍等の手続きの専門家である行政書士に相談されることがおすすめできます。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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