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【相続税路線価とは】国税庁路線価図の調べ方・見方・計算方法・減額補正について

【相続税路線価とは】国税庁路線価図の調べ方・見方・計算方法・減額補正について

相続税路線価とは、相続等で取得した土地の相続税評価額を計算する際の指標となる価額のことです。

1月1日時点の公示価格の8割程度に設定され、7月初旬に国税庁が最新年度の路線価を公表します。

相続税路線価図の調べ方や見方はシンプルですが、路線価を調べただけで正確な相続税評価額は計算できません

土地の形状による路線価の減額補正や、利用条件・法定制限などによる減額ができれば、土地の相続税評価額が数百万円単位で変わることもあります。

評価ミスをすると相続税の過大納付に直結しますので、土地の相続税評価額は相続税に強い税理士に計算してもらいましょう。

この記事の目次 [表示]

1.相続税路線価とは何か?わかりやすく解説

相続税路線価とは、相続・遺贈・贈与(以下、相続等)によって取得した、主に市街地にある土地の相続税評価額を計算する際に指標となる価額のことです

路線価図には、その道路に面した標準的な宅地1㎡あたりの、相続税評価額・借地権割合・地区区分などが記載されています。

相続税路線価と路線価図

出典:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を加工して作成

相続税路線価を基に、土地の相続税評価額を計算する方法を「路線価方式」と呼びます。

相続税路線価は「相続等が発生した年度」のものを使います。申告年度ではありませんので混同されないようご注意ください。

1-1.相続税路線価が公表されるタイミングに注意

相続税路線価は、毎年1月1日に公表される「公示価格(公示時価)」を基準として、その年の7月初旬に国税庁が「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で公表します

そのため、相続税路線価の発表前(1~6月中)に相続が発生した場合は、7月に最新年度の相続税路線価が公表されるのを待たなくてはなりません。

相続税路線価が公表されるタイミング

例えば、令和7年5月に相続が発生した場合、令和7年7月初旬に公表される相続税路線価を使って土地の相続税評価額を計算します。

仮に翌年の令和8年2月に相続税を申告するとしても、令和7年度の相続税路線価を使うこととなります。

2.土地は一物五価!相続税路線価・固定資産税路線価・公示価格の違い

土地の価格には、実勢価格(時価)・公示地価・基準地価・固定資産税路線価・相続税路線価の5種類があります

これらは「一物五価(いちぶつごか)」と呼ばれており、それぞれ利用目的・管轄・基準日・評価基準・評価水準などに違いがあります。

 実勢価格公示価格
(公示地価)
公示価格
(基準地価)
固定資産税路線価相続税路線価
利用目的土地売買土地売買土地売買固定資産税等の課税相続税等の課税
管轄当事者国土交通省都道府県市区町村国税庁
基準日その都度1月1日7月1日3年ごと1月1日
評価基準取引需要鑑定評価鑑定評価固定資産税路線価相続税路線価
評価水準需要で変動100%100%70%80%

公示価格とは「土地取引の目安」となる価格のことで、国土交通省が公表する「公示地価」と、都道府県が公表する「基準地価」の2種類があり、それぞれ基準日や公表日が異なります。

実勢価格は土地を売買する際の取引価格のことで、公示価格などを参考に当事者同士が決めるものですので、さまざまな要因によって変動します。

参考:路線価から実勢価格を算出する方法│調べ方・相続税の節税方法も解説

2-1.相続税路線価は公示価格の8割(固定資産税路線価は7割)

