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相続の流れを時系列で解説!期限・必要書類を把握して着実に準備を進めよう

相続の流れを時系列で解説!期限・必要書類を把握して着実に準備を進めよう

ご家族が亡くなった後は、死亡届の提出や年金の受給停止、相続人・財産の調査、相続税申告、不動産の名義変更など、多くの手続きが必要になります

手続きごとに期限や提出先が異なり、期限を過ぎると不利益やペナルティが生じることもあるので注意が必要です。

本記事では、相続開始後に必要な手続きを時系列で整理し、期限や注意点をわかりやすく解説します。

この記事の目次 [表示]

1.【死亡直後~14日以内】役所の手続きと期限

故人の死亡直後から14日間は、役所関係の手続きが集中する時期です。葬儀の準備で忙しく精神的にも落ち着かない時期ですが、忘れずに手続きを済ませましょう。

手続きの内容

期限

提出先

死亡届の提出・火葬許可証の受取

死後7日以内

市区町村役場

世帯主変更届の提出

死後14日以内

市区町村役場

健康保険の資格喪失手続き

死後すみやかに
(国民健康保険・後期高齢者医療制度は死後14日以内)

国民健康保険・後期高齢者医療制度は市区町村役場
健康保険組合・協会けんぽは職場など

介護保険の資格喪失手続き

死後14日以内

市区町村役場

年金の受給停止手続き

厚生年金は死後10日以内
国民年金は死後14日以内

年金事務所、街角の年金相談センター、市区町村役場など

公共料金や各種契約の解約・名義変更

死後すみやかに

各契約先

1-1.死亡届の提出・火葬許可証の受取をおこなう

死亡届の提出・火葬許可証の受取は、死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡地・故人の本籍地・届出人の所在地のいずれかの市区町村役場でおこないます

この2つは一般的に同時に手続きするもので、死亡届を提出すると火葬許可証を受け取ることが可能となります。火葬許可証がなければ火葬ができないので、葬儀の前に受け取らなければなりません。

このため、死亡届の提出と火葬許可証の受取は葬儀の準備期間中におこなうのが一般的で、葬儀社が代行することも多くなっています。

1-2.世帯主変更届を提出する

故人が世帯主だった場合、死後14日以内に世帯主変更届を提出する必要があります。提出先は故人の住所地の市区町村役場なので、死亡届と同時に提出するのが一般的です。

故人が一人暮らしで世帯に誰もいなくなった場合や夫婦2人だけの世帯で世帯主が亡くなった場合など、新しい世帯主が明らかな場合は手続き不要となります。

必要書類や書き方については「世帯主変更届とは?親から子の変更方法・手続きの流れ・書き方を解説」をご確認ください。

1-3.健康保険・介護保険・年金の資格喪失や受給停止を届け出る

葬儀後、亡くなってから10~14日以内には、故人の公的保険や年金の資格喪失・受給停止の手続きをおこないます。公的保険・年金に関連する手続きは、故人がどのような公的保険に加入していたのかによって手続き先や期限が異なります。

1-3-1.健康保険の資格喪失手続き

加入していた健康保険ごとの資格喪失の手続きは、以下のとおりです。

  • 組合健保や協会けんぽ:故人の職場に保険証を返還し、人事部門に手続きをおこなってもらうのが一般的
  • 国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険:死後14日以内に故人の住所地の市区町村役場で資格喪失の手続きをして保険証を返還する

1-3-2.年金の受給停止手続き

故人が年金を受給していた場合は、年金の支給を停止するための手続きが必要です。届出が遅れると、亡くなった日以後の年金が振り込まれてしまい、後日家族が過払い分を返還しなければならない場合があります

年金の受給停止手続きでは「年金受給権者死亡届(報告書)」を故人の住所地を管轄する年金事務所または街角の年金相談センターに提出します。提出期限は、厚生年金の場合は亡くなったあと10日以内、国民年金の場合は14日以内です。

