【相続税の税率】割合は最高55%!早見表と計算方法を解説

相続税の税率は、10%~55%の範囲で段階的に設定されています。そのため、「税率が最大55%もかかるなら、遺産の半分以上を持っていかれるのではないか」と不安に思う人がいるかもしれません。
しかし、実際に遺産の半分以上を相続税として納めるケースは、ごく一部の資産家の相続に限られます。
この記事では、相続税の税率のしくみと税額の計算方法を、相続専門の税理士がわかりやすく解説します。
あわせて、遺産総額別の「相続税の早見表」や、贈与税との比較についてもご紹介します。ご自身のケースに当てはめながら読み進めてください。
この記事の目次 [表示]
1.相続税の税率を税率表で確認|10%〜55%の超過累進課税
相続税は、10%から55%まで税率が段階的に定められた「超過累進課税方式」を採用しています。課税の対象となる財産が一定の金額を超えると、その超過した部分にのみ高い税率が適用される課税方式です。
相続税の税率表は、下記のとおりです。
▼相続税の税率表
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 |
|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% |
| 1,000万円超から3,000万円以下 | 15% |
| 3,000万円超から5,000万円以下 | 20% |
| 5,000万円超から1億円以下 | 30% |
| 1億円超から2億円以下 | 40% |
| 2億円超から3億円以下 | 45% |
| 3億円超から6億円以下 | 50% |
| 6億円超 | 55% |
出典:国税庁「No.4155 相続税の税率」(上表は「相続税の速算表」から税率区分のみ抜粋して作成)
1-1.【誤解に注意】遺産総額に税率を直接かけても税額は出ない
相続税の税額を「遺産総額×税率」で計算してしまう人がいますが、これは誤りです。遺産総額を上記の税率表にそのまま当てはめても、正しい相続税額は計算されません。
正しくは、遺産総額から基礎控除額(遺産のうち課税されない金額)を差し引き、民法で定められた法定相続分で相続人ごとに分けた「法定相続分に応ずる取得金額」に対して税率をかけます。
税率表の左の列にある「1,000万円以下」から「6億円超」までの金額は、「法定相続分に応ずる取得金額」であり、遺産総額ではない点に注意が必要です。
相続税計算の詳しい手順は、「3.速算表で計算!相続税額の計算6つのステップ」で解説します。ここでは、「相続税の税率表に遺産総額を当てはめるのは間違い」という点だけ理解しておいてください。
1-2.相続人の数によって税率が変わる可能性がある
遺産総額が同じであっても、民法に基づく法定相続人の数によって相続税の税率が変わることがあります。
まず、法定相続人が増えると、基本的に各相続人の法定相続分が減ります。たとえば、法定相続人が子2人の場合、法定相続分は1/2ずつですが、3人であれば1/3ずつとなります。そのため、上記の税率表に当てはめる金額(法定相続分に応ずる取得金額)は少なくなります。
また、相続税には基礎控除がありますが、この金額は法定相続人の数によって増減します。法定相続人が1人増えると基礎控除額は600万円増えます。法定相続人が2人であれば基礎控除額は4,200万円ですが、3人では4,800万円となり相続税の課税対象となる遺産の額が減ります。
このほか、相続人が生命保険の死亡保険金や死亡退職金を受け取る場合に適用できる非課税枠も、法定相続人の数によって増減します。法定相続人が1人増えると非課税枠は500万円増えます。
以上のことから、法定相続人の数が増えると、「法定相続分に応ずる取得金額」が少なくなり、相続税の税率が下がることがあります。
1-3.相続税の最高税率55%が適用されるのはごく一部の人
相続税の最大税率は55%になるため、「相続財産の半分以上を納税するのか」と思われるかもしれません。たしかにそのようなケースもありますが、実際に最大税率55%が適用されるのは、相当の遺産額となるごく一部の人に限られます。
