遺産分割協議書を作成できる人は?自分で作る?専門家に依頼する?
遺産分割協議書は、遺産相続に係る様々な手続きで提出を求められる重要書類です。
しかし、相続を初めて経験する方は、「遺産分割協議書を作成できる人は一体誰なのか…」とお悩みではないでしょうか。
結論を言うと、遺産分割協議書は、相続人であればご自分で作成できます。
ただ、状況に応じた専門家に依頼するほうが不備なく安心ですし、後のトラブル予防にも繋がります。
この記事では、遺産分割協議書を自分で作成する場合のポイントはもちろん、作成を依頼する専門家の選び方について解説します。
この記事の目次 [表示]
1.遺産分割協議書を作成できる人は誰なのか
遺産分割協議書を作成できる人は、以下に該当する人物です。
- ①相続人
- ②専門家(弁護士・司法書士・税理士・行政書士など)
- ③その他(信託銀行・公証人など)
遺産が比較的少なく、相続人同士の関係性が良い場合は、相続人が自分で遺産分割協議書を作成できます。
しかし、遺産相続トラブルが生じている場合や、相続税申告や相続登記の義務がある場合は、弁護士・司法書士・税理士・行政書士などの専門家に、遺産分割協議書の作成を依頼したほうが安心です。
なお、証拠力を持たせたい場合は、公正証書役場で公証人に遺産分割協議書の作成を依頼できますし、資産運用などのアドバイスも受けたい方は信託銀行に依頼するという方法もあります。
1-1.そもそも遺産分割協議書とは
遺産分割協議書とは、被相続人の遺産の分割方法を決める遺産分割協議において、法定相続人全員が合意した内容をまとめた書類のことです。
法定相続人が複数人いる場合、相続財産(遺産)は法定相続人の「共有財産」となります(民法第898条)。
遺言書がない場合は、法定相続人全員で遺産分割協議を開催して、話し合いで相続財産の分割方法を決めることになります(民法第907条1項)。
この遺産分割協議において、法定相続人全員が合意に至った内容を、書面にとりまとめたものが遺産分割協議書です。
詳しくは「遺産分割協議書とは?書き方・必要書類・提出先を解説【ひな形あり】」をご覧ください。
1-2.遺産分割協議書が必要なケースと不要なケースがある
遺産分割協議書の作成は、民法上の義務ではありませんが、各種相続手続きで提出を求められます。
そのため、遺産分割協議をしたのであれば、遺産分割協議書を作成すべきです。
なお、以下に該当する場合は、遺産分割協議書の作成は不要と考えられます。
- ①法定相続人が1名のみである
- ②遺言書の内容に沿って遺産分割する
- ③法定相続分で遺産分割する※
- ④遺産相続に係る手続き(解約や名義変更など)は不要
※民法第900条で定められた「各法定相続人の遺産分割できる目安割合」のこと
「③法定相続分で遺産分割する」場合、遺産協議書を作成しておかないと、後で「言った・言わない」の相続トラブルに発展する可能性もあります。
法定相続分で遺産分割する際も、遺産分割協議書は作成しておいた方が良いでしょう。
詳しくは「遺産分割協議書は必要か?不要な事例・自分で作成する流れを解説」をご覧ください。
2.遺産分割協議書は自分で作成できる!書き方や注意点
冒頭でもご紹介したとおり、遺産分割協議書は相続人が自分で作成できます。
遺産分割協議書に定められた書式はありませんが、記載すべき内容や一定のルールはあります。
なお、遺産分割協議書に作成ミスや不備があれば、修正したり作り直したりすることとなります。記載ミスをしないよう注意が必要です。
2-1.遺産分割協議書の記載例
以下は遺産分割協議書の記載例ですので、参考にしてください。
2-2.遺産分割協議書に記載すべき内容
遺産分割協議書には、少なくとも以下の事項を記載しなければなりません。
- 被相続人の情報
- 相続人全員が遺産分割内容に合意している旨の文言
- 各相続人が承継する相続財産の詳細
- 後日判明した遺産があった際の取扱い
- 遺産分割協議書を相続人の人数分作成した旨の文言
- 遺産分割協議書の作成年月日
- 相続人全員の情報(住所・氏名・実印)
各相続人が承継する相続財産の詳細は、以下の内容を記載します。
財産の種類 | 記載する内容 |
---|---|
預貯金 | 銀行名・支店名・預金種目・口座番号・残高など |
不動産(土地) | 所在・地番・地目・地積 |
不動産(建物) | 所在・家屋番号・種類・構造・床面積 |
有価証券 | 証券会社名・支店名・口座番号・口座名義・内訳(証券の種類・銘柄・数量) |
自動車 | 名義人・自動車登録番号・車台番号 |