ただし、故人が老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金のみを受給していた場合は、故人の住所地の市区町村役場にある国民年金窓口で手続きします。

なお、故人のマイナンバーが日本年金機構に収録されている場合は、受給停止手続きを省略できます。ただし、未支給年金を請求する場合など、別途手続きが必要になるケースもあるため、年金事務所や市区町村役場で確認しておくと安心です。

1-4.公共料金や各種契約の解約・名義変更をおこなう

電気・ガス・水道などの公共料金や故人が生前利用していたサービスなど、さまざまな契約の解約や名義変更をおこないます。これらの契約の解約や名義変更には明確な期限はありません。しかし、早めに解約をしなければ永続的に支払いが発生する可能性があります。

公共料金のほかにも、新聞や雑誌の定期購読やサブスクリプションサービスなどの解約も必要です。近年はオンライン上のサービスに契約している人も多く、残された家族が何を解約すべきなのかを把握しにくいケースもあります

現物がないデジタル遺産の探し方や注意点は「デジタル遺産が相続トラブルの原因に!?生前整理した方が良い理由を事例付きで解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

2.【死後すみやかに】相続の流れの第一歩として遺言書・相続人・財産を確認する

故人が亡くなったあとすみやかにおこないたいのが、遺産分割や相続税申告に不可欠な遺言書・相続人・遺産の確認です。相続の流れの第一歩としてどのようなことをしなければならないのか、それぞれ解説します。

2-1.遺言書の有無を確認する

故人が遺言書を残している場合、相続人がおこなう遺産分割協議よりも遺言書の内容が優先されるのが一般的です。このため、相続手続きの前に遺言書を探す必要があります。

遺言書そのものには時効がなく、遺産相続の後に遺言書が見つかった場合でも内容は有効とされます。遺言の内容が実際の相続と異なる場合、遺産の再分配を行うのが原則のため、遺言書探しを省くことはできません。

遺言書には、遺言者が全文を自筆で書く「自筆証書遺言」と公証役場の公証人に作成してもらう「公正証書遺言」があります

自筆証書遺言は、自宅等で保管されているほか、弁護士や司法書士が預かっているケースもあります。また、法務局で保管されている場合は、最寄りの法務局で検索することが可能です。法務局で保管されていない自筆証書遺言が見つかった場合は、開封せずに家庭裁判所へ持参して「検認」をする必要があります。

検認とは遺言書の偽造・変造を防ぐための手続きで、遺言書の保管者か遺言書を発見した相続人が家庭裁判所に申し立てをおこないます。

遺言書の検認手続きの方法や申請に必要な書類については、以下の記事でご確認ください。

参考:遺言書の検認とは?手続きの流れや必要書類・費用・期間を税理士が解説

公正証書遺言は、公証役場の「遺言検索システム」を使って検索することが可能です。遺言検索システムの使い方などについては以下の記事もご覧ください。

参考:遺言検索システムとは?使い方・遺言書の見つけ方・利用方法や必要書類を解説

2-2.戸籍謄本を収集して法定相続人を確定する

遺言書が見つからない場合、相続人全員参加による遺産分割協議をして誰がどの遺産を相続するのかを決める必要があります。このため、まずは誰が法定相続人にあたるのかを確定しなければなりません。法定相続人とは、「相続の権利がある」と認められている人を指します。

故人の配偶者や子ども(または孫)、父母(祖父母)、兄弟姉妹(甥・姪)が法定相続人になるのが一般的ですが、養子縁組をおこなった場合や前妻・前夫との間に子どもがいる場合など、自分たちが家族だと考えていた人のほかにも、遺産を相続する権利を持つ人が存在する可能性があります。

法定相続人の調査方法としては、故人の死亡から出生までの戸籍謄本を収集するのが一般的です。それをもとに相関図を作成することで関係性をまとめます。転籍や離婚歴がある場合、調査に時間がかかるため、弁護士や司法書士に依頼する手もあります。