最高税率55%が適用される目安は、おおむね下記のとおりです。
相続人が子2人:遺産総額が12億4,200万円を超える
相続人が子3人:遺産総額が18億4,800万円を超える
なお、相続税は超過累進課税方式であるため、仮に最高税率55%が適用される場合でも、55%の税率が課されるのは「法定相続分に応ずる取得金額」が6億円を超える部分のみです。遺産全体に一律で55%が課されるわけではないため、実際の税負担は「相続財産の半分以上を納税する」というイメージよりも軽くなります。
自身にどれぐらいの税率で相続税が課されるか気になる場合は、このあとご紹介する計算手順や早見表を参考にしてください。
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相続税は「遺産総額×税率」で求めることができず、複雑な手順で計算する必要があります。
このほか、財産の評価や特例の適用など、税率以外の部分でも専門的な判断が必要です。
相続税の計算や申告手続きは、相続税専門の税理士法人チェスターにお任せください。
2.実際に相続税を払う人の割合は10人に1人
相続があった人のうち、実際に相続税が課税される人の割合はどれぐらいでしょうか。
国税庁が発表している「相続税の申告事績」によれば、令和6年において、相続税の課税割合は10.4%でした。課税割合とは、相続税の申告書を提出して課税された被相続人数(死亡者数)を、全体の被相続人数で割った割合です。
被相続人1人あたりの課税価格(正味の遺産総額)の平均は1億4,025万円、相続税額の平均は1,946万円となっています。
相続税の課税割合は過去10年にわたって上昇傾向にあり、令和6年には10%を超えました。平成27年から令和6年までの課税割合の推移は、下記のグラフのとおりです。
▼課税割合の推移
※引用:国税庁「令和6年分相続税の申告事績の概要」
なお、相続税の課税割合には地域差があり、令和6年分の都道府県別課税割合は東京都が20.0%と最も高く、全国平均の約2倍に達しています(東京国税局「令和6年分相続税の申告事績の概要」)。都市部に不動産をお持ちの方は、特に注意が必要です。
ちなみに、上記のグラフに掲載されている期間より前のことですが、平成27年の課税割合は前年の約1.8倍に増加しています。これは、平成27年1月1日から、相続税の基礎控除額が改正前の6割の金額に引き下げられ、課税対象となる遺産の額が増えたことによるものです。
3.速算表で計算!相続税額の計算6つのステップ
ここからは、実際の相続税の計算プロセスを解説します。相続税の計算は、大きく6つのステップで進みます。
相続税の計算で大切なことは、「遺産全体」に対してまとめて課税されるのではなく、法定相続人ごとの「法定相続分に応ずる取得金額」に対して税額が計算される(「速算表」の税率や控除額を当てはめる)という点です。
この点を念頭において、下記のプロセスを確認してください。
▼相続税計算の6ステップ

3-1.ステップ1:法定相続人を確定
最初に、民法に基づく法定相続人、つまり相続する権利のある人が「誰なのか」「何人いるのか」を確定します。
被相続人(亡くなった人)の配偶者は常に法定相続人となります。他の親族は次の図のとおりに順位が定められており、上位の順位の人がいない場合のみ、下位の順位の人が相続人になります。
▼相続人関係図

たとえば、父、母(配偶者)、長男、次男、父の両親(祖父母)という家族構成で、父が亡くなった場合、法定相続人は「母(配偶者)」「長男」「次男」の3人となります。第2順位の父の両親(祖父母)は、第1順位の子がいるため、相続人になりません。
なお、法定相続人の確定には、「被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本」を取り寄せて、婚外子なども含めて親族関係を確認する必要があります。詳しくは下記の記事をご覧ください。
参考:相続順位を図でわかりやすく解説!相続分のシミュレーション付き
3-2.ステップ2:正味の遺産総額を把握
