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遺言書にはどんな効力があるの?遺言書の種類と効力について

遺言という言葉は皆さんご存知のことと思います。亡くなる前にご自身の遺産の分配方法などを記載しておくものという認識をお持ちではないでしょうか?しかし、なんとなく遺産がたくさんある人が作っておいた方が良いものというイメージもありませんか?遺言書は遺産相続によるトラブルを防ぐ効果も期待できます。そのため、作成することが可能であれば作成しておいたほうが良いケースは多いです。

しかし、遺言によって決めることが出来ること、出来ないことがあります。また、書き方を間違えるなどの不備があると遺言として効力を発揮できない可能性があります。せっかく作成した遺言がしっかりと効果を発揮してくれるように、今回は遺言の効力や作成時の注意点についてご紹介します。

1.遺言には種類がたくさんある!

遺言書と一言でいっても、実はたくさんの種類があります。遺言書の作成方法や遺言を作成する人の状況によって作成する遺言の種類が異なります。また、種類によって効力が変わるものもあります。それぞれの遺言をさらっと紹介しておきます。種類ごとに関してはそれぞれ別の記事がありますのでそちらを参考にしてください。

(1)普通方式遺言

普通方式遺言の種類は3つです。それぞれ作成方法などが異なります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は一番作成が簡単な遺言書となります。自筆証書というようにすべて手書きで作成する必要があります。
証人や立会人が不要なため費用がかからない、遺言の内容を秘密にできるといった利点もありますが、書き方を間違えて無効になってしまったり、保管場所や方法によっては見つけてもらいづらいといったデメリットが大きいため基本的には下記の公正証書遺言が勧められます。

自筆証書遺言書の作成から使用に至るまで、知っておくべき4つのこと

公正証書遺言

公正証書遺言は公証人に遺言内容を伝え、公証人が遺言書を作成します。遺言の保管も公証役場で行ってもらいます。2人以上の証人が必要となり費用もかかりますが、最も不備が起こりにくい遺言と言えます。

遺言を遺すなら公正証書遺言がおすすめ!メリットや作成方法を解説

秘密証書遺言

秘密証書遺言は作成にあたり自筆である必要はなく、パソコン等を使用しての作成も可能です。公証役場で遺言が本人の意思により作成されたことを確認してもらう必要があります。

秘密証書遺言とは?メリット・デメリットや作成方法を解説します

(2)特別方式遺言

特別方式遺言とは普通方式遺言を作成することが出来ない状態の人が作成する特殊な遺言となります。遺言を作成する人の状況によって種類がわかれ全部で4種類あります。

遺言書にはどんな効力があるの?遺言書の種類と効力について

病気や怪我などにより命の危機が迫っている状況の方が作成する遺言です。ご自身で遺言を書くことが出来ない状態の場合には、立会証人に口頭で伝え代筆してもらうことが可能です。

遺言書にはどんな効力があるの?遺言書の種類と効力について

船や飛行機などを利用しているときに危難に遭遇した場合に作成する遺言を言います。一般危急時遺言と同様にご自身で遺言を書くことが出来ない状態の場合には、立会証人に口頭で伝え代筆してもらうことが可能です。

遺言書にはどんな効力があるの?遺言書の種類と効力について

伝染病などで隔離を余儀なくされている状態の人や、刑務所に服役中など交通を立たれている状態の人が作成する遺言です。特殊な点としては立会人として警察官1名と証人1名という指定があります。伝染病などで隔離を余儀なくされている状態は行政によって隔離されている状態となるため、警察官が立会う必要があるようです。

遺言書にはどんな効力があるの?遺言書の種類と効力について

航海中など陸地から離れている状態で作成する遺言書です。陸地から離れていても飛行機は搭乗時間の関係からこちらの遺言には該当しません。

一般危急時遺言と難船危急時遺言は本人が作成していない場合も想定されるため、家庭裁判所での確認が必要です(検認とは異なります)。一般隔絶地遺言と船舶隔絶地遺言はどちらも本人が作成するため、家庭裁判所での確認は不要となります。

特別方式遺言ってどんなもの?4つの特別方式遺言について

2.遺言書の効力

遺言書には出来ることと出来ないことがあります。出来ること出来ないことを把握しておくことできちんとした遺言を作成することが出来ます。

出来ること1:遺産に関すること

遺言書にはどんな効力があるの?遺言書の種類と効力について

① 相続分を指定する

相続人の相続分をそれぞれ指定することが可能です。法律上では法定相続分という相続人が遺産を取得できる取り分の目安が決められていますが、遺言を作成することで、遺言を作成した人が自由に相続人の取り分を指定することが出来ます。

② 遺産分割の禁止も指定できる

遺言には誰がどの遺産を相続(遺贈)するか記載しておく必要がありますが、遺産分割の方法を利害関係のない第三者にお願いすることも可能です。また、遺産分割で相続人同士が揉める可能性もあるため、遺産分割を一定の期間(相続開始から5年を超えない範囲)禁止することも出来ます。

③ 財産の遺贈ができる

基本的に被相続人が遺した財産に関しては法定相続人が相続することになりますが、法定相続人とならない人に財産を渡すことが出来ます。このように法定相続人以外の人に財産を渡すことを遺贈といいます。
婚姻関係のない内縁の妻や愛人には相続権が発生しないため、そういった人たちに財産を渡したいという場合も、遺言に遺贈の記載をしておくことで財産を遺すことができます。

遺贈(いぞう)と相続って何が違うの?

