相続税の申告漏れに気づいたら|自主的な申告で追徴課税が少額になる
相続税の申告漏れとなっている財産の存在に気づいたとき、どう対処すれば良いのか不安に感じる方は多いのではないでしょうか。
結論を言うと、税務調査の事前通知が来る前に自主的に修正申告・期限後申告をすれば、追徴課税を大幅に抑えることができますので、すぐに税理士に相談してください。
相続税の申告漏れは決して珍しいことではありませんが、放置すると延滞税が日々積み上がるため、スピーディーな対応が求められます。
本記事では、相続税の申告漏れをしやすい財産の具体例や、申告漏れに気づいたときの正しい対処法を相続税専門の税理士が解説します。
この記事の目次 [表示]
1.相続税の申告漏れに気づいたら自主的に申告を(追徴課税が少額になる)
相続税の申告漏れに気づいたら、税務調査の事前通知が来る前に、自主的に修正申告・期限後申告を行うことが重要です。
この理由は、自主的に修正申告・期限後申告をすれば、ペナルティ(罰則)として課せられる追徴課税(加算税や延滞税)を少額に抑えられるためです。
自主的に申告すべき理由
「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」によると、実地調査(税務調査)の追徴税額は1件あたり平均867万円、簡易な接触(文書・電話・来署依頼)の追徴税額は1件あたり平均63万円とされており、約13.8倍の差があります。
自主的に修正申告・期限後申告をしたケースをまとめたデータではありませんが、深刻な申告漏れほど実地調査になりやすく、軽微な申告漏れであれば簡易な接触で済む傾向を示しています。
つまり、「うっかりミス」や「軽微なミス」であれば、税務調査が入る前に対応すれば、追徴課税の負担を大きく減らせるということです。
1-1.理由①加算税の税率を軽減できる
加算税とは、相続税申告に不備があった場合のペナルティ(罰金)で、過少申告加算税・無申告加算税・重加算税の3種類のいずれかが適用されます。
これらの加算税は、「どのタイミングで修正申告・期限後申告したのか」で、課せられる加算税の種類と税率が変動します(詳細は後述します)。

つまり、相続税の申告漏れに気づいた時点で、自主的に修正申告や期限後申告をすれば、加算税の税率を低く抑えられるということです(追加で納付すべき相続税額に対して税率を乗じます)。
なお、重加算税が課税されるのは、税務調査によって「故意の仮装・隠蔽があった」と認定された場合のみです。 「うっかり」であれば重加算税が課税される心配はまずありません。
1-2.理由②延滞税の対象日数を減らせる
延滞税とは、相続税の納付が遅れたことに対するペナルティ(罰金)です。
延滞税は法定納期限(申告期限)の翌日から完納までの日数に対して課税されますが、法定納期限から2ヶ月を境に税率が上がる仕組みですので、放置する日数が増えるほど延滞税が積み上がります。

なお、税務調査で「故意の仮装・隠蔽があった」と認定されない限りは、「延滞税の計算期間の特例」が適用されます。
延滞税の計算期間の特例とは、仮装・隠蔽(偽りその他不正の行為)がない場合に、一定の期間を延滞税の計算対象から除外する特例です。
具体的には、
- 期限内申告をしていた場合:
法定申告期限の翌日から1年を経過する日の翌日から、修正申告書を提出した日(または更正通知書を発した日)までの期間 - 期限後申告をしていた場合:
その期限後申告書の提出後1年を経過する日の翌日から、修正申告書を提出した日(または更正通知書を発した日)までの期間
が、延滞税の計算期間に算入されません。
参考:国税庁「No.9205 延滞税について」、e-Gov法令検索「租税特別措置法第94条」ほか
詳細については以下ページをご覧ください。
参考:相続税の延滞税・加算税はいくら?税率・計算方法・免除特例も解説
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相続税の申告漏れに気づいたら、すぐに税理士に相談して適切な税務処理を行いましょう。
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2.相続税の申告漏れに注意!見落としが起きやすい6つの相続財産
相続税の申告漏れがある背景には、特に見落としやすい種類の相続財産が存在することが挙げられます。
