立木の相続税評価についての基礎知識と評価方法
家の庭に木が立っていた場合に、いわゆるその「立木」を相続財産として計上すべきか、計上する場合には立木の相続税評価はいくらになるのかと悩まれる方も多いと思います。この記事では立木の相続税評価についての基礎知識と相続税評価の方法を解説していますので参考にしてください。
1. 樹木の種類 〜「果樹」と「立竹木」〜
土地を相続する際には、その土地の評価だけでなく、土地にある樹木についても評価しなければなりません。樹木には、果樹と立木、竹などがありますが、税法上、「果樹」と「立竹木」に分類され、異なる評価方法が決められています。今回は、立木(竹)について説明したいと思います。
2. 立木(竹)の評価単位と評価方法
立木と立竹の評価単位は、その分類によって違います。
・標準価額比準方式
→ 森林の立木、森林の立木以外の立木、立竹
・庭園設備との一括評価方式
→ 庭園にある立竹木
森林の立木は、樹種と樹齢が同じ1団地の立木で評価します。
それ以外の立木で、庭園にあるものを除く立木は、1本ごとに評価します。
庭園にある立竹木は、その庭園ごとに評価します。庭園にあるもの以外の立竹は、1団地ごとに評価します。
ただし実務上は立木の評価を行うシーンはさほど多くありません。森林の場合にはいわゆる売却価値があるかどうか、庭園設備の場合にはよほど手をかけお金をかけて造作したようなものでない限りは税務署が指摘してくることは珍しいでしょう。
3. 評価方法について
今回は、森林の立木、森林の立木以外の立木、庭園にある立竹木の評価方法を簡単にご紹介したいと思います。
(1) 森林の立木の価額
(算式)
主要樹種の標準価額 × 地味級 × 立木度 × 地利級 × 森林の地積
それぞれの数値は、財産評価基本通達の別表2に記載されています。
次の森林にある立木の相続税評価額を計算してみましょう。
標準価額:700千円
地味級 :上級(1.3)
立木度 :密 (1.0)
地利級 :5級(0.8)
地積 :3ha
評価額 = 700千円×1.3×1.0×0.8×3 = 2,184千円
(2) 森林の立木以外の立木の評価
(算式)
立木1本当たりの標準価額 × 比準割合 × 立木の本数
標準価額は、樹種、樹齢別に売買実例価額及び森林の立木の標準価額を参酌します。
(3) 庭園にある立竹木の評価
(算式)
(庭園設備の調達価額)×0.7
庭園にある立木及び立竹の価額は、庭園設備の一部として庭園設備と一括して庭木等として評価することとなります。
4.まとめ
立木の相続税評価の論点は書籍に掲載されていますが、実務上評価対象となることはさほど多くありません。立木を相続税評価する視点として大切なことは「財産的価値があるか?」「売却価値があるか?」「お金をかけているか?」等が挙げられます。あとは現地を調査して樹木の種類を確認して適切な評価を行いましょう。
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