相続税路線価は公示価格の8割、固定資産税路線価は公示価格の7割を目安に算定されています。

そのため、概算の土地の相続税評価額であれば、以下の計算方法でも算出していただけます。

土地の相続税評価額(概算)
=固定資産税評価額÷70×80

固定資産税評価額が7,000万円の土地を相続した場合、相続税評価額は8,000万円(7,000万円÷70×80)と算出できます。

ただし、これはあくまで概算であり、実際の相続税評価額とは異なる可能性があるため注意が必要です。

自然災害や景気変動などの影響によって、「7月1日時点の基準地価」が「1月1日時点の公示地価」よりも大幅に下落していた場合は、相続税路線価の減額補正が行われます。

参考:【税理士監修】固定資産税評価額と路線価の違いは?価格の決定方法を解説

3.相続税路線価の調べ方は3種類ある

相続税路線価の調べ方は、主に以下の3種類あります。

相続税路線価の調べ方として最もポピュラーなのは、「①国税庁ホームページ」で確認する方法です

固定資産税路線価や公示価格も調べたい場合は「②全国地価マップ」を、過去の路線価を調べたい場合は「③税務署等」の利用がおすすめです。

3-1.調べ方①国税庁ホームページ

財産評価基準書 路線価図・評価倍率表

引用:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表

相続税路線価の1つ目の調べ方は、国税庁ホームページで確認する方法です

まずは国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」にアクセスをし、以下の流れで土地の路線価図を探してください。

国税庁ホームページでの調べ方

  • ①相続等が発生した「年度」を選択
  • ②「都道府県」を選択
  • ③「路線価図」を選択
  • ④「市区町村」を選択
  • ⑤「地名(町又は大字)」から「路線価図ページ番号」を選択

⑤で路線価図ページを選択する際、「地名(町又は大字)」によっては、路線価図ページ番号が複数表示されます。

「路線価図ページ番号」は住所や番地と紐づいていませんので、適当な番号を選択してください。

調べたい土地が見つからない場合は、画面の左側にある「接続図」から隣接する地域の路線価図を検索できるので試してみましょう。

3-2.調べ方②全国地価マップ

全国地価マップ

引用:一般財団法人 資産評価システム研究センター「全国地価マップ

相続税路線価の2つ目の調べ方は、一般財団法人資産評価システム研究センター「全国地価マップ」で確認する方法です

まずは「全国地価マップ」にアクセスし、以下の流れで土地の路線価図を探してください。

全国地価マップでの調べ方

  • ①「相続税路線価等(紫)」を選択
  • ②利用上の留意事項に同意する
  • ③「郵便番号」や「住所の一部」を入力
  • ④検索結果から該当する土地を選択
  • ⑤「該当年度」を選択

全国地価マップでは、市区町村か郵便番号を入力するだけで相続税路線価を確認できます。

ただし、相続税路線価が公表されてすぐの時期は、最新版が反映されていないこともある点には注意が必要です。

3-3.調べ方③最寄りの税務署等

相続税路線価の3つ目の調べ方は、最寄りの税務署等で確認する方法です

インターネットの閲覧が難しい方は、全国の国税局・国税事務所・税務署に行って路線価図を確認すると良いでしょう。

なお、国税庁ホームページに記載されていない過去の路線価を調べたい場合は、国立国会図書館「リサーチ・ナビ」を確認してください。

国立国会図書館では、昭和28年以降の相続税路線価が公開されています。

3-4.【コラム】相続税路線価がない地域は倍率方式で評価額を計算

路線価が設定されていない地域の土地は、路線価方式ではなく、倍率方式で相続税評価額を計算します

倍率方式とは、土地の固定資産税評価額に評価倍率を乗じて、相続税評価額を計算する方法のことです。

倍率方式が適用されるのは、主に市街地から離れた郊外や農村部にある、宅地・農地・山林などです。

土地の相続税評価額(倍率方式)
=固定資産税評価額×評価倍率

固定資産税評価額は、毎年1月1日時点で土地の所有者である人に送付される「固定資産税課税明細書」や、土地の所在地の自治体で取得できる「固定資産評価証明書」などで確認できます。

評価倍率は、国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」でご確認いただけます。

参考:倍率地域の相続税はいくら?倍率表の見方・評価の計算方法を解説

4.相続税路線価図の見方!数字・アルファベット・図形の意味

相続税路線価を調べたら、次は路線価図の見方を確認しましょう

以下は、国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」に記載された路線価図を、一部抜粋したイラストです。

路線価図の見方

出典:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を加工して作成

路線価図で確認していただきたいのが、土地に面した道路に記載された「数字・アルファベット・図形」の3つです。意味を確認していきましょう。

4-1.数字:1㎡あたりの土地の価格(千円単位)