相続関係説明図例

引用:法務局「不動産登記の申請書様式について

相関図の作成については以下の記事も参考にしてください。

参考:【テンプレート付】相続関係説明図とは?目的や書き方、記載例を紹介

2-3.財産と借金を調査して財産目録を作成する

相続人が確定したら、故人のすべての財産を調査して「財産目録」を作成します。財産目録とは、故人が保有する財産を種類別に記録し、財産の状況を明らかにしたものです。相続財産は必ずしも「プラスの財産」とは限りません。借入金や住宅ローン、税金などの「マイナスの財産」も含まれる点に注意しましょう。

具体的にいうと、プラスの財産・マイナスの財産は以下のようなものがあります。

  • プラスの財産:現金・預貯金・株式・不動産・貴金属・骨とう品など
  • マイナスの財産:借金・各種ローン・未払いの医療費・未払いの税金など

財産目録を作成する際は、すべての財産を洗い出したあとに、財産の名称・所在・数量・金額(時価)を記載します。財産のなかに不動産が含まれる場合、相続税評価額は市場価格とは異なるのが一般的です。土地は路線価方式や倍率方式をもとに計算し、建物は固定資産税評価額を採用します。

土地の相続税評価額の計算方法については「【相続税路線価とは】国税庁路線価図の調べ方・見方・計算方法・減額補正について」を参考にしてください。

また、故人に借金があるのかどうかを知りたい場合は、以下の信用情報機関に問い合わせて信用情報開示請求をおこないましょう。

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC):主にカード会社の借入
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC):主に消費者金融からの借入
  • 一般社団法人全国銀行協会:主に銀行・金融機関からの借入

相続税の申告では被相続人死亡時の遺産の評価額が基準となるため、評価時期を統一しておくと正確な財産目録になるでしょう。財産目録の書き方は「財産目録とは【テンプレート・記載例あり】書き方と作成手順を解説」で詳しく解説しています。

3.【3カ月以内】借金がある場合などは「相続放棄」を検討する

財産目録を作成した結果、故人に借金がある場合などは相続放棄を検討するケースがあります。相続放棄の申述期限は相続の開始を知った日から3カ月以内となっています。

相続放棄の申述期限は3カ月以内

期限内に申述しなければ、単純承認とみなされてプラス・マイナスを含めてすべての遺産を相続することになるため、注意が必要です。

参考:裁判所「相続の放棄の申述」

3-1.相続放棄・限定承認の手続きが必要なケース

遺産に借金があった場合、単純承認をすると借金も含めてすべての財産を承継することになります。このため、借金が見つかったケースでは相続放棄または限定承認を検討する必要があります。

相続放棄とは、被相続人の財産を一切相続しない手続きです。借金を引き継がずに済む一方で、預貯金や不動産などのプラスの財産も相続できなくなります。相続放棄は、相続人ごとに単独で申述できます。

一方、限定承認とは、相続で得たプラスの財産の範囲内で、被相続人の借金などを弁済する手続きです。借金があるものの、自宅など相続したい財産がある場合や、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかわからない場合に検討されるのが一般的です。ただし、限定承認は相続人全員が共同して申述しなければならないため、相続人が単独で手続きすることはできません。

相続放棄の手続きや注意点については「【相続放棄とは】費用・流れ・注意点をわかりやすく解説!」で詳しく解説しているので参考にしてください。

3-2.期限内に判断できない場合は期間伸長を申し立てる

相続放棄・限定承認は、相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述する必要があります。3カ月以内に相続放棄するか否かの判断ができない場合は、相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立てによって期間を延長することも可能です

4.【4カ月以内】故人の所得申告「準確定申告」をおこなう

通常1月から12月までに所得がある場合、翌年に所得税の確定申告をおこなう必要があります。一定の所得がある故人が年の途中で亡くなった場合は、亡くなった日の翌日から4カ月以内に相続人等が準確定申告をおこなわなければなりません。