続いて、被相続人が亡くなった時点での遺産の総額を算出します。相続税の課税対象となる遺産は、現金・預貯金、不動産、有価証券(例:株式・債券)など、金銭的な価値があるものです。
相続税の計算では、遺産の金銭的な価値を示す「相続税評価額」を求めたうえで、正味の遺産総額を算出します。
現金や預貯金、有価証券などは、原則として被相続人が亡くなった時点の時価が相続税評価額となります。
不動産の相続税評価額は、土地部分は路線価方式や倍率方式により公示価格の8割程度となるほか、建物部分は固定資産税評価額(再建築価格の5割~7割程度)が用いられるため、いずれも時価より低くなります。
なお、正味の遺産総額の計算では、下記の点も考慮する必要があります。
- みなし相続財産(本来は被相続人の財産ではないが、相続税の計算上、相続財産とみなされるもの=相続人が受け取った生命保険金、死亡退職金など)を加える
- 相続時精算課税により贈与された財産を加える(2024年1月1日以降の基礎控除額は除く)
- 非課税財産(祭祀用財産、生命保険金・死亡退職金の非課税枠など)は差し引く
- 債務、葬儀費用などは差し引く
- 相続開始前3年以内の贈与財産(※)を加える
これらをもとに、「正味の遺産総額」を求める手順を図で表すと、次のとおりとなります。
▼正味の遺産総額

(※)「相続開始前3年以内の贈与財産」の加算は、2027年1月1日以後の相続から、下記のとおり段階的に「7年以内」まで延長されます。
- 相続開始が2026年12月31日まで:相続開始前3年以内の贈与財産
- 相続開始が2027年1月1日~2030年12月31日:2024年1月1日以降の贈与財産
- 相続開始が2031年1月1日以降:相続開始前7年以内の贈与財産
3-3.ステップ3:正味の遺産総額から基礎控除額を引く
「正味の遺産総額」を計算したら、そこから「相続税の基礎控除額」を差し引きます。相続税の基礎控除額は、下記の算式で計算します。

正味の遺産総額から基礎控除額を差し引いた残りが、相続税の「課税遺産総額」(課税の対象となる金額)となります。もし、基礎控除額を差し引いた残りが0円以下であれば、相続税は課税されません。
【計算例】
法定相続人が3人(配偶者、長男、次男)、正味の遺産総額が1億円である場合、基礎控除額と相続税の課税遺産総額は、次のとおりになります。
- 基礎控除額:3,000万円+(3人×600万円)=4,800万円
- 相続税の課税遺産総額:1億円-4,800万円=5,200万円
相続税の基礎控除について詳しい解説は、下記の記事をご覧ください。
参考:【相続税の基礎控除】いくらまで無税?計算方法を早見表付きで解説
3-4.ステップ4:法定相続分に応ずる取得金額を算出
相続税の課税遺産総額が計算できたら、その金額を「法定相続人が法定相続分で相続したもの」と仮定して、「法定相続分に応ずる取得金額」を求めます。
法定相続分とは、民法で定められている相続財産の分割割合で、相続人の構成により、次のようになります。
▼法定相続分

【計算例】
法定相続人が3人(配偶者、長男、次男)、法定相続分が配偶者1/2、長男1/4、次男1/4で、相続税の課税遺産総額が5,200万円である場合、法定相続分に応ずる取得金額を計算すると、次のとおりになります。
- 配偶者:5,200万円×1/2=2,600万円
- 長男:5,200万円×1/4=1,300万円
- 次男:5,200万円×1/4=1,300万円
なお、遺産は、必ずしも法定相続分のとおりに分割する必要はありません。実際の相続割合は、相続人による「遺産分割協議」や、故人が書き残した「遺言書」によって決めることができます。
「それなら、法定相続分が定められている意味があるのか」と思われるかもしれませんが、法定相続分は、相続税の計算でたびたび使われる重要な考え方です。相続人が全員で払う相続税の総額は、実際の遺産の分け方によって変わらないよう、いったん法定相続分で分けたと仮定して計算する仕組みになっています。
参考:相続の割合はどう決まる?家族構成別にわかりやすく解説!