相続税路線価図に記載された数字は、道路に接する1㎡あたりの土地の価格(千円単位)です

例えば、土地が接している道路に「265 D」と記載されていれば、その道路に接する土地の価格は26万5,000円(㎡)です。

相続税路線価図に記載された数字と土地の価格

出典:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を加工して作成

なお、土地が2つの道路に接している場合は、路線価が高い方の道路を「正面路線」とし、路線価が低い方の道路を「側方路線」や「裏面路線」とします。

接道状況が普通の土地よりも良いため、側方路線影響加算や二方路線影響加算による路線価の補正が必要となります。

4-2.アルファベット:借地権割合(A~G)

相続税路線価に記載されたA~Gのアルファベットは、その道路に接する土地の借地権割合を示しています

借地権割合とは、土地の権利のうち「土地を借りている人(借地人)」が有する権利の割合のことで、A(90%)・B(80%)・C(70%)・D(60%)・E(50%)・F(40%)・G(30%)と定められています。

相続税路線価に記載されたアルファベットと借地権割合

出典:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を加工して作成

例えば、路線価図に「←255D→」と記載されていれば、その道路に接する土地の借地権割合は「D(60%)」が採用されます

借地権割合は地域によって異なりますが、東京都心部では「B(80%)」や「C(70%)」、東京郊外や地方では「D(60%)」になることが多いです。

参考:借地権割合とは?調べ方・相続税評価の計算方法をわかりやすく解説

4-3.図形:土地の地区区分

相続税路線価に記載された図形(四角形や六角形など)は、その土地の地区区分を示しています

地区区分は7種類あり、土地がどの地区区分に該当するのかで、路線価補正時に適用される画地補正率が異なります。

相続税路線価に記載された図形と土地の区分

出典:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を加工して作成

例えば、路線価図に「←250D→」と記載されていれば、その道路に接する土地の地区区分は「普通住宅地区」となります

なお、図形に入っている色や斜線は、借地権割合の適用範囲を意味しています。

色付けされている場合はその方角の道路沿いのみが適用、斜線が入っている場合はその方角には適用されないことを示しています。色付けなしの場合は「全地域対象」と読み解きます。

5.【路線価方式】土地の相続税評価額の計算方法

相続税路線価を用いた、土地の相続税評価額の計算方法は以下の通りです。

土地の相続税評価額(路線価方式)
=(相続税路線価×画地補正率)×地積(㎡)

例えば、100㎡の土地があり、相続税路線価図に「←250D→」と記載されていたとします。

1㎡あたりの土地の価格は25万円、借地権割合はD(60%)、地区区分は普通住宅地区(←→)となります。

この場合、概算の土地の相続税評価額は2,500万円(相続税路線価25万円×地積100㎡)と計算できます。

5-1.路線価だけで評価額は計算できない!評価減できるかが本質

概算の土地の相続税評価額であれば、相続税路線価×地積で計算していただけますが、これは「真四角の土地」を「自用地(自分で使う)」とした場合です。

土地の形状によっては路線価の減額補正ができますし、土地の利用状況によっては評価額を減額できます

  • 土地の形状…「画地調整率」を乗じて路線価を減額補正
  • 土地の利用状況…「借地権割合」などを適用して評価額を減額

相続税路線価を調べるだけでは、適正な相続税評価額は計算できないということは、覚えておきましょう。

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土地の減額要素は専門性が高く、税理士が10人いれば10通りの土地の相続税評価額が出るとも言われています。
土地の相続税評価額の計算で重要なのは、土地の減額要素をどれだけ見つけられるかです。
相続税に強い税理士であれば、土地の減額要素を適用させた正確な相続税評価額を計算できます。必ず相続税に強い税理士に相談をしましょう。

>>【相続税専門】税理士法人チェスター

6.相続税路線価を減額補正できる!代表的な画地補正率【5種類】

相続税路線価で土地の相続税評価額を計算する際には、土地の形状に応じて「画地補正率」を適用させましょう。

以下は路線価の減額補正に繋がる画地補正率で、適用要件を満たす土地であれば複数併用も可能です。

画地補正率を乗ずることで路線価を減額補正できれば、土地の相続税評価額が減額され、結果として評価額が数百万円単位で変わることも多々あります

この章では、土地の形状によって評価額の計算式に算入できる、減額補正や補正率について解説します。

参考:国税庁「財産評価基本通達 付表1 奥行価格補正率表

6-1.奥行価格補正(奥行きが長いor短い土地)

