不動産所有権付リゾート会員権の評価
不動産所有権付リゾート会員権の評価
リゾート会員権がついた所有権は、マンション販売などで利用されます。
マンションの分譲にあたってリゾート施設の利用権もセットで販売するというものです。
これは、購入者にとってはリゾート地を使用できるというメリットがある一方で販売者にとってはリゾート地の利用価値も付加して分譲をすることができるなど双方にメリットがあります。
リゾート会員権がついた所有権はどのようにして評価されるのでしょうか。
不動産所有権付きリゾート会員権の評価
リゾート会員権の取引形式は会員権取引業者が仲介する形式や、仲介を介さずに直接取引する形式など様々です。
また、取引業者の仲介がある場合でも、業者によってその価格もおなじとは限りません。
そのため、取引価格を基にしていても、評価は別に考慮すべきであるという判断が根底に存在します。
そこで、取引相場のある不動産所有権付リゾート会員権の評価は、「取引相場のあるゴルフ会員権の評価」と同様に考慮し、課税時期の通常取引価格の70パーセントに相当する額で評価することとなっています。
なお、契約者の死亡によって契約を解除することができる場合には「契約解除する場合の精算金」に基づいた評価方法も考えられそうですが、精算金の価額も結局は取引価格に反映されますから、上記の評価方法によって評価することになります。
不動産所有権付きリゾート会員権の法的な注意点
リゾート会員権がついた不動産所有権については、リゾート施設が利用できないような場合にマンションの売買契約を解除することができるかという深刻な問題が生じます。
特に、バブル景気の頃には、多くのリゾート施設の利用権付きマンションが売買されたものの、バブル景気の終了と共にリゾート施設の閉鎖・建設ストップなどが相次ぎ、この場合に購入者がマンションの購入を解除することができるかが大きな問題となりました。
この点に関して、判例は、リゾート施設の利用権がマンションの売買契約と一体となっている場合には、リゾートを利用させる債務の不履行があるとして契約の解除ができることを認めています。
ただ、契約においてリゾート施設とマンションの利用が一体化しているか否かの判断は、高度な事実認定力が必要となります。
そのため、リゾート会員権付きの不動産所有権についてのトラブルが生じた場合には、高度な事実認定能力を身につけている、弁護士への相談が必要不可欠となります。
リゾート施設の利用権付き不動産所有権については、契約金額も莫大なものとなるのが通常ですので、施設が利用できない場合など様々な法的リスクを事前に知り、対応可能なものかどうかを考慮して購入することが重要です。
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