3-5.ステップ5:相続税の総額を計算
課税遺産総額を法定相続分で相続したと仮定して各相続人へ分配した「法定相続分に応ずる取得金額」をもとに、「相続税の速算表」から税率と控除額を読み取り、相続人各人の「仮の相続税額」を計算します。
超過累進課税方式では、本来、取得金額を税率の区分ごとに区切って段階的に税額を計算する必要があります。速算表は、あらかじめ差し引く金額(控除額)を決めておくことで、1回の計算で税額を求められるようにしています。
▼相続税の速算表
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | ‐ |
| 1,000万円超から3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 3,000万円超から5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 5,000万円超から1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 1億円超から2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 2億円超から3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 3億円超から6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
出典:国税庁「No.4155 相続税の税率」
速算表を使った税額計算を算式で示すと、下記のようになります。
たとえば、法定相続分に応ずる取得金額が3,000万円である場合、速算表の「1,000万円超から3,000万円以下」の区分(税率15%、控除額50万円)を当てはめて、「3,000万円×15%-50万円=400万円」と計算します。
相続人各人の「仮の相続税額」が計算できれば、次に、それらを合計して、相続人全員の「相続税の総額」を計算します。
【計算例】
法定相続分に応ずる取得金額が配偶者2,600万円、長男1,300万円、次男1,300万円である場合、各相続人の仮の相続税額は、次のとおりになります。
- 配偶者の仮の相続税額:2,600万円×15%-50万円=340万円
- 長男の仮の相続税額:1,300万円×15%-50万円=145万円
- 次男の仮の相続税額:1,300万円×15%-50万円=145万円
- 相続税の総額:340万円+145万円+145万円=630万円
▼相続税の総額の計算

3-6.ステップ6:相続税の総額を分配し、控除・加算を適用して納税額を確定
相続人全員の「相続税の総額」を、実際の相続分(分割割合)で各人に分配します。その後、必要に応じて相続税の2割加算を行い、適用できる税額控除があればそれらを反映して、最終的に各人の相続税額を計算します。
計算例では、各人の実際の相続分は、法定相続分と異なり、1/3ずつだったとします。
【計算例】
相続税の総額が630万円、実際の相続分が配偶者1/3、長男1/3、次男1/3である場合、各相続人の相続税額は、次のとおりになります。
- 配偶者の相続税額:630万円×1/3=210万円
- 長男の相続税額:630万円×1/3=210万円
- 次男の相続税額:630万円×1/3=210万円
ここからさらに税額控除を適用して、最終的な納税額を確定させます。
【計算例】
各相続人が納める実際の相続税額は、次のとおりになります。
- 配偶者の納税額:配偶者の税額軽減の適用により、0円
- 長男の納税額:210万円
- 次男の納税額:210万円
▼納税額の決定

3-6-1.兄弟姉妹、孫などは相続税が2割加算
「被相続人の配偶者および一親等の血族(代襲相続人となった孫を含む)以外の人」については、相続税が2割加算されます。具体的には、下記のような場合が当てはまります。
- 被相続人の兄弟姉妹やその代襲相続人である甥姪が相続人となる場合
- 相続人とならない、被相続人の孫、内縁の妻、子の配偶者などが、遺言により相続財産を取得する(遺贈を受ける)場合
▼相続税の2割加算の対象となる人

参考:相続税の2割加算の対象者は誰?計算方法もわかりやすく解説
3-6-2.配偶者の税額軽減で多くの場合配偶者に相続税はかからない
配偶者の税額軽減は、配偶者の相続財産について「法定相続分」または「1億6,000万円」のどちらか多い方まで相続税が課されない制度です。これにより、多くの場合で配偶者に相続税はかかりません。
上記の計算例では、配偶者の実際の相続分(1/3)は法定相続分(1/2)以下なので、相続税は全額控除され0円となります。
なお、この制度の適用には、相続税申告書の提出などの要件を満たす必要があります。このほか、配偶者の税額軽減を適用した後、配偶者自身が亡くなる「二次相続」では、この制度が使えないため税負担が大きくなる可能性がある点には注意が必要です。
