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相続税はいくらかかる?自分で計算するための仕組みと手順【税理士監修】

相続税はいくらかかる?自分で計算するための仕組みと手順【税理士監修】

「相続税はどうやって計算されるの?」
「相続税の計算の仕組みがわからない…」

この記事をご覧の皆さんは、このようにお悩みではないでしょうか。

結論からいうと、相続税の計算は仕組みさえ理解できれば、ご自分で概算の納付税額を計算できます

ただし、相続財産に不動産が含まれている場合や、法定相続人の数が多い場合などは、相続税計算の難易度が高くなります。

計算ミスがあると過大納付する可能性がありますし、逆に過少申告するとペナルティが課せられますので、正確な相続税額は専門家である税理士に計算してもらいましょう。

本稿では、相続税はいくらかかるのかをテーマに、具体的な計算方法や手順をわかりやすく解説するので参考にしてください。

1.相続税の計算方法!仕組みをわかりやすく解説

相続税の計算の基本的な仕組みを理解すれば、ご自分で概算の納付税額を算出していただけます

以下は相続税の計算の仕組みの全体図ですので、参考にしてください。

相続税の計算方法と仕組み

相続税の計算方法について、詳しくは「相続税計算シミュレーション」でも解説しております。

1-1.相続税の計算方法が複雑な理由

相続税の計算の仕組みの全体図を見ていただくと分かる通り、各人の納付税額を知るためには、何度も計算を繰り返さなくてはなりません。

一見すると難しく感じられるかもしれませんが、以下の3つのポイントを押さえれば理解しやすいです。

相続税の計算ポイント

  • まずは課税価格合計を計算する
  • 次に相続税総額を計算する
  • 最後にそれぞれの納付税額を計算する

「〇〇万円を相続したから相続税は〇万円」と計算せず、上記のように段階的に計算するのは非常に手間がかかるように思えます。

しかし相続税は超過累進課税であり、財産価格によって税率が変動する仕組みですので、実際に取得した相続財産に対して相続税を課税すると公平性が保てません

そのため、民法で定められた法定相続分で分割したと仮定して「相続税総額」を計算し、その後に実際の分割割合で按分して「それぞれの納付税額」を計算することとなります。

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正確な相続税額の計算は、相続税の申告義務の有無も含め、相続税に強い税理士に依頼しましょう。
相続税に強い税理士であれば、正しく相続財産の評価額を計算してくれる上に、特例や税額控除の適用を検討してくれます。
相続専門の税理士法人チェスターでは、すでに相続が開始されたお客様でしたら、初回面談が無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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2.相続税計算!自分で行う際の流れや手順【8つのステップ】

相続税計算の仕組みの理解を深めるためにも、流れや手順を確認していきましょう。

2-1.STEP①相続税の課税価格を計算する

相続税を計算するためには、相続税の課税価格(財産の評価額)を知る必要があります

相続税法において「相続税の対象になる」と定められているのは、以下のような財産です。

相続税の対象

これらの相続財産の評価額を個別に1つずつ計算しますが、土地は小規模宅地等の特例を適用した後の評価額を採用します。

詳しくは、「相続税の対象になる・ならない財産【一覧】課税対象の判定基準も解説」をご覧ください。

2-2.STEP②課税価格合計を計算する

課税価格を計算できたら、これらを合算して課税価格合計(課税遺産総額)を計算します。

課税価格合計は、以下のように計算します。

課税価格合計(課税遺産総額)

相続税の非課税財産である、祭祀財産(墓地・仏壇・神棚など)、生命保険金等の非課税枠などは課税価格には算入されません。

弁護士・司法書士・税理士・行政書士などに支払う、遺言執行費用・訴訟費用・報酬や手数料などは、マイナスの財産として計上できませんのでご注意ください。

詳しくは、「相続税の非課税財産とは?具体例と注意点をわかりやすく解説」をご覧ください。

2-3.STEP③課税遺産総額の計算(基礎控除を差し引く)