奥行価格補正とは、取得した土地が標準的な宅地に比べて、奥行きが「長い」もしくは「短い」場合に行う補正のことです

奥行価格補正率は以下の通りで、「地区区分」と「奥行距離」によって補正率が変動します。

奥行価格補正(奥行きが長いor短い土地)

例えば、地区区分が「普通住宅地区(←→)」にある宅地の場合、奥行きが「10m未満」もしくは「24m以上」であれば奥行価格補正率を適用できます。

参考:【奥行価格補正率とは】土地評価額の計算方法等をプロが解説

6-2.不整形地補正(形がいびつで利用しづらい土地)

不整形地補正とは、取得した土地が台形・三角形・旗竿地など、形がいびつで利用しづらい土地である場合に適用できる補正のことです

不整形地補正率は以下の通りで、「地区区分」のみならず、「地積区分」や「がけ地割合」を算出して補正率を確認することとなります。

不整形地補正(形がいびつで利用しづらい土地)

土地が四角い形状であっても、道路に斜めに接している場合は、不整形地補正が行われます。

参考:不整形地補正率の計算方法(求め方)と相続の際の注意点

6-3.間口狭小補正(間口が狭い土地)

間口狭小補正とは、取得した土地の道路に接している間口(幅)が狭い場合に適用できる減額補正のことです

間口狭小補正率は以下の通りで、「地区区分」と「間口距離」に応じて補正率が変動します。

間口狭小補正(間口が狭い土地)

例えば、地区区分が「普通住宅地区」である宅地の場合、間口が「8m未満」であれば間口狭小補正率を適用できます。

参考:間口が狭小な宅地等の相続税評価

6-4.奥行長大補正(奥行が間口の2倍以上ある土地)

奥行長大補正とは、取得した土地の間口距離に対して、奥行距離が長すぎる場合に適用できる補正のことです

奥行長大補正率は以下の通りで、「地区区分」と「奥行距離/間口距離の割合」によって補正率が変動します。

奥行長大補正(奥行が間口の2倍以上ある土地)

例えば、地区区分が「普通住宅地区」である宅地の場合、奥行距離が間口距離の「2倍以上」であれば奥行長大補正率を適用できます。

参考:奥行長大とは

6-5.がけ地補正(30度以上の急斜面がある土地)

がけ地補正とは、角度が30度以上の急傾斜地・法面(のりめん)がある土地に適用される補正のことです

がけ地補正率は以下の通りで、「がけ地の割合(がけ地地積/総地積)」と「がけ地の方位」によって補正率が変動します。

がけ地補正(30度以上の急斜面がある土地)

がけ地補正率を適用できるのは、山や斜面を切り開いて宅地開発された土地などです。

路線価を見ただけでは判断が難しい減額ポイントですので、うっかり見逃さないよう注意が必要です。

参考:【がけ地補正】がけ地を有する宅地の相続税評価方法を解説

6-6.【コラム】2つ以上の道路に接していれば評価額は加算

土地の形状によって画地補正率を乗じれば、路線価を減額補正できます。

しかし、土地が2つ以上の道路に接している場合は、路線価の加算補正をしなくてはなりません。

2つ以上の道路に接している場合の路線価

路線価(奥行価格補正率を乗じた後)が高い方を「正面路線」とし、路線価(奥行価格補正率を乗じた後)が低い方の道路(側方路線)に「側方路線影響加算率」や「二方路線影響加算率」をかけた数値を正面路線の路線価に加えます。

具体的な計算方法は、以下ページをご覧ください。

参考:側方路線、二方路線の影響加算率の調整

7.土地の利用状況や法廷制限でも相続税評価額が減額される

これまで解説してきた路線価方式による土地の相続税評価額は、すべて「自用地」のものです。

しかし、土地の利用状況や法的制限があるため、路線価を使った土地の相続税評価額の計算方法(計算式)が変わります

これらの土地は「自用地評価額」をもとに相続税評価額を計算しますが、さまざまな減額要素があるため、大幅に評価額を下げることができます。

7-1.他人に貸している土地(貸宅地)