参考:【相続税の配偶者控除】1.6億円が無税に!条件・注意点・計算方法を解説
3-6-3.未成年者・障害者は控除を受けられる
18歳未満の未成年者、一定の要件を満たす障害者は、年齢に応じた金額の控除を受けられます。
- 未成年者控除の額=満18歳になるまでの年数(1年未満は切り上げ)×10万円
- 障害者控除の額=満85歳になるまでの年数(1年未満は切り上げ)×10万円(特別障害者は20万円)
このほかにも相続税額から控除できる制度があります。詳しくは下記の記事をご覧ください。
参考:相続税の控除・特例とは【一覧表付】要件・控除額を税理士が解説
4.相続税を簡単に計算できる税額シミュレーション
ここまで解説してきたとおり、相続税は単純に「遺産総額×税率」で求められるものではなく、かなり複雑な計算が必要です。
税金の専門家ではない一般の方が、正しくその計算をするのは大変ですが、「相続税の総額」の概算であれば、相続税の計算シミュレーションツールで簡単に計算できます。
>>【無料】税理士法人チェスター「相続税計算シミュレーション」
このシミュレーションツールは、遺産総額、配偶者の遺産取得割合、法定相続人の構成・人数を入力するだけで、相続税の総額の目安を算出できます。相続税の総額の目安を知った上で、より正確な相続税額を求めたい場合は、専門家である税理士にご相談ください。
5.相続税の早見表も活用しよう
「相続税の早見表」では、計算シミュレーションツールよりさらに手軽に、相続人全員に対する大まかな相続税の総額を確認できます。
法定相続人が「配偶者と子」「子のみ」(子は1人~4人)の場合を想定した、相続税の早見表をご紹介します。ご自身で想定される遺産総額とご家族の状況から、該当する金額をご確認ください。
5-1.相続税額の早見表(配偶者と子の場合)
「配偶者と子の場合」の相続税額の早見表は、配偶者が遺産を法定相続分で相続したと仮定して、「配偶者の税額軽減」を適用した後の相続税額を記載しています。
配偶者が遺産を法定相続分で相続した場合、配偶者の税額軽減を適用すると、配偶者自身の納税額は0円となります。この早見表に記載されている相続税額は、「子全員に対する相続税の総額」となることにご注意ください。
なお、子1人あたりの相続税額は、早見表に記載されている相続税額を「子の実際の取得割合」であん分して求めます。
| 配偶者と子が相続人の場合 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 遺産総額 | 配偶者 | 配偶者 | 配偶者 | 配偶者 |
| 子1人 | 子2人 | 子3人 | 子4人 | |
| 5,000万円 | 40万円 | 10万円 | 0円 | 0円 |
| 6,000万円 | 90万円 | 60万円 | 30万円 | 0円 |
| 7,000万円 | 160万円 | 113万円 | 80万円 | 50万円 |
| 8,000万円 | 235万円 | 175万円 | 138万円 | 100万円 |
| 9,000万円 | 310万円 | 240万円 | 200万円 | 163万円 |
| 1億円 | 385万円 | 315万円 | 262万円 | 225万円 |
| 1.5億円 | 920万円 | 747万円 | 665万円 | 587万円 |
| 2億円 | 1,670万円 | 1,350万円 | 1,217万円 | 1,125万円 |
| 2.5億円 | 2,460万円 | 1,985万円 | 1,800万円 | 1,687万円 |
| 3億円 | 3,460万円 | 2,860万円 | 2,540万円 | 2,350万円 |
| 5億円 | 7,605万円 | 6,555万円 | 5,962万円 | 5,500万円 |
| 10億円 | 1億9,750万円 | 1億7,810万円 | 1億6,635万円 | 1億5,650万円 |
| 20億円 | 4億6,645万円 | 4億3,440万円 | 4億1,182万円 | 3億9,500万円 |
| 30億円 | 7億4,145万円 | 7億380万円 | 6億7,432万円 | 6億5,175万円 |
| 50億円 | 12億9,145万円 | 12億5,380万円 | 12億1,615万円 | 11億7,850万円 |
5-2.相続税額の早見表(子のみの場合)
「子のみの場合」の相続税額の早見表に記載されている相続税額は、「子全員に対する相続税の総額」となります。
子1人あたりの相続税額は、早見表に記載されている相続税額を「子の実際の取得割合」であん分して求めます。
なお、被相続人に配偶者も子もいない場合で、第二順位である両親だけが法定相続人になる場合や、第三順位である兄弟姉妹だけが法定相続人になる場合も、下記の早見表を利用できます(ただし、兄弟姉妹が相続する場合は相続税の2割加算が生じます)。