債権や債務 | 契約内容・残債金・債権者の氏名 |
遺産分割協議書の書き方について、詳しくは「【ひな型付】遺産分割協議書の書き方とは?基礎から応用まで詳しく解説」や「遺産分割協議書を自分で作成する方法!流れや書き方【ひな形・文例付き】」をご覧ください。
2-3.遺産分割協議書を作成する際の注意ポイント
遺産分割協議書の作成にあたっては、書き方以外にもいくつか注意ポイントがあるので知っておきましょう。
2-3-1.作成方法は手書きでもパソコンでも可能
遺産分割協議書は、手書きによる作成でもパソコンによる作成でも構いません。
ただ、書き間違えた時に修正がしやすいため、パソコンで作成されることをおすすめします。
2-3-2.複数ページの場合には契印する
遺産分割協議書が複数ページになる場合には、それが一体のものであることを示すために、相続人全員が契印をします。
枚数が少ない場合は、ページとページの見開き部分にまたがるように、すべてのページに契印をします。
なお、枚数が多く製本にした場合には、製本テープと表紙にまたがるように、相続人全員が契印をすることとなります。
2-3-3.遺産分割協議書は人数分用意する
遺産分割協議書は、相続人の数と同じ通数を作成し、相続人全員が各自一通ずつ原本を所持します。
この場合、すべての遺産分割協議書が同一のものであることを示すために、すべてのページに相続人全員が割印をします。
3.遺産分割協議書を自分で作成するメリット・デメリット
遺産分割協議書を自分で作成するといくつかのメリットがありますが、デメリットもあるため注意が必要です。
3-1.遺産分割協議書を自分で作成するメリット
遺産分割協議書を自分で作成するメリットは、以下の通りです。
- 専門家に支払う費用を節約できる
- 第三者に遺産相続の詳細を知られることがない
遺産分割協議書の作成を専門家に依頼した場合、数万円の費用がかかります。
しかし自分でひな形を使って遺産分割協議書を作成すれば、費用を節約できます。
また、自分で遺産分割協議書を作成すれば、遺産相続の内容を第三者に知られることもありません。
3-2.遺産分割協議書を自分で作成するデメリット
遺産分割協議書を自分で作成するデメリットは、以下の通りです。
- 作成の手間と時間がかかる
- 自力で必要書類を収集する必要がある
- ある程度の相続に関する知識が必要
- 作成ミスや不備が発生しやすい
- 相続手続きがスムーズに進まない可能性がある
遺産分割協議書を自分で作成すると、手間や時間がかかってしまいます。
必要書類を自力で収集しなくてはなりませんし、ある程度の知識をつけるためにネットや書籍などで調べる時間も必要です。
仮に作成ミスや不備が発生すると、作り直すこととなり、すべての法定相続人に署名と捺印を貰う手間も発生し、結果として、各種相続手続きがスムーズに進まなくなってしまいます。
遺産分割協議書を自分で作成される際は、作成ミスや不備がないよう注意が必要です。
4.遺産分割協議書を作成できる専門家の選び方【フローチャート付】
遺産分割協議書を自分で作成するのは難しい…と感じた方は、専門家への依頼を検討しましょう。
遺産分割協議書を作成できる専門家は、弁護士・司法書士・税理士・行政書士などの士業で、それぞれ担当できる業務の範囲が法律で定められています。
どのような状況の時に、どの専門家への依頼を検討するべきか、以下のフローチャートでご確認ください。
詳しくは「相続手続きの代行は誰に依頼する?適切な専門家の選び方と費用の相場」や「相続のサポートはどの専門家に依頼すべき?税理士?司法書士?」をご覧ください。
4-1.【行政書士】遺産分割協議書の作成だけを依頼したい場合
複数の金融機関で相続手続きをするために、遺産分割協議書の作成だけを依頼したい場合は、行政書士への依頼がおすすめです。
ただし、相続人間で遺産分割トラブルがなく、相続税申告や相続登記の義務がないことが前提です。
- 遺産分割協議書の作成だけを頼みたい
行政書士とは、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続き代理、遺言書等の権利義務、事実証明および契約書の作成等を行う士業者です。
相続においては、相続人や相続財産の調査や必要書類の収集、預貯金・有価証券・自動車の名義変更などの相続手続き代行が可能です。
業務内容には制限がありますが、弁護士・税理士・司法書士に依頼する場合より、低額な報酬で遺産分割協議書の作成を依頼できることが一般的です。行政書士にもよりますが、費用は3万円~5万円程度です。