相続税の対象となる課税価格合計が計算できたら、相続税の基礎控除を差し引き、課税遺産総額を計算します

相続税の基礎控除額は、【3,000万円+(法定相続人の数×600万円)】で計算します。

基礎控除額の計算方法

法定相続人とは、相続税法で定められた相続する権利を有する一定の範囲の親族のことです。

法定相続人には優先順位が定められており、各ご家庭の家族構成によって誰が法定相続人になるのかが異なります。

なお、相続税の基礎控除額の計算では、相続放棄は法定相続人の人数に算入できますが、養子縁組した子は人数に制限がかかりますのでご注意ください。

詳しくは、「相続税の基礎控除とは│いくらまで無税?免除の目安も解説」をご覧ください。

2-4.STEP④法定相続分で分割する

課税遺産総額を、一旦法定相続分で分割したと仮定します

法定相続分とは、民法で定められた各法定相続人が相続できる目安割合のことで、相続人の構成によってその割合が変動します。

法定相続人と法定相続分

例えば、課税遺産総額が1億円で、法定相続人は配偶者(1/2)・子ども(1/4)・子ども(1/4)の3名であったとします。

法定相続分で分割すると、配偶者5,000万円・子ども2,500万円・子ども2,500万円となります。

法定相続分について、詳しくは「法定相続分とは何か?計算方法や遺留分との違いを解説!」をご覧ください。

2-5.STEP⑤仮の相続税額を計算する(税率を乗じる)

課税遺産総額を法定相続分で分割し、ここに相続税の税率を乗じて、控除を適用させます

相続税の税率は超過累進課税が採用されており、法定相続分の取得金額に応じて以下のように変動します。

法定相続分に応ずる取得金額

例えば、法定相続分に応じた取得金額が2,500万円であれば、税率15%・控除50万円が適用されます。

相続税の税率について、詳しくは「相続税の税率(割合)は最高55%!【早見表あり】計算方法も税理士が解説」をご覧ください。

2-6.STEP⑥相続税の総額を計算する

STEP④⑤で計算した法定相続分に応じた仮の相続税額を合計して、相続税の総額を計算します

ここで算出された相続税の総額は、1つの相続全体、つまり家族全体に課税される相続税の総額です。納付税額ではありませんのでご注意ください。

2-7.STEP⑦各人の相続税額を計算する

相続税の総額を計算したあとは、各相続人が実際に取得する財産の割合に応じて、相続税の納付税額を計算します

ここでいう実際に取得する財産の割合とは、遺言書による指定相続分や、遺産分割協議で全員が合意した具体的相続分のことを指します。

法定相続分、指定相続分、具体的相続分

例えば、相続税の総額が400万円、実際の取得分は配偶者3/4、子ども1/8、子ども1/8であるとします。

この場合、配偶者の相続税額は300万円、子ども50万円、子ども50万円と考えます。

2-8.STEP⑧実際の納付税額を計算する

最後に、各人の相続税額から相続税の税額控除を差し引き、各人の実際の納付税額を計算します。

税額控除とは、贈与税額控除・配偶者控除・未成年者控除・障害者控除・相次相続控除・外国税額控除などのことで、要件を満たした相続人のみ適用されます。

相続税の税額控除

なお、財産を取得した人が配偶者や一親等の血族以外である場合は、相続税の2割加算を適用させます。

税額控除について詳しくは「相続税の控除・特例とは【一覧表付】要件・控除額を税理士が解説」を、相続税の2割加算については「相続税の2割加算とは?対象者は誰?相続税の計算方法や注意点【税理士解説】」をご覧ください。

3.ひと目でわかる!相続税総額の目安は早見表で確認しよう

相続税の計算方法は、仕組みさえ理解できれば納付税額を計算できます。

しかし、家族全体に課税される概算の相続税総額は、相続税の早見表ですぐに確認していただけます

詳しくは、「相続税の金額を早見表で確認!仕組みや計算方法もわかりやすく解説」をご覧ください。

3-1.相続税の早見表①配偶者と子どもが法定相続人の場合 

法定相続人が配偶者と子どもである場合、家族全体の相続税総額は以下の通りです。

▼相続税額の早見表(配偶者と子の場合)
 配偶者と子が相続人の場合
遺産総額配偶者配偶者配偶者配偶者
子供1人子供2人子供3人子供4人
5,000万円40万円10万円0円0円
6,000万円90万円60万円30万円0円
7,000万円160万円113万円80万円50万円
8,000万円235万円175万円138万円100万円
9,000万円310万円240万円200万円163万円
1億円385万円315万円262万円225万円
1.5億円920万円747万円665万円587万円
2億円1,670万円1,350万円1,217万円1,125万円
2.5億円2,460万円1,985万円1,800万円1,687万円
3億円3,460万円2,860万円2,540万円2,350万円
5億円7,605万円6,555万円5,962万円5,500万円