| 遺産総額 | 子だけが相続人の場合 | |||
|---|---|---|---|---|
| 子1人 | 子2人 | 子3人 | 子4人 | |
| 5,000万円 | 160万円 | 80万円 | 20万円 | 0円 |
| 6,000万円 | 310万円 | 180万円 | 120万円 | 60万円 |
| 7,000万円 | 480万円 | 320万円 | 220万円 | 160万円 |
| 8,000万円 | 680万円 | 470万円 | 330万円 | 260万円 |
| 9,000万円 | 920万円 | 620万円 | 480万円 | 360万円 |
| 1億円 | 1,220万円 | 770万円 | 630万円 | 490万円 |
| 1.5億円 | 2,860万円 | 1,840万円 | 1,440万円 | 1,240万円 |
| 2億円 | 4,860万円 | 3,340万円 | 2,460万円 | 2,120万円 |
| 2.5億円 | 6,930万円 | 4,920万円 | 3,960万円 | 3,120万円 |
| 3億円 | 9,180万円 | 6,920万円 | 5,460万円 | 4,580万円 |
| 5億円 | 1億9,000万円 | 1億5,210万円 | 1億2,980万円 | 1億1,040万円 |
| 10億円 | 4億5,820万円 | 3億9,500万円 | 3億5,000万円 | 3億1,770万円 |
| 20億円 | 10億820万円 | 9億3,290万円 | 8億5,760万円 | 8億500万円 |
| 30億円 | 15億5,820万円 | 14億8,290万円 | 14億760万円 | 13億3,230万円 |
| 50億円 | 26億5,820万円 | 25億8,290万円 | 25億759万円 | 24億3,230万円 |
6.相続税率と贈与税率はどちらが高い?
相続税の税率を知ると、「生前に贈与しておけば、相続税を避けられるのではないか」と考える人もいるでしょう。しかし、贈与をした場合には贈与税がかかります。
相続税と贈与税は、どちらも税率が最高55%に設定されていますが、課税対象の金額が同じである場合、相続税より贈与税の方が税額は高くなる傾向にあります。相続税と贈与税では、計算方法や税率の決まり方が異なるためです。
相続税は、基礎控除額を超える相続財産を法定相続分にしたがって相続人ごとに分けたあとの金額に税率をかけて計算します。一方、贈与税は、贈与を受けた人ごとに、年間110万円の基礎控除額を超える贈与財産の金額に税率をかけて計算します。
また、贈与税の税率には「一般税率」と「特例税率」の2種類があります。特例税率は、18歳以上(贈与があった年の1月1日現在)の人が、両親や祖父母など直系尊属から贈与を受けた場合に適用される税率です。特例税率に当てはまらない場合は、一般税率が適用されます。
それぞれの税率は、下の表で示すとおりです。
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | ‐ |
| 400万円以下 | 15% | 10万円 |
| 600万円以下 | 20% | 30万円 |
| 1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
| 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
| 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
| 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | ‐ |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
| 3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
【例】3,000万円の財産を相続または贈与するケースで税額を試算します。
相続の場合
父(65歳)が亡くなり、長男(35歳)がすべての財産を相続するとします。法定相続人は母、長男、長女の合計3人であるとします。
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」です。
相続財産の合計金額が3,000万円である場合、基礎控除額を下回るため相続税はかかりません。
贈与の場合
父(65歳)から長男(35歳)に3,000万円の財産を一括で贈与するとします。
贈与税は、3,000万円から110万円の基礎控除額を差し引いた2,890万円をもとに計算します。