4-1.準確定申告が必要になる人の条件

準確定申告は全員がおこなわなければならないものではありません。以下に該当し、故人が生前に確定申告をしていた場合は準確定申告を必ずおこないます

  • 個人事業を営んでいた
  • 不動産を貸し出していた(アパート、駐車場など)
  • 2か所以上からその全部が源泉徴収の対象となる給料をもらっており、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える場合
  • 一定額を超える収入があった(※)
  • 同族会社の役員で会社から利子や賃料を受け取っていた

上記の「一定額を超える収入があった(※)」とは、給与2,000万円超、年金400万円超かつ他所得20万円超、源泉徴収の対象となる給与以外に副収入(必要経費を除く)が20万円超の場合が該当します。

そのほか、故人が生前に確定申告をしていなかったとしても、亡くなった年に以下のような特別な事情があった場合は、準確定申告が必要になる場合があります。

  • 一時所得または雑所得の対象となる保険金を受け取った(相続税、贈与税の対象となる場合を除く)
  • 不動産を売却して所得が生じた
  • 株式を売却して所得が生じた(源泉徴収されている場合を除く)

準確定申告をすることで、場合によっては還付金が戻ってくることもあります。以下のようなケースでは還付金が返ってくる可能性があるため、準確定申告をするとよいでしょう。

  • 被相続人が高額な医療費を払っていた場合
  • 給与所得者で源泉徴収税額を徴収されている場合(年末調整前)
  • 配偶者控除や生命保険料控除などの各種控除を受ける場合

詳しくは「【準確定申告とは】必要・不要の判断方法、記入例などを解説」をご確認ください。

4-2.相続人全員の署名が必要な点に注意

準確定申告をおこなう際は、「準確定申告書」を故人の住所地を管轄する税務署に提出します。申告書の書き方は一般的な確定申告書の書き方と同じですが、相続人等が2人以上いる場合は準確定申告書に各相続人等が連署して提出するのが原則です

ただし、他の相続人等の氏名を付記したうえで、各相続人等が別々に提出することもできます。その場合、申告書を提出した相続人等は、他の相続人等に申告内容を通知しなければなりません。

なお、2020年以降は準確定申告書をe-Taxで提出することができるようになり、条件を満たせば青色申告特別控除(最大で65万円)の適用も受けられます。ただし、相続人が2人以上いる場合は、e-Taxの場合も各相続人が申告内容を確認し署名した「準確定申告の確認書」をPDFなどのイメージデータで送信する必要があります。

参考:国税庁「所得税及び復興特別所得税の準確定申告のe-Tax対応について

5.【10カ月以内】相続税申告・納付をおこなう

相続税の申告が必要な場合は、納税とあわせて相続があることを知った日の翌日から10カ月以内におこなう必要があります。相続税の申告・納税が不要なケースもあるため、まずは申告の要否を確認しましょう。

相続税の申告・納税期限

5-1.基礎控除額を計算して相続税申告の要否を判定する

相続税は、財産の価値が大きいほど高い税率が課せられる「累進税率」を採用しています。ただし、遺産を相続した人が全員相続税を納付しなければならないわけではありません。相続財産の合計金額が基礎控除額よりも少なければ、相続税の申告・納付は必要ないからです

相続税の基礎控除額は、3,000万円+( 600万円 × 法定相続人の数 )で計算します。つまり、法定相続人の人数が多くなるほど基礎控除額は増えていきます。

相続税の基礎控除額の計算方法

相続税の申告・納付が必要かどうかが不明な場合は、国税庁のHPにある「相続税の申告要否判定コーナー」を活用するとよいでしょう。相続人の数や財産の金額を入力すると、相続税の申告が必要か否かを大まかに知ることができます。

