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期限内申告書の修正

相続税の確定申告は非常に複雑なので、一度税務署に提出した申告書に、後から税額等の計算間違いを発見することもしばしばあります。
その場合、申告期限内に修正申告書を提出すれば、一度提出した申告書を修正することによる様々な税法上のペナルティを回避できます。
以下では、その仕組みについて解説します。

相続税の確定申告書にはしばしば誤りが見つかる

相続税の申告期限は被相続人が亡くなったことを知ってから10ヵ月以内です。ところで、
相続税の申告は、相続財産を正確に把握することは非常に困難ですし、また、相続税の納税額の計算も極めて複雑ですので、しばしば誤りが生じます。

よって、税の確定申告をその申告期限内に行ったものの、後から、申告書に記載した、相続税の課税対象財産の価額や相続税額に誤りが見つかることもしばしばです。この場合、
申告期限内であれば、それらを修正した申告書を提出すれば、その申告書は、最初から期限内に提出された正確な申告書として取り扱われます。

「期限内申告の修正」(相続税基本通達31-1)について

その根拠は、相続税基本通達31-1です。それによると、申告期限内に相続税の確定申告書を提出した者が、さらに、同期限内に、その申告にかかる課税価額、相続税額又は贈与税額を修正した申告書を提出した場合には、国税通則法第19条第1項の修正申告書とはしないで、期限内申告書として取り扱われる、とされています。

国税通則法第19条第1項の修正申告書として扱われた場合には、本来の納期限日から修正申告をした日(この日が修正した相続税の納期限となります)までの期間に、原則として、年14.6%(2カ月以内の場合には年7.3%)の延滞税が加算されます。

また、税務署の調査を受ける前に自主的にこの修正申告をした場合には、課税されませんが、税務署の調査を受けた後に、修正申告書を提出した場合には、追加納付すべき税額の10%(追加納付する税額が期限内申告をした税額又は50万円のどちらか多い金額を超える部分に対しては15%)の過少申告加算税が加算されます。

同様に、課税価額や相続税額等に誤りがあるにもかかわらず修正申告を行わず、税務署から税額の更正を命じられた場合にも、税務署の調査を受けたうえで修正申告を提出した場合と同率の過少申告税が加算されます。

よって、期限内に修正申告を行った場合には、修正申告書として取り扱われないことにより、申告期限内に正確な相続税額を申告しなかったことに対する様々なペナルティを回避することができます。

相続税の申告書の誤りを発見したら直ちに修正の手続きが必要

相続税額の計算は非常に複雑で、間違いを起こす可能性も非常に高率です。
しかし、誤りがある場合でも、被相続人が亡くなったことを知ってから10ヵ月以内の申告期限内に修正申告書を提出すれば、税法上のペナルティを受けることはありません。

よって、一度税務署に提出した相続税の確定申告に誤りを発見した場合には、直ちに修正申告の手続きに入り、できるだけ申告期限のうちにその修正手続きを済ませてしまうことが非常に重要です。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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