このケースでは特例税率が適用されるため、贈与税額は「2,890万円×45%-265万円=1,035.5万円」となります。
試算の結果、3,000万円の財産を相続すると相続税はかかりませんが、贈与してもらうと1,035.5万円の贈与税が生じました。
そもそも贈与税は、生前贈与によって相続税の課税を回避するという行為を防ぐために設けられた制度です。そのため、贈与税の税率は相続税よりも高く設定されています。
一方、贈与税には、贈与を受けた人ごとに毎年110万円の基礎控除があり、その範囲内で計画的に財産を贈与していくと、相続財産を減らして相続税の負担を軽減できる可能性があります。
また、60歳以上の父母、祖父母から18歳以上の子や孫などに財産を贈与する場合、「相続時精算課税制度」を選択することで、税負担が軽減されることもあります。
生前贈与についての詳しい解説は、下記の記事をご覧ください。
参考:生前贈与はいくらまで非課税?6つの非課税制度と注意点を解説
7.相続税対策では「税率表の税率」より「実効税率」が重要
相続税は「超過累進課税」であるため、相続税の税率表を見ても、「自分の相続財産では、相続税がどれくらいになるのか」は、直感的にはわかりません。
相続税がいくらになるかを直感的に理解できるよう、遺産総額に対して実際の相続税がどれくらいの割合になるのかを示す「実効税率(負担率)」という考え方をすることがあります。ここでは、「実効」は「実際の」といった意味です。
実効税率によってだいたいの相続税額がわかれば、相続税対策を考える上での目安になるでしょう。ただし、実効税率は実際の相続税額に応じたものであり、当然ながら、相続人が何人いるかなど相続の状況によって異なります。
参考までに、被相続人に配偶者がおらず、1人~3人の子が相続人になる場合の実効税率を示した表をご紹介します。
| 遺産総額 | 子1人 | 子2人 | 子3人 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 相続税額 | 実効税率 | 相続税額 | 実効税率 | 相続税額 | 実効税率 | |
| 5,000万円 | 160万円 | 3.20% | 80万円 | 1.60% | 20万円 | 0.40% |
| 7,000万円 | 480万円 | 6.86% | 320万円 | 4.57% | 220万円 | 3.14% |
| 1億円 | 1,220万円 | 12.20% | 770万円 | 7.70% | 630万円 | 6.30% |
| 2億円 | 4,860万円 | 24.30% | 3,340万円 | 16.70% | 2,460万円 | 12.30% |
| 3億円 | 9,180万円 | 30.60% | 6,920万円 | 23.07% | 5,460万円 | 18.20% |
※遺産総額は基礎控除前の金額・配偶者はいないものとする
7-1.相続税対策シミュレーション①:実効税率を贈与税と比較する
相続税と同様に、贈与税についても実効税率を示すことができます。
相続税と贈与税の実効税率を比較することにより、遺産として相続させたほうがいいか、生前贈与したほうがいいかを検討できます。
| 贈与する金額 | 贈与税額 | 実効税率 |
|---|---|---|
| 100万円 | 0円 | 0.00% |
| 300万円 | 19万円 | 6.33% |
| 500万円 | 48.5万円 | 9.70% |
| 1,000万円 | 177万円 | 17.70% |
| 2,000万円 | 585.5万円 | 29.28% |
※暦年贈与・18歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合
たとえば、相続人が子1人だけで、2億円の遺産を相続する予定だとします。
生前贈与をしないで2億円の遺産を相続した場合、前記の「相続税の実効税率表」から、相続税の実効税率は24.30%であることがわかります。
この場合、贈与税の実効税率が24.30%を下回る金額の範囲であれば、生前に贈与税を負担してでも生前贈与をするほうが有利になると考えることができます。上記の「贈与税の実効税率表」を見ると、1,000万円の贈与(実効税率17.70%)では有利になりますが、2,000万円の贈与(実効税率29.28%)では逆に不利になることがわかります。
7-2.相続税対策シミュレーション②:限界税率を贈与税の実効税率と比較する
相続税には「限界税率」という考え方もあります。
「限界」という言葉は専門用語で少し難しいのですが、「これ以上は無理」という意味ではなく、ここでは「追加的な」という意味だと理解してください。
相続税の「限界税率」とは、「相続財産が増えた際に、どれだけ相続税が増えるか、または、逆に相続財産が減った場合に、どれだけ相続税が減るか」という考え方をしたときの、税率のことです。