相続税の基礎控除額については「【相続税の基礎控除】いくらまで無税?計算方法を早見表付きで解説」をご確認ください。

5-2.遺産分割協議をおこない、遺産分割協議書を作成する

法定相続人が確定し財産目録を作成したら、遺産分割協議をおこないます。遺産分割協議とは誰がどの財産を承継するのかを決める話し合いのことです。相続人のなかから「まとめ役」を選び、まとめ役を中心に話し合いを進めましょう。

協議は相続人全員が一堂に会する必要はありません。日程が合わない、遠方で来られないといった場合には、電話やメール、手紙による協議も可能です。

ただし、最終的には相続人全員が遺産分割協議の内容に同意しなければならないため、できるだけ会って話し合った方がよいでしょう。遺産分割は大きく4種類に分けられます。

  • 現物分割:現物で分割する
  • 代償分割:特定の相続人が相続する代わりに、他の相続人には相当する金銭を支払う
  • 換価分割:売却してその代金を分割する
  • 共有分割:複数の相続人の共有名義で相続する

どの遺産を誰が相続するかを決めた後は、合意内容をまとめた遺産分割協議書を作成します。最後に相続人全員が署名し、「実印」を押印するのが基本です

相続人のみで遺産分割協議書を作成する場合の流れや書き方は「遺産分割協議書を自分で作成する方法!流れや書き方【ひな形・文例付き】」を参考にしてください。

遺産分割協議書の目的は、相続財産の帰属を明確にし、後々の紛争やトラブルを防ぐことにあります。相続税の申告時は遺産分割協議書の添付を求められるケースがあるほか、銀行口座の解約や名義変更の際にも必要です。

遺産分割協議書の作成方法で迷うことがあれば、弁護士や司法書士、行政書士に相談しましょう。専門家に作成を依頼する際は、相続人の間で費用をどう負担するかを話し合います。

下記の記事では遺産分割協議書の依頼先をフローチャートで診断できます。

参考:遺産分割協議書を作成できる人は?自分で作る?専門家に依頼する?

5-3.特例を使う場合は税額がゼロでも申告が必要になることがある

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、相続税には税額を大幅に軽減できる特例があります。特例や特別控除を利用して相続税額がゼロになるケースでも、相続税申告は必要になるので注意が必要です。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、申告してはじめて適用を受けられる制度です。特例を使えば相続税額がゼロになる場合でも、申告が必要になる点に注意しましょう。

相続税の節税につながる控除や特例については「相続税の控除・特例とは【一覧表付】要件・控除額を税理士が解説」で詳しく解説しています。それぞれの控除や特例には適用要件があるため、事前に確認しておくと安心です。

5-4.期限を過ぎると無申告加算税や延滞税がかかる

相続税の申告は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10カ月以内におこないます。1月25日に死亡を知った場合は、10カ月後の11月25日までに申告を済ませなければなりません。納税期限が土日・祝日にあたる場合は、その翌日が期限です。納税期限を過ぎると、相続税のほかに「加算税」や「延滞税」が加算される場合があります

このように、相続税申告期限を超えたり申告自体をしていなかったりするケースではさまざまなペナルティが科される可能性があります。詳しくは「相続税申告をしないとどうなる?無申告の罰則やバレる理由を解説」をご確認ください。

相続税の申告書作成では膨大な資料を用意しなければならないため、期限内に申告できるように、納税の必要があるなら早めに準備を進めましょう。

相続税申告に必要な書類については、「相続税の申告での必要書類を税理士が解説【一覧表】効率的な集め方も!」も参考にしてください。

なお、申告書の提出先は「被相続人の住所地を所轄する税務署」です。相続した人の住所地を所轄する税務署ではない点に注意しましょう。

6.【1年以内】遺留分侵害額請求をおこなう

遺言書の指定や故人からの生前贈与などによって、遺留分に満たない財産しか取得できなかった場合は、遺留分侵害額請求をおこなうことで、不足分に相当する金銭の支払いを受けられる可能性があります