相続税の早見表は、配偶者が法定相続分を相続したと仮定し、さらに配偶者控除を適用した後の相続税額を記載しています。

そのため、相続税の総額については、子ども全員に対する相続税額となります

例えば、遺産総額が1億円で、配偶者と子ども2人が遺産を相続した場合の相続税額は315万円です。

子ども2人が均等に遺産を取得したと仮定すると、それぞれ157.5万円ずつ納税することとなります(配偶者は相続税額0円)。

3-2.相続税の早見表②子どものみが法定相続人の場合

法定相続人が子どものみである場合、家族全体の相続税総額は以下の通りです。

▼相続税額の早見表(子のみの場合)
遺産総額子だけが相続人の場合
子供1人子供2人子供3人子供4人
5,000万円160万円80万円20万円0円
6,000万円310万円180万円120万円60万円
7,000万円480万円320万円220万円160万円
8,000万円680万円470万円330万円260万円
9,000万円920万円620万円480万円360万円
1億円1,220万円770万円630万円490万円
1.5億円2,860万円1,840万円1,440万円1,240万円
2億円4,860万円3,340万円2,460万円2,120万円
2.5億円6,930万円4,920万円3,960万円3,120万円
3億円9,180万円6,920万円5,460万円4,580万円
5億円1億9,000万円1億5,210万円1億2,980万円1億1,040万円

こちらの相続税の早見表は、子ども全員に対する相続税の総額です

実際の相続税額は、早見表に記載されている相続税の総額を、子の実際の取得割合で按分することとなります。

例えば、遺産総額が1億円で、子ども3人が遺産を相続した場合の相続税額は630万円です。

子ども3人が均等に遺産を取得したと仮定すると、それぞれ210万円ずつ納税することとなります。

4.【相続税計算例】遺産1億円・配偶者と子ども2人の場合

相続税の計算方法の仕組みを再確認するために、以下のシミュレーションモデルをもとに実際の納付税額を計算してみましょう。

シミュレーションモデル

  • 遺産総額1億円(債務控除済)
  • 法定相続人は配偶者と子ども2人
  • 法定相続分で遺産分割

相続税計算については「遺産総額5000万円の相続税はいくら?早見表や計算方法を解説」や「1億円の相続税はいくら?家族構成別の早見表・節税対策も解説」もあわせてご覧ください。

4-1.手順①正味の遺産額と基礎控除を確認

まずは課税価格合計から基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を計算します。

今回のシミュレーションモデルは、法定相続人3人ですので、基礎控除額は【3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円】です。

遺産総額1億円(債務控除済)から4,800万円を差し引くと、課税遺産総額は5,200万円となります。

4-2.手順②法定相続分で按分して税額を算出

次に、課税遺産総額5,200万円を、一旦法定相続分で按分します。

今回のシミュレーションモデルの法定相続分は、配偶者1/2・子ども1/4・子ども1/4です。

ここに相続税の税率と控除を適用させて、各人の仮の相続税額を計算します。

【配偶者】

  • 5,200万円×法定相続分1/2=2,600万円
  • 2,600万円×税率15%-控除50万円=340万円(相続税)

【子ども①】

  • 5,200万円×法定相続分1/4=1,300万円
  • 1,300万円×税率15%-控除50万円=145万円(相続税)

【子ども②】

  • 5,200万円×法定相続分1/4=1,300万円
  • 1,300万円×税率15%-控除50万円=145万円(相続税)

各人の仮の相続税は340万円+145万円+145万円ですので、家族全体の相続税総額は630万円となります。

4-3.手順③実際の相続割合に応じて納税額を決定

最後に、家族全体の相続税総額630万円を実際の分割割合に応じて按分し、税額控除などを適用して実際の納税額を決定します。

今回のシミュレーションモデルは、法定相続分で遺産分割し、子ども2人は税額控除の適用要件を満たしていないと仮定します。

【配偶者】

相続税総額630万円×取得分1/2=相続税315万円

※税額控除(配偶者控除)適用、納税額は0円

子ども①】

相続税総額630万円×取得分1/4=相続税157.5万円

※適用できる税額控除なし、納税額は157.5万円

【子ども②】

相続税総額630万円×取得分1/4=相続税157.5万円

※適用できる税額控除なし、納税額は157.5万円

配偶者は配偶者控除を適用したことで納税額は0円となりますが、期限までに相続税申告をする義務がありますので、失念しないようご注意ください。

詳しくは、「相続税なしでも申告が必要!?特例適用時の申告要否についてプロが解説」をご覧ください。

5.まとめ

相続税の計算方法は複雑ですが、仕組みさえ理解できれば、ご自分でも納税額を計算していただけます。

しかし、相続財産に不動産や株式が含まれていたり、生前贈与財産があったりすると、相続税の計算のハードルは高くなってしまいます。

正しい相続税の納税額は、必ず専門家である税理士に計算してもらうことをおすすめします。

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