これは、相続税が「超過累進課税」であることと密接に関係しています。
7-3.具体例:相続と贈与どちらが得かシミュレーション
数値例で考えてみましょう。相続人が子1人だけで、1億円の遺産を相続する予定の人がいるとします。
この人が生前に、子に1,000万円を贈与すると、遺産総額は9,000万円になります(生前贈与加算はないものとします)。
もし生前贈与が行われなかった場合、その1,000万円に対して課されるはずの相続税率は、1億円に対する超過累進課税においてもっとも高い区分の30%です(下図参照)。
▼超過累進課税方式とは

つまり、生前贈与をすることで、30%の税率が課せられたはずだった1,000万円が、相続財産から削減されたと考えられます。この場合の30%を、「相続税の限界税率」と呼びます。
一方、1,000万円を贈与したときの贈与税の実効税率は17.70%です(「贈与税の実効税率表」参照)。
これらを比較して下記のような関係が成り立てば、生前贈与をしたほうが有利だといえます。
さらに、2,000万円を贈与した場合についても、わずかな差ですが、相続税の限界税率(30%)のほうが、贈与税の実効税率(29.28%)よりも大きくなっており、やはり生前贈与をしたほうが有利だと考えられます。
相続税と贈与税はいずれも超過累進課税であり、財産の金額が大きいほど税率が上がる仕組みです。そのため、相続税において「税率が高い部分」にあたる財産を、贈与税の「税率が低い部分」に移動させる、というイメージで考えるとわかりやすいでしょう。
▼限界税率

このように、「相続税の限界税率と贈与税の実効税率」を比較した場合は、「相続税の実効税率と贈与税の実効税率」を比較した場合よりも、有利に贈与できる金額の範囲が広がります。この考え方を踏まえて生前贈与を計画的に活用すれば、将来の相続税の負担をより大きく軽減できる可能性があります。
相続税の具体的な節税対策については、下記の記事もあわせてご覧ください。
参考:相続税の節税対策20選・生前贈与から相続発生後の対策まで一挙解説!
8.相続税の最高税率の推移
相続税は明治38年に創設され、時代の移り変わりとともに税率が改定されてきました。
明治時代から戦前までは相続の制度は現在と大きく異なっていましたが、戦後は民法や税法が大幅に改正され、相続税の税率の仕組みも現在と近い形に改められました。
直近では、平成27年(2015年)の改正で、基礎控除の引き下げとともに税率の引き上げが行われました(最高税率は50%から55%に改定)。
参考までに、次の図で相続税の税率の推移をご紹介します。

出典:国税庁「相続税100年の軌跡」より弊社にて作図
相続税に関する歴史的背景と制度の変遷について詳しい解説は、下記の記事をご覧ください。
参考:相続税はなぜ存在する?その根拠と納得できる理由を専門家が徹底解説
9.まとめ:相続税の計算は相続税専門の税理士にご相談を
相続税は超過累進課税であり、税率は「法定相続分に応ずる取得金額」に応じて10%~55%の範囲で段階的に設定されています。この仕組みを正しく理解することが、相続税対策の第一歩です。
その上で、シミュレーションツールや早見表で、相続税の概算を把握しましょう。より正確な相続税額の計算は、相続専門の税理士に相談することをおすすめします。正確な相続税額を求めるためには、土地や建物の相続税評価額を正確に計算して、さらに各種控除が適用できるか否かを検討する必要があるためです。
また、相続税が課税されることが判明したら、相続税申告書の作成も必要です。申告手続きについても、相続専門の税理士に相談することで、漏れなくスムーズに進めることができます。
9-1.相続専門の「税理士法人チェスター」にご相談を
税理士法人チェスターは、年間3,000件以上の相続税の申告実績を誇る、相続専門の税理士法人です。
相続税の申告では、不動産の評価額を適切に圧縮する方法や、配偶者の税額軽減を使うべきか二次相続まで見据えるかなど、税率表だけではわからない実務的な判断が求められます。生前贈与をどのタイミング・金額で行うべきかといった対策を含め、豊富な実績にもとづいてサポートします。
すでに相続が開始しているお客様は初回面談が無料となりますので、まずはお気軽にお問合せください。また、生前対策をご検討のお客様は、条件により初回面談を無料でご案内できる場合がありますので、下記の生前対策プランのページをご確認ください。
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税理士法人チェスターは相続に関する業務のみに特化している専門事務所であり、創業からこれまで培ってきた知見やノウハウがずっと引き継がれているため、難解な案件や評価が難しい税務論点にもしっかり対応致します。
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