遺留分とは、兄弟姉妹や甥姪以外の法定相続人に認められている、最低限保障された遺産の取り分です。たとえば、遺言書で「長男にすべての財産を相続させる」と指定されていた場合でも、配偶者やほかの子どもなどには遺留分が認められることがあります。

遺留分侵害額請求は、相続があった場合に必ずおこなう手続きではありません。しかし、遺留分を侵害されていることがわかった場合は、早めに対応する必要があります。遺留分侵害額請求権は、相続の開始と遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知ったときから1年を経過すると、時効により消滅するためです。また、相続開始から10年を経過した場合も請求できなくなります。

まずは相手方と話し合いをおこない、話し合いで解決しない場合や期限が迫っている場合は、内容証明郵便などで遺留分侵害額請求の意思表示をしたうえで、調停や訴訟による解決を検討します。

遺留分侵害額請求については次の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

参考:遺留分侵害額請求とは?手続き・時効・費用をわかりやすく解説

7.【遺産分割後すみやかに】預貯金・不動産などの名義変更をおこなう

遺産分割が完了したらすみやかに、相続した預貯金や不動産などの名義変更をおこないましょう。相続した財産によっては名義変更を期限内におこなわなければ罰則のリスクもあるので、早めに手続きを進めることが大切です

手続きの内容

期限

提出先

銀行預金の解約・払戻し手続き

遺産分割後すみやかに

故人の預金口座がある金融機関

不動産の相続登記

相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内

不動産の所在地を管轄する法務局

自動車の名義変更

できるだけ早く

(普通自動車の移転登録は15日以内が目安)

運輸支局

株式の名義変更

遺産分割後すみやかに

上場株式は証券会社、非上場株式は発行会社

7-1.銀行預金の解約・払戻し手続きをおこなう

金融機関が口座名義人の死亡を把握すると口座は凍結され、払戻しや解約ができなくなります。遺産分割協議後に適切な手続きをおこなうことで、銀行預金の金額を取得できるため、相続人は銀行の窓口に足を運び、口座の名義変更や解約の手続きをおこないましょう。

必要書類は、遺言書がある場合・遺産分割協議書がある場合・遺産分割協議書がない場合によって異なります。詳細は各金融機関に確認しましょう。

7-2.不動産の相続登記をおこなう

家や土地などの不動産は、所有権を移転するための「相続登記(相続による所有権移転の登記)」をおこないます。手続き後、不動産の名義が被相続人から相続人へと変更されます。

不動産の相続等き

これまでは、相続人に名義を変更する義務はなく、相続登記をいつおこなうのかは相続人の自由でした。しかし、2024年4月に不動産の相続登記は義務化され、相続後3年以内に正当な理由なく相続登記をしていない場合には10万円以下の過料が科される可能性もあります

相続登記の義務化については下記で詳しく解説しています。

参考:【相続登記の義務化】2024年4月施行!罰則・費用・対策まで完全網羅

相続登記は不動産の特定や登記簿謄本の取得、戸籍・戸籍附票収集など、複数のステップを踏まなければならないため、時間や手間を省きたい人は司法書士などの専門家に依頼しましょう。

自分で相続登記をする場合の必要書類や手続きの流れは「相続登記の必要書類一覧│手続き・自分で収集する方法を解説」を参考にしてください。

7-3.自動車や株式などの名義変更も確認する

自動車や株式など、そのほかの相続した財産についても名義変更をおこないます。

自動車の名義変更は原則15日以内におこなう必要があります。移転登録をしない場合、50万円以下の罰金が科されることもあるため、自動車を取得する人が決まったらなるべく早めに手続きをしましょう。

名義変更をしない場合、売却や廃車、車検、税金、保険関連の手続きに支障が出る可能性があります。自動車税のお知らせが届かず未納になると、納付期限を延滞した期間に応じた延滞金の支払いが必要になるので注意しましょう。