国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」によると、申告漏れ財産の72.4%が「その他」「現金・預貯金等」に集中しており、特定の財産に偏って発生していることが分かります。
申告漏れしやすい相続財産の代表例
これらの相続財産には「相続税の申告対象という認識が薄い」「相続人らが存在を把握しにくい」という共通点があります。
この章では、これらの財産が申告漏れしやすい理由や、取り扱いの注意点について解説します。
2-1.名義預金(家族名義の銀行口座)
名義預金とは、銀行口座の名義が家族であるものの、実際には被相続人のお金として扱われる預金のことです。
相続税申告で重視されるのは、銀行の「名義」ではなく、「誰が管理していたか(原資は誰のものなのか)」という点です。
申告漏れしやすい理由
- 被相続人名義の通帳・印鑑ではない
- 名義人の財産と思い込んでいる
代表的な名義預金は、子どものための教育資金として貯金していた、被相続人の管理下にあった子名義の銀行口座です。
名義預金は、相続人が「被相続人の財産ではない」と思い込みやすく、申告漏れの典型例です。
心当たりがある場合は、早めに入出金や管理状況を確認しておくことが大切です。
参考:名義預金とは│条件や相続税が課税されない方法、時効も解説
2-2.タンス預金(自宅保管の現金)
タンス預金とは、金融機関に預けることなく、自宅などで保管されているまとまった金額の現金のことです。
特に高齢の方は、まとまった金額の現金を手元に置くことが多く、保管場所を共有されていないと見落とされがちです。
申告漏れしやすい理由
- 家族がタンス預金の存在を知らないことが多い
- 現金がどこにあるのか不明である
- 申告しなくてもバレないと誤解されがち
まとまった現金を引き出して自宅で保管すること自体は問題ありませんが、家族が把握していなければ、申告漏れに直結します。
心当たりがある場合は、引き出し履歴や現金の保管状況を早めに確認しておくことが大切です。
参考:タンス預金はバレる!ペナルティと相続税対策にならない理由を解説
2-3.相続開始前3~7年以内の暦年贈与財産
相続開始前3~7年以内に行われた暦年贈与財産は、非課税の範囲内であっても、相続財産に持ち戻しをして相続税の課税対象となります(「生前贈与加算」と呼びます)。
そのため、過去の贈与を正確に把握していないと、申告漏れが起きやすくなっています。
申告漏れしやすい理由
- 贈与の記録(通帳・契約書)が残っていない
- 贈与税の非課税枠の範囲内だから関係ないと誤解しやすい
- 相続税法改正後の7年ルールを知らない
生前贈与加算の対象になるのは、相続開始前3年以内の贈与財産でしたが、令和6年1月1日以降は段階的に延長され、最終的には7年以内まで延長されます(相続開始前4~7年以内の生前贈与財産は総額100万円を差し引いた後の金額が対象)。
法定相続人への贈与状況を整理しておかないと、相続時に思わぬ申告漏れにつながるため、早めの確認が重要です。
参考:生前贈与加算とは?対象者・相続税改正内容・生前贈与の注意点を解説
2-4.有価証券(株式・投資信託・国債など)
株式・投資信託・国債などの有価証券は、家族が口座の存在を把握していないことが多く、申告漏れが起きやすい財産です。
特にネット証券は書面での通知が少ないため、相続時に発覚しにくい傾向があります。
申告漏れしやすい理由
- 家族が証券口座を開設・運用していた事実を知らない
- ネット証券は郵送物が少なく存在が見つかりにくい
- 配当金の入金先を確認しないと存在に気づかない
代表的なのは、被相続人がネット証券で株式を運用していたものの、家族がID・パスワードを知らずに口座が放置されていたケースです。
心当たりがある場合は、配当金の振込口座や郵便物、メール履歴などを確認し、証券口座の有無を早めに把握しておくことが重要です。
参考:デジタル遺産が相続トラブルの原因に!?生前整理した方が良い理由を事例付きで解説
2-5.骨董品・美術品・貴金属類
骨董品や美術品、指輪・着物・貴金属類などは、相続税の申告対象という認識が薄く、申告漏れが起きやすい財産です。
特に趣味で集めていたコレクションは、相続人が価値を把握していないことが多く、申告漏れにつながりやすい傾向があります。
申告漏れしやすい理由
- 趣味の品として扱われる(相続財産として認識されにくい)
- 相続人が価値を知らずに評価額を見落とす
- 家庭内に自然に存在する物が対象になると気づかない
- 申告しなくてもバレないと誤解されがち
