山林の相続│手続きと注意点~不要な場合の対処法も解説!

山林を相続した場合、相続登記や自治体への届出が必要です。管理の手間や税負担を考慮し、相続放棄や売却も検討できます。この記事では、相続専門の税理士が、山林相続の手続きや不要な場合の対処法を解説します。
この記事の目次 [表示]
- 1 1.なぜ山林は「普通の不動産」と違うのか
- 2 2.山林の相続:その手続きと期限
- 3 3.山林相続のメリットとデメリット
- 4 4.「いらない山林」の対処法と注意点
- 5 5.山林の相続税評価額の計算方法
- 6 6.山林相続で困ったら専門家に相談
- 7 7.まとめ
1.なぜ山林は「普通の不動産」と違うのか
山林は、一般的な不動産とは異なり、相続手続き、評価、活用の面で特殊な課題があります。この章では、あなたが山林相続について抱く不安を解消するため、その特有の事情と、相続人が抱きがちな具体的な不安について解説します。
1-1.山林相続で抱きがちな不安
山林は、一般的な土地や建物といった不動産の相続とは異なる特殊な側面を持つため、「手続きが複雑そう」「利用価値がなさそう」といった不安を感じるのは当然のことです。特に以下のような不安を抱く方が多くいらっしゃいます。
- 「有効活用可能な場所なのか?売却できるのか?」:
開発や利用の制限が多く、買い手が見つかりにくいのではないかという不安。 - 「固定資産税や相続税などの税金が高いのではないか?」:
評価方法が特殊であることによる税負担への懸念。 - 「管理が大変で手間がかかるのではないか?」:
遠方にある場合の維持管理や、境界確定の手間に対する懸念。
山林の相続が特殊である背景には、その評価の難しさや複雑な法規制が関係しています。続いて、その特殊な理由を具体的に見ていきましょう。
1-2.山林の相続が「特殊」である理由
では、なぜ山林相続はここまで不安が生まれやすいのでしょうか。山林は、一般的な宅地と異なり、相続時の専門的な判断が特に重要になります。その背景には、以下のような管理の手間や税負担が、相続後の課題として残りやすいためです。
- 評価が難しい:
路線価が定められていない地域が多く、財産評価には専門的な知識が必要になります。 - 市場が限定的:
主な買い手が林業関係者などに限定されるため、売買市場が限定的です。換金が容易ではない場合があります。 - 法規制が複雑:
森林法などの法規制が関わるため、その利用や開発には制限が生じます。
山林を相続する際は、相続後の維持・管理も含め、その価値と将来の負担について慎重に検討することが不可欠です。
1-3.山林の相続:税理士からの指針
こうした不安や特殊性を踏まえると、山林相続では「どのような手続きが必要か」「相続した後にどのような負担が発生するか」を正しく把握することが不可欠です。
そこで次章では、相続発生直後に期限付きで行うべき手続きや、山林特有の届出義務など、具体的な実務のステップを解説していきます。
2.山林の相続:その手続きと期限
山林を相続した場合、専門的で特殊な評価や管理が伴うため、一般的な不動産以上に迅速かつ正確な手続きが求められます。
特に、2024年4月1日から義務化された相続登記には、その代替手段として相続人申告登記も導入されており、必ず守るべき期限と提出すべき書類が存在します。
2-1.相続登記の義務化と「相続人申告登記」の活用(3年以内)
不動産を相続した場合、その名義を被相続人から相続人へ変更する「相続登記」(所有権移転登記)が必須となります。これは山林も例外ではありません。

2-1-1.相続登記の義務化と期限
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に、法務局に登記の申請をしなければなりません。
2-1-2.相続登記の費用と必要書類
相続登記にかかる主な費用は、登録免許税(固定資産評価額の0.4%)と、専門家に依頼する場合の司法書士報酬です。山林は一般的に評価額が低いため、宅地と比べて登録免許税が安くなる傾向があります。
また、法務局への申請には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本、固定資産評価証明書に加え、登記申請書など多くの公的書類と作成書類が必要となります。これらの書類は取得に時間と手間がかかるため、早めの準備が不可欠です。
2-1-3.相続人申告登記(相続登記の代替手段)
遺産分割協議が長引き、期限内に正式な相続登記(権利確定の登記)が困難な場合の代替手続きです。自分が相続人であることの申出を法務局に行い、ひとまず登記義務を履行したとみなされます。これにより、過料を避けることができます。
2-2.市区町村への所有者届出(90日以内)