詳しくは「行政書士に依頼できる11の相続手続と費用相場-状況に適した専門家の選び方」をご覧ください。
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ご希望のプランによりますが、基本サービス内に「遺産分割協議書の作成」が含まれています。
預貯金の解約や名義変更なども任せたいという方は、まずはお気軽にお問合せください。
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4-2.【司法書士】相続登記が必要な場合
司法書士に遺産分割協議書の作成を依頼した方が良いのは、相続登記(所有権移転登記)が必要な場合です。
相続財産に不動産が含まれる場合、相続等でその不動産を承継した人に名義変更をする「相続登記」が必要になります。
相続登記は、相続人が自分で手続きをするか、専門家である司法書士に依頼して申請手続きを代行してもらいます。
- 相続で取得した不動産があり相続登記が必要
相続登記をする際には、被相続人や相続人の戸籍謄本や登記簿謄本など、多数の必要書類の提出を求められます。
遺産分割協議により特定の相続人が不動産を取得することが決まったのであれば、遺産分割協議書の提出が必要となりますので、司法書士が業務の一環として作成をしてくれます。
詳しくは「相続の相談は司法書士にできる?業務の範囲、報酬の目安を解説」をご覧ください。
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チェスターの「相続登記プラン」では、基本サービス内に「相続不動産に係る遺産分割協議書の作成」が含まれています(相続不動産以外も記載する場合は加算あり)。
相続登記の申請義務がある方は、まずはお気軽にお問合せください。
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4-3.【税理士】相続税の申告義務がある場合
税理士に遺産分割協議書の作成を依頼した方が良いのは、相続税の申告義務がある場合です。
税務署に提出する相続税の申告書には、遺産分割協議書を添付する必要があるため、税理士に遺産分割協議書の作成を依頼できます。
また、遺産に不動産が含まれる場合、その不動産の相続税評価額を計算する必要がありますが、評価額の計算は難しいため、税理士に依頼するほうがベターです。
- 相続税の申告・納付義務がある
- 遺産に不動産が多く評価額を正しく求めたい
- 相続人の数が多く遺産分割の割合を細かく計算しなければならない
- 相続財産の金額も種類も多い
税理士は税金の計算や申告に関する専門家ですが、専門とする税務が法人税・所得税・相続税と異なります。
相続税に強い税理士であれば、どのように遺産分割をすれば、相続税の節税に繋がるのかなど、相続税対策のアドバイスもしてくれるのでおすすめです。
詳しくは「相続税に強い税理士の選び方」や「相続税申告の税理士報酬の相場は?誰が払う?目安・税理士選びのポイント」をご覧ください。
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チェスターの「相続税申告プラン」では、基本サービス内に「節税を考慮した遺産分割案のご提案」や「遺産分割協議書の作成」が含まれています。
相続税の申告義務がある方は、まずはお気軽にお問合せください。
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4-4.【弁護士】相続人間の遺産分割トラブルを解決したい場合
弁護士に遺産分割協議書の作成を依頼した方が良いのは、相続人間で遺産分割トラブルが生じている場合や、相続人の法的権利などをめぐる争いが生じている場合などです。
- 遺産の範囲や分割方法で意見が割れている
- 特別受益を得た法定相続人がいる場合
- 寄与分を主張する法定相続人がいる場合
- 特別寄与料を主張する親族がいる場合
- 相続人同士の関係性が複雑である場合
弁護士は、相続人同士の遺産分割トラブルなどの解決を目指して、相手方との交渉や、調停・審判の代理人への就任ができる士業です。
報酬を得る目的で(=業務として)法律事件に関して鑑定・代理・仲裁もしくは和解その他の法律事務を取り扱うことができるのは、弁護士だけです(弁護士法第72条)。
つまり弁護士であれば、遺産分割協議の成立から遺産分割協議書の作成まで、一括でまとめて依頼できます。
詳しくは「遺産相続の弁護士費用の相場!いつ誰が払う?払えない・トラブル時の対処法」をご覧ください。