出来ること2:人に関すること

遺言書にはどんな効力があるの?遺言書の種類と効力について

① 相続人の廃除(相続廃除)

相続人となる人の相続する権利を剥奪することを言います。とは言え、簡単に剥奪できるわけではありません。遺言を作成する人が特定の相続人から虐待や侮辱、著しい非行などの被害にあっていたなど相続廃除になる事由に該当する場合に、その相続人の廃除をすることで、遺産を相続させないということが可能になります。

相続廃除で相続させたくない相続人の権利をはく奪できる?

② 未婚の状態で生まれた子の認知

隠し子などがいる場合には、遺言で認知することが出来ます。生前に認知するとなると色々と問題が生じる可能性もありますので、遺言で認知するというケースもあります。遺言で認知を行うことで、認知された子は被相続人の子として認められるため、相続人として遺産相続が可能になります。

非嫡出子(婚外子)でも相続できる?知っておきたい7つのポイント

出来ること3:遺言の執行について

遺言書にはどんな効力があるの?遺言書の種類と効力について

① 遺言執行者を指定する

遺言の内容をしっかりと執行してもらうために遺言執行者を選任しておきます。とくに、相続廃除や認知がある場合には遺言執行者を指定しておく必要があります。遺産相続には相続登記など行わなければならない手続きが多くありますので、遺言執行者を選任しておくことで、相続がスムーズに進む可能性が高いです。

遺言執行者は選任すべき?遺言執行者が必要な場合と解任の方法について

② 後見人の指定

相続人が未成年で、親権者となる人がいなくなってしまう場合には、後見人として第三者を指定し、未成年者の財産の管理などをお願いすることが出来ます。

未成年後見人とは

出来ないこと1:遺留分の侵害

遺留分とは相続人が最低限相続することができる相続分のことを言います。遺留分のある相続人に対して、遺留分を侵害するような内容の遺言書を遺しても、遺留分を持つ相続人が遺留分減殺請求を行うことで、遺留分の侵害にあたる遺言部分を無効にすることが出来ます。

遺言書にはどんな効力があるの?遺言書の種類と効力について

遺留分減殺請求って何!?相続前に知っておきたい遺留分のこと

3.遺言を作成する際の注意点

遺言を作成するにあたり、以下の点はしっかりと確認しておくようにしましょう。

(1)推定相続人が誰なのかを把握しておく

推定相続人とは遺言を作成している人が亡くなったときに相続人となる人のことを言います。遺言には誰に何を相続させるかを記載しておく必要がありますので、相続人となる人が誰なのかその人は遺留分があるのかという点も含めてしっかりと把握しておく必要があります。

(2)財産の記載漏れに注意する

預貯金であれば銀行名、支店名、口座の種類、口座番号など詳細に記載する必要があります。また、不動産の場合は登記事項証明書を取得して、記載内容どおりに遺言書に書いておきましょう。不動産や株式等の場合、評価額の変動が考えられます。不動産や株式を財産として遺言書に記載する場合には、評価額を確認し定期的に遺言書の見直しを行う必要もあります。

(3)「付言」をつけておきましょう

付言とは補足のような意味合いです。なぜ、遺言を作成したのかということや葬儀の方法など相続とは関係の無いようなことでも、ご自身の想いとして記載しておきましょう。

(4)遺言の開封は基本的に家庭裁判所での検認が必要

公正証書遺言の場合には、公正役場で保管されているため家庭裁判所での検認は必要ありませんが、それ以外の遺言書を開封する際には家庭裁判所での検認が必要です。家庭裁判所で検認を行わずに開封してしまうと、罰則が発生する可能性がありますので注意してください。

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まとめ

遺言は作成する方法や作成時の状況などにより種類が異なります。しかし、遺言書によって出来ることや出来ないことに大きな違いはありません。また、作成した遺言が無効とならないように、記載しなければならないことはしっかりと記載し、署名や捺印を忘れないようにしてくださいね。ご自身が作成する遺言がどの種類かによって守らなければならない決まりごとは異なりますので、その点に注意し遺言書を作成してください。

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