山林を相続した場合、法務局での相続登記とは別に、原則として自治体への届出が必要です。
2-2-1.届出の義務
相続で山林の所有者となった場合、90日以内にその山林の所在する市区町村役場へ「森林の土地の所有者届出書」を提出する義務があります。
期限を過ぎても届出は受理されますが、10万円以下の過料が科される可能性があるため、登記や遺産分割を待たずに速やかに届出を行ってください。
2-2-2.届出先
山林が所在する市区町村役場の林業担当課(または林務課・農林課など)です。
引用:林野庁「森林の土地を取得したときは届出が必要です〜森林の土地の所有者届出制度の概要〜」
2-2-3.必要書類
森林の所有者届出書、登記事項証明書等の所有権を取得したことがわかる書類の写しが必要になります。
2-3.森林簿の確認方法と活用
相続した山林がどのような状態にあるのか、正確な情報を把握することは、後の管理や売却の判断において極めて重要です。
2-3-1.森林簿
森林の所在地、面積、樹種、林齢(樹木の年齢)、材積(木材の量)などが記載された行政の台帳です。
2-3-2.森林簿の確認方法と活用
山林が所在する市区町村役場または都道府県の林務担当部署に請求することで、閲覧・交付を受けられます。この情報を基に、山林の現状を把握し、将来的な伐採計画や管理計画を立てる際の基礎情報として活用できます。
森林簿は、相続関係を証明する戸籍謄本などを用意したうえで、相続人として申請すれば交付を受けることができます。また、自治体によっては、所有者情報(個人情報)を除いた森林簿がインターネット上で公開されている場合がありますので、自治体の窓口を訪問する前に確認してみましょう。
2-3-3.いつまでに森林簿を確認すべきか
相続した山林の状態を把握し、経済的価値や管理負担を判断するために不可欠な森林簿の確認は、山林を相続放棄・売却するかどうかの検討材料となります。そのため、森林簿の確認は遅くとも遺産分割協議を始める前、できれば相続手続きの初期段階で速やかに行うべきです。
2-4.相続放棄や限定承認の期限(3ヶ月以内)
山林の相続は、管理コストや固定資産税などの負担、あるいは境界不明による係争リスクといったマイナス面を伴う可能性があります。
2-4-1.相続放棄や限定承認の期限
相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が亡くなった日)から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述しなければなりません。

2-4-2.相続放棄
相続放棄とは、被相続人の財産に対する権利と義務をすべて放棄することです。山林だけでなく、預金やその他のプラスの財産も一切相続できません。
参考:【相続放棄とは】費用・流れ・注意点をわかりやすく解説!
2-4-3.限定承認
限定承認とは、相続したプラスの財産の範囲内でのみ、マイナスの財産を引き継ぐことです。山林の価値を超える負債を抱えるリスクを回避できます。限定承認には相続人全員の合意が必要です。
以上のように、山林相続では様々な手続きに期限が設けられています。これらの期限を守るとともに、次章で解説する「山林を保有するメリットとデメリット」を十分に検討した上で、最終的な相続の意思決定を行うことが重要です。
3.山林相続のメリットとデメリット
山林の相続は、単に資産を受け継ぐだけでなく、将来的な収益の可能性や、管理・税負担といった義務も伴います。相続を決断する前に、メリットとデメリットを冷静に比較検討することが重要です。
3-1.山林相続のメリット
山林の相続は、一見すると手間がかかるように見えますが、適切な管理や活用を行うことで、以下のようなメリットを享受できる可能性があります。
3-1-1.長期的な収益化の可能性
- 木材の収穫(立木販売):
植林された山林の場合、将来的に木材を伐採・販売することでまとまった収益を得られる可能性があります。 - 山菜や特産品の活用:
観光やレジャー、山菜などの特産品を活用したビジネスに展開できる可能性もあります。
3-1-2.特定の税制優遇(相続税の納税猶予)
林業経営を行う相続人が、一定の要件を満たす山林を相続した場合、その山林にかかる相続税の納税が猶予される特例があります。この特例を適用することで、相続発生時の納税負担を大幅に軽減できる可能性があります。
詳しくは「5-4.相続税の納税猶予・免除の特例の概要」でも解説します。
3-2.山林相続のデメリット
都市近郊で生活を営む相続人の場合、山林を相続することのメリットよりもデメリットの方が大きくなる可能性があります。
山林相続における最大の課題は、管理にかかる手間とコスト、そして流動性の低さです。
3-2-1.固定資産税の負担