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遺産分割交渉・調停・審判はもちろん、相続人調査や相続財産調査なども承ります。
すでに相続が発生されたお客様でしたら、初回相談が無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
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5.遺産分割協議書の作成は信託銀行や公証人にも依頼できる
あまり一般的ではありませんが、信託銀行や公証人にも遺産分割協議書の作成を依頼できます。
5-1.【信託銀行】資産運用や管理も依頼したい場合
信託銀行では、相続手続きの代行や相続財産の資産運用や管理を含めて、1つの窓口で遺産相続に関するあらゆるサポートを提供するサービスがあります。
一般的に「遺産整理業務」などと呼ばれており、遺産分割協議書の作成はもちろん、以下のような相続手続きを一括で担当してくれます。
- 相続財産の調査と確定
- 相続人の調査と確定
- 戸籍謄本等の必要書類の収集
- 金融機関の相続手続きの代行
- 資産運用や管理のアドバイス
ただし、信託銀行に遺産相続手続きを依頼する場合、100万円以上の費用が発生します。
さらに、遺産相続トラブルの対応や相続税の申告、不動産の相続登記などは、提携している弁護士・税理士・司法書士などの士業者が担当するため、別途料金が発生します。
専門家に依頼するよりもコストがかかりますが、資産の運用などをまとめて遺産相続に係るサポートを一括で依頼される場合は、信託銀行への依頼を検討しましょう。
5-2.【公証人】遺産分割協議書を公正証書で作成する場合
遺産分割協議書に法的効力を持たせたい場合は、公証人に遺産分割協議公正証書の作成を依頼しましょう。
遺産分割協議公正証書は、法律の実務に精通した公証人が証人2名の前で作成する公文書であるため、証明力が高くなるというメリットがあります。
相続人間の関係性が悪く、以下に該当する場合は、遺産分割協議公正証書の作成を検討しましょう。
- 相続人間で遺産分割トラブルに発展した場合
- 不動産を代償分割する場合
- 改ざんや変造の恐れがある場合
遺産分割協議公正証書の作成手数料は、遺産額によって異なりますが、公証人手数料として3万円~15万円程度かかります。
仮に弁護士に遺産分割協議公正証書の作成サポートを依頼する場合は、別途弁護士費用もかかります。
詳しくは「遺産分割協議書を公正証書で作成する方が良いケースとは」をご覧ください。
6.遺産分割協議書の作成を専門家に依頼したほうがよいケース
ここまで、遺産分割協議書の作成を依頼できる専門家について解説してきました。
しかし、ケースによっては「どの専門家に依頼すべきなのか」と悩まれることもあるかと思います。
正しい遺産分割協議書を作成し、トラブルを防止するために、その状況に適した専門家に依頼しましょう。
6-1.何代も名義変更がされていない放置状態の不動産がある
相続・売買などによって不動産の所有者が変更になっていても、長年その不動産の名義変更がされていないことがあります。
例えば、2世代前くらいから名義変更がされていない放置状態の不動産などは、相続を経て関係者増え、権利関係が非常に複雑になっていることがよくあります。
こういった不動産が相続財産に含まれている場合、面識がない親族もその不動産の権利を有している可能性もありますので、相続登記の専門家である司法書士や弁護士に相談をしましょう。
相続登記の義務化に伴い、何年も相続登記をしていない土地であっても、令和9年3月31日までには登記を申請しなくてはなりません。
しかし、令和7年3月31日までは「相続登記の登録免許税の免税措置」が設けられており、免税措置の適用期間中に、一定の要件を満たす土地の相続登記をすれば、登録免許税が免税されますので、必ず司法書士に相談をしましょう。
詳しくは「相続登記にかかる登録免許税とは?計算方法・免除措置・納付方法まで解説」をご覧ください。
6-2.相続財産が多額で財産の種類が多い
遺産分割協議を実施する前には、相続財産の調査をした上で財産目録を作成し、相続財産の価額がいくらなのかを確定しなければなりません。
資産が多いご家庭の場合は、不動産・株式・債券・ゴルフ会員権・貴金属など、多種多様な資産が遺産として残されていることが多く、相続税評価額を計算するだけでも大変な作業となります。