1つあたりの価値が5万円を超える動産については、財産評価基本通達129に基づいて、個別に評価を行わなくてはなりません。
5万円以下の動産については、「家財道具一式」としてまとめて評価することとなります(財産評価基本通達128)。
動産の取り扱いが分からない場合は一覧表を作成し、必要に応じて専門家に評価を依頼することが大切です。
2-6.死亡保険金や死亡退職金
死亡保険金や死亡退職金は、相続人が「遺産ではない」と誤解して申告漏れが起きやすい財産です。
しかし、これらは被相続人の死亡を事由として支払われる金銭ですので、「みなし相続財産」として、非課税枠(500万円×法定相続人の数)を超えた部分が相続税の課税対象になります。
申告漏れしやすい理由
- 受取人固有の財産である(相続人同士で情報共有されない)
- 遺産分割協議の対象にならない
- 相続税の課税対象になると思っていない
- 支給されることをそもそも相続人が把握していない
死亡保険金や死亡退職金は、「遺産分割の対象ではないから申告不要」と誤解されやすい典型的な財産です。
また、生命保険の契約形態によっては、贈与税や所得税の対象となることもあり、受取人が税務処理を誤解していることも考えられます。
契約内容や受取人の情報を整理し、課税関係を正しく確認することが重要です。
参考:生命保険(死亡保険金)の相続税はいくら?非課税枠・計算シミュレーションも解説
3.相続税の申告漏れに気づいたら「今すぐ」やるべきこと
相続税の申告漏れに気づいた場合、期限までに申告書を提出したかどうかで対応が異なります。
- 申告書を提出済み…修正申告をする
- 申告書は未提出…期限後申告をする
どちらのケースでも、すぐに税理士へ相談して、最も負担の少ない方法で対応することが重要です。
3-1.申告書を提出済み&申告漏れに気づいたら【修正申告】
相続税の申告書を提出した後に、申告漏れしている財産の存在に気づいた場合は、「修正申告」を行います。
修正申告とは、すでに提出した相続税申告書の内容に誤りがあった場合に行う手続きのことです。
追加で納める税額がある場合は、ペナルティ(罰則)として過少申告加算税と延滞税が課税されますが、どのタイミングで修正申告をしたのかで税率が変わります。
| 過少申告加算税 | 延滞税 | |
|---|---|---|
| 自主的(事前通知前) | なし | 特例適用可 |
| 事前通知後~税務調査前 | 5~10% | 特例適用可 |
※税率は納めるべき税額に応じて変動
税務調査の事前通知が届く前に「自主的」に修正申告をすれば、過少申告加算税はかからず延滞税(特例適用可)のみとなるため、税負担は大幅に軽減されます。
申告漏れに気づいた場合は、すぐに税理士へ相談し、最も負担の少ない方法で対応することが大切です。
参考:相続税の修正申告を税理士が解説!やり方・期限・必要書類など
3-2.申告書は未提出&申告漏れに気づいたら【期限後申告】
相続税の申告書を提出しておらず、相続税の申告期限(10ヶ月)を過ぎてから申告漏れしている財産の存在に気づいた場合は、期限後申告を行います。
期限後申告とは、期限内に提出できなかった相続税申告書を、後から税務署に提出する手続きのことです。
期限後申告をする場合、ペナルティ(罰則)として無申告加算税と延滞税が課税されますが、こちらもどのタイミングで期限後申告をしたのかで税率が変わります。
| 無申告加算税 | 延滞税 | |
|---|---|---|
| 自主的(事前通知前) | 5% | 特例適用可 |
| 事前通知後~税務調査前 | 10~25% | 特例適用可 |
※税率は納めるべき税額に応じて変動
なお、申告期限から1か月以内に自主的に期限後申告をし、さらに期限内に申告する意思があったと税務署に認められる場合は、無申告加算税が課税されないケースもあります。
無申告に気づいた場合も、すぐに税理士に相談し、早急に期限後申告を行うことが重要です。
参考:相続税申告をしないとどうなる?無申告の罰則やバレる理由を解説
4.税務調査で申告漏れを指摘された場合の追徴課税の仕組み
相続税の申告漏れを放置したまま税務調査が入ると、加算税や延滞税が大幅に重くなる可能性があります。
特に「故意の仮装・隠蔽があった」と認定された場合は、最も重いペナルティである重加算税が適用されるので注意が必要です。
ただし、通常のうっかりミスであれば、事前通知の段階で修正申告・期限後申告を行うため、ここまで発展するケースは稀です。自主的に申告せず放置した場合のリスクとして知っておきましょう。