相続した山林には、毎年固定資産税が課税されます。収益が発生していなくても、この税負担は継続します。山林に対する課税は大きくないことが一般的ですが、負担がゼロになるわけではありません。
3-2-2.流動性の低さ(売却の難しさ)
山林は買い手を見つけるのが難しく、希望の価格で売却できないケースが多くあります。不動産市場が限定的であるため、現金化に時間がかかる、または売却自体が困難な場合があります。
3-2-3.高い管理負担と境界不明によるリスク
3-2-3-1.管理負担
樹木の整備、獣害対策、病害虫の防除など、定期的な手入れが必要です。特に遠方にある場合、移動コストや労力が大きな負担となります。
【対策】
お住まいの地域または山林所在地の森林組合に管理を委託することで、日常の維持管理業務を代行してもらえます。年数回の巡回等の基本的な管理のみの場合、委託費用は1ヘクタールあたり年間5,000円~15,000円程度とされていますが、一部伐採や雑木の除去等を行う場合には、数万円~数十万円の別途費用が発生します。
3-2-3-2.境界不明によるリスク
登記簿上の地積と実際の境界が一致しないケースや、隣接地の所有者との間で境界トラブルが発生するリスクがあります。
【対策】
森林簿や森林計画図(いずれも自治体の林務担当部署で入手可能です)を活用することで、事前に境界の確認ができる可能性があります。森林計画図とは、森林の位置や形状を示した地図のことで、その山林の場所や周辺状況を把握することができます。
3-3.山林を相続すべきか否かの判断基準
これまでに挙げたメリットとデメリットを比較検討し、実際に山林を相続すべきか、あるいは手放すべきかを判断するための基準を整理すると、以下の表のようになります。
| 相続した方がいい場合 | 相続しないほうがいい場合(相続放棄・売却などを検討) |
|---|---|
| 林業経営への意欲がある: 納税猶予の特例を適用し、継続的に林業を営む意思がある場合。 | 管理能力・意欲がない: 山林が遠方で管理が困難、または管理コストに見合う収益を期待できない場合。 |
| 土地利用の予定がある: 将来的にキャンプ場や太陽光発電用地など、別の用途で活用する計画がある場合。 | 負の遺産となるリスクが高い: 山林の固定資産税、管理コスト、売却費用の総額が、将来的な収益を上回る可能性が高い場合。 |
| 境界が明確で係争リスクがない: 事前に境界がはっきりしており、近隣住民とのトラブルの懸念がない場合。 | 保安林などに指定されている: 利用や伐採に厳しい制限がかかり、収益化の見込みが極めて低い場合。 |
ここまでの検討の結果、所有のメリットが見込めない場合、あるいは管理負担が大きすぎる場合は、山林を「負の遺産」としないための対策を講じる必要があります。その対策として、山林の所有権を手放すことが挙げられます。
次章では、「いらない山林」を相続しない・手放すための具体的な対処法と、それぞれに伴う注意点を解説します。
4.「いらない山林」の対処法と注意点
管理の手間や税負担、売却の難しさから、「山林は相続したくない」と考える方も少なくありません。ここでは、相続しない(手放す)ための選択肢と、それぞれの注意点について解説します。
4-1.相続放棄(他の財産もすべて放棄する点に注意)
最も直接的に山林の相続を拒否する方法が「相続放棄」です。
4-1-1.手続きの概要と注意点
相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述をすることで、初めから相続人ではなかったことになります。
ただし、相続放棄を行うと、山林だけでなく、預貯金や不動産など、被相続人のすべての財産に対する権利と義務を放棄することになります。特定の財産(山林のみ)を選んで放棄することはできません。
4-1-2.相続放棄後の保存義務
相続放棄が受理されても、すぐに管理責任がなくなるわけではありません。次に山林を相続する者(次順位の相続人)が管理を始めることができるようになるまでは、放棄した者が、自分の財産と同じ注意をもってその山林を管理(保存)する民法上の義務(民法940条:相続の放棄をした者による管理)が残ります。
誰も山林を相続しない(相続人全員が放棄した)結果、その山林が放置され、近隣に被害を与えるような土砂崩れや倒木のリスクがある場合、管理責任が残る可能性があります。最終的に相続人がいなくなった場合は、相続財産管理人を選任するなどして管理を引き継ぐ必要があります。
参考:相続財産清算人(相続財産管理人)とは│役割・選任の流れ・費用
4-2.他の相続人への分割・調整(遺産分割協議)
相続人全員が山林の存在を認識しているものの、特定の相続人だけが山林の管理や利用を希望している場合は、「遺産分割協議」でその山林の帰属先を定めることができます。