貸宅地とは、土地の所有者が他人に土地を貸し、その土地の借主が建物(自宅や店舗など)を建てて所有している土地のことです

人に貸している土地は、権利の一部を借地権者が持っており、土地の所有者による利用や処分などが制限されます。

そのため、相続税評価額を計算する際には、自用地評価額から借地権割合分を差し引くことができるため、自用地としての評価額よりも低くなります。

〇貸宅地の評価方法
自用地の評価額×(1-借地権割合)=貸宅地の評価額

借地権割合は、路線価図に記載されているアルファベットや図形から読み解くこととなります。

参考:貸宅地の相続税評価

7-2.賃貸不動産がある土地(貸家建付地)

貸家建付地とは、土地の所有者が自身の土地の上に賃貸不動産(マンションやアパートなど)を建設し、その建物を貸家として提供している土地のことです

貸家建付地の場合、評価額は以下の計算式を用いて算出します。

〇貸家建付地の評価方法
自用地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

自用地の評価額とは、各種画地補正率を乗じて路線価補正をした後に計算される、土地の相続税評価額のことです。

貸家権割合とは、建物の価値のうち借家人(マンションやアパートなどを借りている人)が持つ割合のことで、全国一律30%と定められています。

賃貸割合は相続開始時に「賃貸」として貸し出されている部分の割合のことで、課税時期の「賃貸されている専有部分の床面積÷家屋の専有部分の床面積の合計」で計算します。

参考:貸家建付地の相続税評価とは?計算方法と併用できる特例を解説

7-3.人から借りている土地(借地権)

借地権とは、他人から借りている土地に、建物を建てられる権利のことを指します。

相続した土地の借地権が「普通借地権」であれば、自用地の評価額に借地権割合を乗じて計算します。

〇借地権の評価方法
自用地の評価額×借地権割合

借地権には、他にも一般定期借地権や事業用定期借地権などの種類があり、借地権の種類によって評価方法が異なります。

借地権の評価方法については、以下ページをご覧ください。

参考:借地権を相続したら押さえておくべき基礎知識とポイント

7-4.セットバックが必要な土地

セットバックが必要な土地とは、いわゆる「2項道路(建築基準法第42条2項)」に該当する、建物を建て替えるときに土地を後退させる必要がある土地のことです。

現状は建物が突起している状態であっても、将来的にはセットバック部分の敷地は道路として使用することになるため、セットバックを要さない宅地の評価額から減額できます。

〇セットバックを必要とする宅地の評価方法
自用地の評価額-(セットバックの対象面積÷評価対象地の総面積×70%)

道路が2項道路に指定されているかどうかは、市役所等の建築指導課で確認できます。

なお、2項道路に指定されていても、すでにセットバック済みの場合は減額できませんのでご注意ください。

参考:【プロが解説】セットバックが必要な土地の相続税評価方法や考え方

7-5.利用価値が著しく低下している宅地

利用価値が著しく低下している宅地とは、著しく高低差のある宅地(道路より高いまたは低い位置にある宅地)や、騒音が大きい土地などのことです

一般的な宅地よりも利用価値が下がるため、自用地の評価額から10%減額が可能です。

〇利用価値が著しく低下している宅地の評価方法
自用地の評価額-10%

利用価値が著しく低下しているか否かの判断は専門性が高く、個別事情が強いため慎重に調査及び検討を重ねる必要があります。詳しくは以下ページをあわせてご覧ください。

参考:利用価値が著しく低下している宅地の評価

8.同じ路線価の土地でも税理士によって相続税評価額が変わる

路線価方式による土地の評価方法では、税理士によって評価額に大きな差が出ますので、必ず相続税に強い税理士に相談をしましょう。

相続税に強い税理士であれば、以下のような専門的な知識や経験から、さまざまな評価減要素を見つけることができます。

相続税に強い税理士なら…

  • 入念な現地調査を行う
  • 不動産鑑定士と連携して情報収集
  • 近隣売買事例を収集できる
  • 国税庁通達の正しい解釈ができる

土地の評価額の減額要素を見落とすと、土地の相続税評価額が過大になり、結果として相続税を多く納付するリスクも伴います

この章では、税理士法人チェスターの実例を元に、どれだけ土地の評価額の減額ができるのか…を確認していきましょう。

参考:【相続税の節税事例】相続発生後でも節税はできる!