株式の名義変更は、証券会社、もしくは株式会社(株式を発行している企業)で手続きをおこないます。遺産分割協議をおこなった際は、相続人全員の印鑑証明書や遺産分割協議書を忘れずに準備しましょう。

名義変更は「上場株式」と「非上場株式」で必要書類や手続き方法が異なります。上場株式は故人が利用していた証券会社を通じて手続きするのが一般的ですが、非上場株式は発行会社に連絡したうえで会社所定の方法で名義変更を進めます。

8.【2~3年以内】申請すれば受け取れる給付金や保険金も確認しよう

相続の流れとあわせて、受け取ることができる給付金や保険金についても確認することをおすすめします。給付金などは自動的に受け取れるものではないので、損をしないように忘れずに手続きをする必要があります

主な給付金・保険金の内容や申請期限、申請先は以下のとおりです。

給付金・保険金

申請期限

申請先・請求先

葬祭費

葬儀をおこなった日の翌日から2年以内

市区町村役場の国民健康保険・後期高齢者医療制度の窓口

埋葬料

死亡日の翌日から2年以内

加入していた健康保険組合・協会けんぽなど

死亡保険金

一般的には被保険者の死亡から3年以内

加入していた生命保険会社

高額療養費

診療を受けた月の翌月初日から2年以内

加入していた公的医療保険の窓口

8-1.「葬祭費」「埋葬料」は2年以内に申請

故人が加入していた健康保険の種類によっては、葬儀や埋葬に関する給付金を受け取れる場合があります。代表的なものが、国民健康保険などから支給される「葬祭費」と、健康保険組合や協会けんぽなどから支給される「埋葬料」です。葬祭費と埋葬料はどちらも受け取れるわけではなく、故人が加入していた医療保険によって受け取れる給付金が変わります。

葬祭費は、故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合に、葬儀をおこなった人が受け取れる給付金です。支給額は自治体によって異なり、3万〜7万円程度が目安です。申請期限は、一般的に葬儀をおこなった日の翌日から2年以内とされています。

一方、埋葬料は、故人が健康保険組合や協会けんぽなどに加入していた場合に支給される給付金です。被保険者により生計を維持されていた人が申請すると、埋葬料として一律5万円が支給されます。該当する人がいない場合は、実際に埋葬をおこなった人が「埋葬費」を申請できることがあります。埋葬料の申請期限は、死亡日の翌日から2年以内です。

葬祭費と埋葬料は、いずれも自動的に支給されるものではありません。故人の健康保険証や葬儀費用の領収書、申請者名義の振込先口座などが必要になることが多いため、葬儀後は早めに加入先の保険者へ確認しましょう。

参考:埋葬料の申請方法│給付額や葬祭費との違いもわかりやすく解説

8-2.生命保険に加入の場合は3年以内に「死亡保険金」の請求

故人が生命保険に加入していた場合は、保険会社に死亡保険金を請求します。死亡保険金は、被保険者が亡くなったからといって自動的に支払われるものではありません。受取人や遺族が保険会社に連絡し、所定の手続きをおこなう必要があります

死亡保険金の請求期限は、一般的に支払事由が発生した日の翌日から3年とされています。保険会社によって取扱いが異なる場合もあるため、保険証券や契約内容を確認し、加入先の保険会社に問い合わせましょう。

生命保険は、残された家族が契約の存在を把握していないと請求漏れが起こりやすい手続きです。故人の通帳やクレジットカードの引き落とし履歴、郵便物、保険証券などを確認し、加入していた保険がないか早めに調べておきましょう。

参考:死亡保険金の請求手続きについて

8-3.「高額療養費」は診療を受けた翌月から2年以内に申請

故人が亡くなる前に高額な医療費を支払っていた場合は、高額療養費の払い戻しを受けられる可能性があります。高額療養費とは、1か月に支払った医療費の自己負担額が上限額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です