遺産分割協議において、山林を「〇〇(相続人)が単独で取得する」と定めることで、他の相続人は山林の管理義務や税負担から解放されます。
山林は収益性が低く管理負担が大きいことから、相続人間で管理責任や将来の維持費用を巡って意見が対立する可能性があります。協議を円滑にまとめるためには、相続人間で山林の管理の難しさを共有し、将来的な負担を考慮して話し合いを進めていくことが重要です。
4-3.売却・寄付の検討
山林を相続したものの、利用予定がなく、管理負担を避けたい場合は、売却や寄付による処分を検討します。ただし、山林は宅地のように流動性が高くなく、特に面積が小さかったり、アクセスが悪かったりする山林は、買い手や引き取り手を見つけることが非常に難しいという現実があります。
4-3-1.売却の選択肢
4-3-1-1.不動産業者(山林特化)への相談
一般の不動産業者では山林の取引に専門性がなく、積極的に取り扱わないケースも多いため、山林取引に特化した業者を探す必要があります。
4-3-1-2.森林組合の活用
地域の森林組合は、山林の専門家であり、売買に関する情報を持っている場合があります。組合が売買の仲介をしてくれるケースや、稀ではありますが、事業に必要な山林を組合自体が購入する可能性もゼロではありません。
4-3-2.寄付の検討
国や地方自治体への寄付を検討することも可能です。しかしながら、自治体も限られた予算内で管理負担を負うことを嫌うため、境界が不明確な山林や、保全価値が低い山林は受け入れを拒否されることがほとんどです。
4-4.相続土地国庫帰属制度の活用
相続された山林や原野などの土地について、その管理の負担やコストが懸念される方もいらっしゃるかもしれません。特に利用価値が低く、将来の売却も難しい土地は、相続人にとって「負動産」となってしまうケースがあります。このような場合に検討できるのが、「相続土地国庫帰属制度」です。
4-4-1.相続土地国庫帰属制度とは?
この制度は、相続または遺贈によって取得した土地について、一定の要件を満たす場合に、国にその所有権を帰属させる(引き取ってもらう)ことができる制度です。所有者不明土地の発生を予防し、土地の適切な管理を促進することを目的に、令和5年4月27日から施行されています。
4-4-2.山林が対象となる場合の留意点
山林や原野など、評価の難しい土地を相続される方向けに、この制度を利用する際の留意点を挙げます。
4-4-2-1.却下事由に該当しないか確認
相続土地国庫帰属制度において、国が土地の引き取りを認めない「却下事由」が法律で定められています。山林の場合、特に崖や斜面が多く管理が難しい土地、通路や墓地など他者の利用が予定される土地、および抵当権や地上権などの担保権が設定されている土地は、却下される可能性が高くなります。
4-4-2-2.承認審査と負担金
相続土地国庫帰属制度を利用するためには、法務大臣による承認審査を受ける必要があります。申請時に法務局へ審査手数料を納めることに加え、承認を受けた場合には、山林などの土地の種目や面積に応じて算定された10年分の土地管理費相当額の負担金を納付しなければなりません。
ここまで、不要な山林を手放す方法を確認してきましたが、そもそも山林を相続するかどうか、あるいは売却・寄付・国庫帰属といった処分を検討する上で、その山林が持つ「価値」を把握することは不可欠です。
次章では、相続発生時に重要となる、山林の相続税評価額の計算方法と評価基準について解説します。
5.山林の相続税評価額の計算方法
不動産の評価は一般的に複雑ですが、山林は宅地やビルなどの不動産とは評価の観点が大きく異なり、その計算には山林特有の評価基準を理解する必要があります。山林を相続するかどうかの判断基準とするため、そして相続税を適正に申告するため、ここでは、山林の区分(立木と土地)ごとの評価方法について詳しく解説します。
5-1.相続税の基礎控除の確認
相続税の計算において、課税対象となる遺産総額から基礎控除額(3,000万円+(600万円×法定相続人の数))を差し引いた後の金額が課税対象となります。山林の評価額を含めた遺産総額がこの基礎控除額以下であれば、相続税の申告・納税は不要です。

5-2.評価方法の概要(山林と立木)
相続税における山林の評価は、土地としての山林と立木(樹木)の2つの要素に分けて行われます。山林は倍率方式や固定資産税評価額を基に評価し、立木は樹種・林齢・材積などを考慮した評価倍率に、立木の密度などの割合を乗じて評価します。
山林の評価について、詳しくは「山林の相続税評価」をご覧ください。
立木の評価について、詳しくは「立木の相続税評価についての基礎知識と評価方法」をご覧ください。
5-3.山林の種類による評価の違い(純山林、中間山林、市街地山林)