参考:相続税の税務調査事前対策のポイント8つ!追徴課税されないために
4-1.税務調査で「故意の仮装・隠蔽はなかった」と認定された場合
税務調査で「故意の仮装・隠蔽はない」と判断された場合、過少申告加算税もしくは無申告加算税、さらに延滞税が課税されます。
| 修正申告 (申告書提出済) | 期限後申告 (申告書未提出) | |
|---|---|---|
| 過少申告加算税 | 10~15% | なし |
| 無申告加算税 | なし | 15~30% |
| 延滞税 | 特例適用可 | 特例適用可 |
※税率は納めるべき税額に応じて変動
延滞税は引き続き「延滞税の計算期間の特例」が適用されるため、税負担はある程度軽減されます。
ただし、加算税は通常より税率が高くなるため、税務調査が実施される前に自主的に修正申告・期限後申告することが重要です。
4-2.税務調査で「故意の仮装・隠蔽があった」と認定された場合
税務調査で「故意の仮装・隠蔽はあった」と判断された場合は、重加算税と延滞税が課税されます。
重加算税は、故意の仮装・隠蔽があった場合に課される最も重い加算税で、通常の加算税よりも高い税率が適用されます。
| 修正申告 (申告書提出済) | 期限後申告 (申告書未提出) | |
|---|---|---|
| 重加算税 | 35% | 40% |
| 延滞税 | 特例適用不可 | 特例適用不可 |
税務調査で「故意の仮装・隠蔽があった」と認定された場合、「延滞税の計算期間の特例」は適用できなくなります。
「本来の法定納期限」から「完納」までの期間に対してまるごと延滞税が課税され、負担が非常に重くなります。
さらに悪質であると認められる場合は、相続税法第68条・第69条に基づき刑事罰が科される可能性もあります。
参考:相続税の重加算税とは【令和7年度版】事例・税率・計算方法を税理士が解説
5.相続税の申告漏れはなぜ・いつ税務署にバレるのか
相続税の申告漏れは「バレなければ大丈夫」と考える人もいますが、実際には税務署は多くの情報を自動的に把握しています。
この章では、税務署がいつ・どのように申告漏れを発見するのかを確認していきましょう。
5-1.死亡届が提出されると国税庁に通知される
市区町村役場に死亡届が提出されると、その事実は法務省を経由して、国税庁にオンライン通知されます(相続税法第58条)。
そして、税務署はKSKシステム(国税総合管理システム)を通じて、以下のような被相続人の財産情報を自動的に照合します。
税務署が把握できる財産情報
- 銀行の名寄せ情報(残高・出金履歴・定期預金の有無)
- 証券会社・保険会社からの支払調書(株式・投信・保険金)
- 不動産登記情報(所有不動産や評価額)
- 過去の所得・贈与の履歴
- マイナンバー連携による資産情報
これらはすべて税務署に自動的に届くため、相続人が申告しなくても、相続財産の全体像は税務署側で把握される仕組みになっています。
5-2.申告漏れがバレるタイミングはいつなのか
税務署が申告漏れを把握するタイミングは、相続税の申告期限から1~2年後と言われています。
この理由は、税務署が把握している財産情報と、提出された申告書を比較して、不自然な点がないかを確認するためです。
不自然な点があれば簡易な接触(文書・電話・来署依頼)が行われ、事実関係を確認する必要があれば実地調査(税務調査)が行われます。
「時効成立まで逃げ切る」という考えは現実的ではありません。
5-3.税務署から接触がある確率(統計)
国税庁「令和6年分相続税の申告事績の概要」や「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」では、以下のように発表されています。
| 相続税申告に係る被相続人数 | 16万6,730人 |
| 簡易な接触(文書・電話・来署依頼) | 2万1,969件 |
| 実地調査(税務調査) | 9,512件 |
何かしらの形で税務署から接触があったのは合計3万1,481件、これは全体の約18.9%、約5.3件に1件の確率です。
相続税の申告漏れ自体は珍しいことではなく、税務署が積極的にチェックしている分野であることが分かります。
申告漏れに気づいた時点で、自主的に修正申告・期限後申告をすることが大切と言えるでしょう。
6.相続税の申告漏れに関するよくある疑問まとめ
相続税の申告漏れに関する、よくある質問をQ&A形式でまとめました。ぜひ参考にしてください。
6-1.「相続税についてのお尋ね」が届いたらどうすれば良い?