高額療養費の支給を受ける権利は、診療を受けた月の翌月の初日から2年で時効になります。そのため、故人が亡くなる前に入院や手術などで医療費を多く支払っていた場合は、申請できるものがないか確認しましょう。

高額療養費は、加入していた公的医療保険に申請します。国民健康保険や後期高齢者医療制度であれば市区町村、健康保険組合や協会けんぽであれば各保険者が窓口です。病院への支払いを済ませたあと、申請書や領収書など必要書類を確認し、なるべく早めに手続きを進めましょう。

参考:死亡後に行う高額療養費の申請手続き

9.相続の手続きが難しい場合は専門家のサポートも検討しよう

相続の手続きは原則自分たちだけでおこなうことができます。しかし、書類収集が難しかったり、相続税評価額の計算ができなかったりするなど、手続きが難しいケースもあるでしょう。期限内に相続の手続きが難しい場合、専門家のサポートを受けることも検討するとよいでしょう。

9-1.税理士・司法書士・行政書士の役割分担表

相続の手続きをサポートしてもらう場合、主に相談できるのは税理士・司法書士・行政書士という専門家です。どのような悩み事がある場合にどの専門家に依頼すべきなのか、三者を比較すると以下の表のようになります。

依頼先の専門家役割依頼できる相続手続き
税理士税務申告・税務相談の専門家相続税申告、相続税の試算、特例適用の判断、税務調査対応
司法書士不動産登記・法務局手続きの専門家相続登記、法定相続情報一覧図の取得支援など
行政書士相続関連書類作成の専門家遺産分割協議書、戸籍収集、相続関係書類作成、預貯金・自動車の相続手続き関連書類作成など

なお、相続人同士で争いがある場合や、遺産分割協議がまとまらない場合は、弁護士への相談を検討しましょう。

9-2.相続税申告に強い税理士を見極めるポイント

ひとくちに税理士といっても専門は異なるため、なかには相続税申告に携わったことのない人もいます。このため、相続税の申告を依頼するなら、相続に強い税理士を見極めることが大切です。

見極めるポイントとして、まずは年間相続税申告実績数を確認しましょう。毎年多くの相続税申告を担当している税理士であれば、知識や経験が豊富で相続税対策につながるようなアドバイスもできるはずです。また、相続関連の書籍を出版している税理士であれば、税制改正や法改正などにも対応できるように勉強を続けている可能性があります。

そのほかにも、税務調査実施率が少ないことも重要なポイントです。万が一税務調査の対象になった場合も、税理士が税務署との間に立って対応してくれるなら安心です。

相続税申告では依頼主と税理士が適切なコミュニケーションを取ることで、納得したうえで進めることができます。このため、契約前に相談し、担当の税理士が話しやすく信頼できるかどうかを判断するとよいでしょう。

参考:相続税に強い税理士の選び方

10.相続手続きは期限厳守!早めの着手でリスクを回避

ご家族が亡くなると、葬儀や役所関係の手続きだけでなく、遺産分割や相続税申告など多くの手続きが必要になります。

相続税申告と納付は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内におこなわなければなりません。また、故人に借金がある場合など、相続放棄や限定承認を検討する場合には3カ月以内に申し立てする必要があります。そのほか、相続手続きのなかには期限内におこなわなければペナルティが課されるケースもあるので注意が必要です。

相続手続きのなかには、書類の準備に時間がかかるものもあります。早めに準備に着手するのはもちろんですが、自分たちだけでは対応が難しい場合は専門家のサポートを検討するのもよいでしょう。

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煩わしい相続手続きがワンストップで完結可能です!

相続手続きはとにかくやることが多く、自分の足で動くことも多いものです。

例えば、必要な書類収集・口座解約は行政書士、相続税申告は税理士、相続登記は司法書士、遺産分割は弁護士、不動産売却は不動産業へ…。
慣れない手続きの中で、これら多くの窓口を一つひとつご自身で探し、調整するのは精神的にも時間的にも大きな負担となります。

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