特に不動産の評価方法は難易度が高く、専門知識が必要です。相続財産に不動産が含まれている場合は、相続専門の税理士に依頼されるほうが安心です。
詳しくは「相続税評価額はいくらになる?土地、建物、株式の計算方法を解説」をご覧ください。
6-3.相続税の節税対策を行いたい
相続税申告は税理士に依頼をしますが、税理士にもそれぞれ専門としている分野があり、すべての税理士が相続税の実務に精通しているとは限りません。
相続税は金額が多額となることもあるため、申告書作成ノウハウの違いが、大きな税額の差になることもあります。
また、相続税には相続財産の種類や相続人の属性によって適用できる控除や特例があり、これらを適用することで相続税を圧縮することができるケースもあります。
控除や特例が適用することを考慮した遺産分割をしたいのであれば、やはり相続実務に精通した税理士に遺産分割協議書の作成も依頼すべきでしょう。
詳しくは「【相続税の節税事例】相続発生後でも節税はできる!」をご覧ください。
6-4.相続不動産を代償分割や換価分割する場合
相続財産の中心が不動産で、現預金が少ない場合などは、相続人間で均等に遺産分割することが難しくなります。
このような場合に、法定相続人で均等に遺産分割する方法として、「代償分割」や「換価分割」があります。
代償分割や換価分割をする場合、不動産の財産評価や、代償・換価の金額をどうするかといった問題が生じます。
また、相続税以外に贈与税や譲渡所得税も考慮しなければならないという問題もあり、高度なタックスプランニングが必要となるため、税理士に依頼するべきでしょう。
仮に相続トラブルに発展しそうな場合は、弁護士のサポートが必要になることも想定されます。遺産分割協議書の作成を、公証人に依頼した方が良いケースもあります。
6-5.被相続人に複雑な親族関係があった場合
相続人の範囲と順位は民法で定められていますので、これに従って相続人を確定することになります。
例えば、第一順位の法定相続人である「子」には、被相続人の実子のみならず、前妻との間の実子・養子・認知された嫡出子・再婚相手の連れ子(養子縁組していること)も含まれます。
さらには、認知されていない非嫡出子でも、その子が死後認知の訴えを起こして家庭裁判所に認められると、実子と共に第一順位の法定相続人になります。
被相続人に複雑な親族関係があると、遺産分割協議書がまとまりにくかったり、将来トラブルが生じる恐れが大きくなったりします。
スムーズに遺産分割協議を進めるためにも、専門家である弁護士に介在してもらうほうが無難でしょう。
詳しくは「実子とは?養子縁組とは?相続における実子と養子の違い【具体例】」をご覧ください。
6-6.兄弟姉妹が法定相続人になる場合
被相続人に子供がおらず、父母もすでに他界している場合は、第三順位の兄弟姉妹が法定相続人となります。
ご家庭にもよりますが、一般的に兄弟姉妹の間では、コミュニケーションが頻繁にはとられておらず、遺産分割協議がスムーズに進まないことがあります。
仮に配偶者と兄弟姉妹が法定相続人になる場合、面識がないもの同士で遺産分割協議をすることとなり、遺産相続トラブルに発展することもあります。
兄弟姉妹が係る遺産相続では、弁護士などの専門家が介在して遺産分割協議書をまとめたほうがよいでしょう。
7.遺産分割協議書を作成できる人は多い!適切な専門家に依頼を
遺産分割協議書を作成できる人は意外と多く、相続人が自分で作成することもできます。
ただし、自分で遺産分割協議書を作成するのは、相続財産が現金や預貯金のみで、相続人間にトラブルの可能性がないケースに限られるでしょう。
多くの場合、多少の費用を支払ってでも、以下の専門家に依頼するほうが安心です。
- 【行政書士】遺産分割協議書の作成だけを依頼したい
- 【司法書士】相続登記の義務がある
- 【税理士】相続税の申告・納付義務がある
- 【弁護士】相続人間で遺産分割トラブルが発生している
相続は、一生のうちに何度も遭遇するものではありません。専門家を活用して適切な対応を心がけ、後悔を残さないようにしましょう。
7-1.チェスターグループにご相談を
遺産分割協議の作成をご検討の方は、チェスターグループまでご相談ください。
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※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。
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