「相続税についてのお尋ね」が届いても、過度に心配する必要はありません。
この理由は、相続税についてのお尋ねは税務調査の事前通知ではなく、相続税申告が必要になる可能性があると判断した場合に送られる「確認書面」であるためです。
同封される「相続税の申告要否検討表」に必要事項を記入して返送すれば、そのまま終了するケースもあります。
まずは内容を整理して回答期限内に落ち着いて対応することが大切ですので、税理士に相談しましょう。
参考:税務署から相続税についてのお尋ねが届いた時の対応方法とポイント
6-2.相続税の申告漏れに時効はある?逃げ切れる?
相続税の時効は申告期限から5年(悪質な場合は7年)ですが、実務上「時効まで逃げ切る」ことはほぼ不可能です。
銀行・証券会社・保険会社からの情報は毎年自動的に税務署へ送られ、出金履歴や名寄せ情報から不自然な動きはすぐ把握されます。
相続税の時効成立までの間に、ほぼ確実に申告漏れを指摘されると思っておきましょう。
参考:相続税の時効は5年か7年│税務署は何年さかのぼる?ペナルティも解説!
6-3.少額の申告漏れなら放置しても良い?
「少額の申告漏れだから大丈夫」と放置すると、延滞税が日々積み上がり、結果的に負担が大きくなります。
申告漏れに気づいていながら修正申告や期限後申告をしない場合は、「意図的な仮装・隠蔽があった」と判断されて重加算税(35%)の対象になる可能性もあります。
金額の大小にかかわらず、申告漏れに気づいた時点で修正申告・期限後申告を行うのが、最も安全で適切な対処法です。
6-4.配偶者控除を適用した後に申告漏れが発覚したら?
配偶者控除を適用したケースにおいて申告漏れしていた財産が見つかった場合、仮に配偶者がその財産を取得するとしても修正申告が必要です。
この理由は、税務調査が実施されて「意図的な仮装・隠蔽があった」と認定された場合、申告漏れした財産に配偶者控除を適用できなくなるためです。
さらに重加算税と特例適用外の延滞税が課せられますので、税負担が非常に重くなってしまいます。
「配偶者は非課税だから放置してよい」という誤解は危険です。追加で見つかった財産が少額でも、自主的に修正申告を行いましょう。
6-5.名義預金はどこまで調べられる?
税務調査には強い調査権限があり、金融機関に照会をすれば過去10年間の口座の入出金情報を調べることができます。
なお、調査対象となるのは被相続人の銀行口座のみならず、相続人の銀行口座も対象ですので、隠し通すのは非常に困難です。
親が子名義で貯めていた預金でも、実質が親の管理であれば相続財産に含まれます。
名義預金は税務署が特に注目するポイントですので、心当たりがある場合は早めに確認しておきましょう。
参考:バレない口座は作れない!税務署が銀行口座を監視・調査する手段とは?
7.相続税の申告漏れに気づいたら税理士に相談を
相続税の申告漏れに気づいたら、すぐに税理士に相談をして自主的に修正申告・期限後申告をしましょう。
相続税の申告漏れは、気づいたときの対応がその後の税負担を大きく左右します。
少額の見落としでも延滞税は日々増え続け、税務調査で「故意の仮装・隠蔽である」と指摘されれば重加算税の対象となる可能性もあります。
税務署は金融機関や保険会社の情報を把握しており、申告期限から1~2年以内に申告漏れを指摘されるのが一般的です。
相続税の申告漏れに気づいたら、早めに税理士へ相談し、最も負担の少ない方法で修正申告・期限後申告を進めましょう。
7-1.税理士法人チェスターにご相談を
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