山林は、その所在する地域や利用状況により、以下の3種類に区分され、それぞれ評価方法が異なります。
5-3-1.純山林
都市計画区域外などにあり、森林のまま利用されている山林です。林地は倍率方式で評価されます。なお、純山林が保安林に指定されている場合、立木の伐採や土地の形質変更に制限があるため、その評価額は倍率方式で算出した金額からさらに30%~80%減額されます。この減額措置は、立木評価についても適用されます。
純山林の評価について、詳しくは「純山林の相続税評価方法」をご覧ください。
5-3-2.中間山林
都市計画区域内や都市近郊にあり、将来的に宅地化される可能性が低い山林です。林地は倍率方式で評価されますが、純山林より高い価額となる傾向があります。
中間山林について、詳しくは「中間山林の相続税評価方法」をご覧ください。
5-3-3.市街地山林
市街地にある宅地化が見込まれる山林です。林地は宅地比準方式(宅地としての価額から、造成費などを差し引く方法)により評価されます。
市街地山林について、詳しくは「市街地山林の相続税評価【税理士が解説】宅地転用の基準とは」をご覧ください。
5-4.相続税の納税猶予・免除の特例の概要
特定森林経営計画が定められた区域内の特例施業対象山林を、被相続人から相続または遺贈により取得した林業経営相続人が、特定森林経営計画に従った山林経営を20年以上継続するなどの要件を満たす場合、その山林にかかる課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されます。
この林業経営相続人が死亡した場合、納税が猶予されている相続税の納付は免除されます。
ただし、生前に計画の認定が取り消されるなど、特例の要件を満たさなくなった場合には、猶予されていた相続税額と利子税を納付しなければなりません。
ここまで、山林の相続における手続き、メリット・デメリット、そして複雑な評価方法について解説してきました。山林の評価、税制特例、多岐にわたる手続きには高度な専門知識が求められます。後々のトラブルを防ぎ、最善の判断を下すためには、専門家のサポートが不可欠です。
次章では、山林相続で困ったときに頼れる専門家と、その役割について解説します。
6.山林相続で困ったら専門家に相談
山林の相続は、手続きや評価が複雑で、ご自身で全てを円滑に進めるのは難しい場合があります。後々のトラブルを避け、円満な相続を実現するためにも、各専門家の知識とサポートを賢く活用しましょう。ここでは、山林相続で頼れる専門家とその役割について解説します。
6-1.相続登記や届出は司法書士へ
相続した山林の名義変更(相続登記)は、司法書士の専門分野です。登記は土地の権利を公的に示す重要な手続きであり、義務化されています。また、相続人調査や遺産分割協議書の作成など、法的な書類作成や手続き全般のサポートを依頼できます。
6-2.評価額の算定や節税対策は税理士へ
相続税の申告や納付が必要な場合、税理士に相談しましょう。山林の正確な評価額算定は専門的な知識を要します。また、相続税の節税対策や納税猶予などの制度活用についても、適切なアドバイスを受けることができます。
6-3.山林の管理や活用は森林組合へ
相続した山林の管理や活用方法に悩んだら、地域の森林組合に相談するのが最善です。組合は、間伐や植林といった山林の適切な維持管理、木材の販売や活用計画の策定をサポートします。また、管理や整備にかかる補助金制度がある場合もあるため、情報収集のためにも一度尋ねてみることをおすすめします。
7.まとめ
山林の相続は、評価や法規制、管理の面で一般的な不動産とは異なる特殊な課題を伴います。相続人が抱きがちな不安を解消するためには、まずその特殊性を理解し、相続後の維持管理コストや将来的な収益性を慎重に比較検討することが不可欠です。
仮に、所有のメリットが見込めず「負の遺産」となるリスクが高い場合、相続放棄や売却、国庫帰属といった手放すための具体的な対処法を検討する必要があります。
また、山林の相続に係る法的な手続きや届出には期限が設けられているため、迅速な対応が求められます。
山林の相続は、一般的な不動産とは異なる特殊な側面を持つため、不安を感じる方が多くいらっしゃいます。しかし、適切な知識と準備があれば、その不安を解消できます。実際の手続きや管理、評価、税務処理の場面では、とりわけ専門的な判断が必要とされます。
山林を承継することによる将来的な負担を軽減し、円満な相続を実現するためには、司法書士(登記・法的手続き)、税理士(評価・節税対策)、森林組合(管理・活用)といった専門家のサポートを受けながら、早期に対処していくことが重要です。
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