8-1.【チェスター事例①】画地補正率の併用で評価額が413万円減額

土地の面積は300㎡で路線価は「←200D→」、概算の相続税評価額は6,000万円でした。

しかし、土地の現地調査をしてみると、「間口10m」に対して「奥行き30m」という、非常に細長い形状の土地であることが判明しました。

地区区分は普通住宅地区でしたので、奥行価格補正率0.97と奥行長大補正率0.96による、路線価の減額補正を行いました。

評価額の計算式は【(路線価20万円×0.97×0.96)×地積300㎡】となり、土地の相続税評価額は5,587万円、結果として約413万円の減額に成功しました。

8-2.【チェスター事例②】セットバックが必要な土地で評価額が350万円減額

対象となる土地の面積は100㎡で路線価は「←500D→」、概算の土地の相続税評価額は5,000万円でした。

しかし、現地調査をしたところ、前面道路の幅が4m未満で、建物を建築する際にはセットバック(10㎡)が必要でした。

セットバックが必要な土地では、後退部分について「通常評価額の70%を控除(=30%評価)」できます。

結果として、セットバック部分で約350万円の評価減が可能となり、土地の相続税評価額は4,650万円に減額されました。

8-3.【チェスター事例③】小規模宅地等の特例で評価額が5,600万円減額

対象となる土地の面積は200㎡で路線価は「←350C→」、概算の土地の相続税評価額は7,000万円でした。

土地が真四角に近い形状であったため画地補正率は適用できず、自用地であるため減額要素もありません。

しかし、お客様の話を伺っていると、被相続人と相続人家族が二世帯住宅で同居していることが判明しました。

特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例を満たすことができたため、上限330㎡まで80%減額が可能となりました。

結果として、土地全体に80%の減額が適用されて5,600万円の評価減となり、土地の相続税評価額は1,400万円となりました。

参考:【小規模宅地等の特例】相続税評価額を最大80%減額!適用要件・計算方法を解説

9.相続税路線価のよくある質問

路線価の仕組みや相続税への影響について、よくいただくご質問をQ&A形式でまとめました。

Q1.路線価は毎年いつ発表されますか?

A.毎年7月1日に国税庁が公表します。対象は同年1月1日時点の価格であり、その年の相続・贈与税の申告に適用されます。公表後は国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」でインターネット検索が可能です。

Q2.路線価は誰が決めていますか?

A.  国税庁が決定・公表しています。全国の税務署が地価公示価格や不動産鑑定士の鑑定評価などを参考に算定し、地価公示価格の概ね80%水準を目安として設定されています。

Q3.路線価と固定資産税評価額はどちらが高いですか?

A. 一般的に路線価の方が高くなります。路線価は地価公示価格の約80%、固定資産税評価額は約70%を目安に設定されているため、同じ土地でも路線価の方が高い水準になるケースがほとんどです。ただし地域や土地の特性によって異なる場合もあります。

Q4.路線価は売却価格と同じですか?

A. 異なります。路線価は相続税・贈与税の申告のために国税庁が定めた税務上の評価基準であり、実際の市場での売買価格(実勢価格)とは別物です。実勢価格は需要と供給・立地条件・市況などによって変動するため、路線価より高くなることも低くなることもあります。売却価格の目安を知りたい場合は、不動産会社への査定依頼をお勧めします。

10.相続税路線価による土地の評価は相続税に強い税理士に相談

相続税路線価による土地の相続税評価額の計算方法は、路線価を調べるだけでは不十分です。

路線価を知るのはあくまで出発点であり、評価額をどれだけ減額できるかが本質です。

しかし、税理士にも専門分野があるため、税理士であれば誰もが土地の減額要素を見つけられる訳ではありません。

正しい土地の相続税評価額を知るためには、相続税専門の税理士に依頼することが重要です。

10-1.税理士法人チェスターにご相談を

税理士法人チェスターは、年間3,000件超えの相続税申告実績を誇る、相続税専門の税理士事務所です

土地の相続税評価額を計算する際には、評価額が1円でも低くなるよう、現地調査などからさまざまな減額ポイントを検討させていただきます。

さらに大幅節税に繋がる小規模宅地等の特例の適用判定や、二次相続を見据えたアドバイスもさせていただきます。

すでに相続が発生しているお客様でしたら、初回面談が無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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